ファーラーのアクア コンプレッサーが復活を遂げ、今年は3つの新作モデルが登場した。このラインは2017年からファラーのコレクションに名を連ねてきたが、今年の3モデルでは初めてセリタに別れを告げ、ラ・ジュー・ペレ製のG101ムーブメントを搭載した。同社がこのムーブメントを初めて採用したのは3針モデルだったが、今回はこの遊び心あふれるダイバーズウォッチにも搭載されることとなった。
ケースデザインは従来どおりで、グレード2チタン製のクッション型コンプレッサーケースを採用している。重さはわずか62gと非常に軽量だ。ケース径は41mm、ラグ・トゥ・ラグは45mm、ケース厚は12.5mmとなっている。オメガスーパーコピー代引き優良サイトこれは正真正銘のコンプレッサーケースだ。水深が深くなるにつれて水圧がケース内のガスケットを押し込み、密閉性がまる仕組みだ。これにより300mの防水性を実現している。チタン製のねじ込み式リューズはふたつ備わっており、いずれもダブルガスケット仕様で、リューズが開いた状態でも100mの防水性能を維持する。上側のリューズは通常の操作に、下側のリューズ内部に備わった片方向回転式インナーベゼルを操作する際に使用するが、これはコンプレッサーを搭載したダイバーズウォッチによく見られる特徴である。
ケースを裏返すと、シースルーバックからラ・ジュー・ペレ製のムーブメントを鑑賞することができる。このムーブメントは68時間のパワーリザーブを確保。ファーラーはアクア コンプレッサーにおいて、キャリバーのなかでも最上位グレードである“ソワニエ(soignée)”を採用しており、これは4姿勢での精度調整が施されたことを示している。ムーブメントにはグラファイトPVD仕上げが施され、ローターには金色の波模様がカスタムされている。
ファーラーの愛用者にとってもっともなじみ深いのは、ブラックダイヤルのエンデバーだ。以前のエンデバーと大きくは変わらないが、新世代ではグレイン仕上げのテクスチャーダイヤルが採用された。鮮やかなグリーンの先端を持つ秒針と、時・分針に配された淡いブルーの夜光が、落ち着いたデザインに視覚的なアクセントを加えている。さらに、今年登場したふたつの新世代モデルと同様、針とインデックスにはアップグレードされたX2 スーパールミノバを使用。これまでのモデルよりも明るい発光が期待できる。
新作のエンデバー オーシャンブルーは、前作オーシャンホワイトで好評を博した夜光ダイヤルを踏襲しつつ、今回は濃紺のPVDコーティングが施されたチタンケースと、それに合わせた濃紺のラバーストラップを備えている。ホワイトの夜光ダイヤルに対して濃紺の針とインデックスがコントラストを生み出し、よく見ると、夜光の下にプリントされた波模様がダイヤルにひと味違った奥行きを加えている。
Ocean Blue Lume Shot
最後に紹介するのは、深みのあるグリーンカラーが印象的なヘクラ ハンターグリーン エディションだ。このモデルでは立体感のあるワッフルダイヤルが目を引き、インデックスのデザインもこれまでとやや異なる。12・3・6・9時位置にはアラビア数字が、そのほかの時刻にはバーインデックスが並ぶ。これらのインデックスはすべて、スーパールミノバとセラミックを融合して成形されたルミキャスト製で、立体的なアプライドパーツが暗闇でもしっかりと発光する仕様だ。
エンデバーおよびヘクラの価格は1295ドル(日本円で約19万円)、エンデバー オーシャンブルーの価格は1350ドル(日本円で約20万円)だ。なお、ファーラーはアクア コンプレッサー1本の販売ごとに、その利益の一部をヘブリディアン・ホエール・アンド・ドルフィン・トラストに寄付しており、これまでのシリーズを通じてすでに5万3500ポンド(日本円で約1040万円)の支援実績がある。
我々の考え
ファーラーにずっと引かれてきた理由は、何よりもその独自性のデザイン言語にある。ブランドは、ユニークで常識にとらわれないカラースキームや卓越したタイポグラフィによって、その個性を見事に確立してきた。端的に言えば、ファーラーの時計は最もシンプルなモデルであっても、グラフィックデザイナーの目を引くような細部へのこだわりが感じられ、それはこの価格帯のブランド全体を見渡してもなかなか珍しい。アクア コンプレッサーはそうしたブランドの美学をしっかりと受け継いでおり、標準的なコンプレッサーデザインに、同ブランドならではのデザインDNAを巧みに注ぎ込んでいる。
Farer Endeavour Aqua Compressor Slanted Shot
今年のモデルは決して革新的というわけではないが、的確なアップデートが加えられたことで、アクア コンプレッサーラインの鮮度が保たれているのはよろこばしい。ラ・ジュー・ペレ製のキャリバーは、今や価格帯を問わずさまざまなブランドから注目を集めつつあり、これがセリタ製SW200からの本格的な転換を意味するのか、今後の動向が気になるところである。個人的にはグリーン推しだが、エンデバーのクラシックなブラックダイヤルに映えるポップなカラーリングもオーシャンブルーの全面夜光ダイヤルも魅力的で、どちらかひとつなんて選べそうにない。
基本情報
ブランド: ファーラー(Farer)
モデル名: アクア コンプレッサー(Aqua Compressor)
直径: 41mm
厚さ: 12.5mm
ケース素材: グレード2 チタン
文字盤色: ホワイトまたはグリーンまたはブラック
インデックス: アプライド
夜光: スーパールミノバ X2
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット: ラバーストラップ、SSブレスレットはオプションとして追加可能
ムーブメント情報
キャリバー: ラ・ジュー・ペレ G101
機能: 時・分、センターセコンド表示
パワーリザーブ: 68時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 24
クロノメーター認定: なし
追加情報: 4姿勢で調整
価格&発売時期
価格: エンデバー & ヘクラは1295ドル(日本円で約19万円)、エンデバー オーシャンブルーは1350ドル(日本円で約20万円)
発売時期: 予約受付中。7月下旬発送予定
限定: なし