ショパール「L.U.C XPS 1860」:宝石商の矜持が生んだ、静謐なる超薄傑作
多くの人が「ショパール=ジュエリー」と思い浮かべる。
確かに、レッドカーペットを彩るハイジュエリーや、ハッピースポーツの遊戯的なダイヤモンドは、そのブランドイメージを確固たるものにしている。
しかし、真のショパール愛好家は知っている。
1996年、スイス・スーパーコピーフロイリエに自社製表工房を設立し、完全自社機芯開発への道を歩み始めたその日から、
ショパールは“宝石商”ではなく、“製表師” としての新たな歴史を刻み始めたことを。
その集大成が、L.U.C XPS 1860(Ref. 161946-5001)だ。
📜 名称の由来:創業者への敬意
「L.U.C」は、ブランド創業者ルイ=ユリス・ショパール(Louis-Ulysse Chopard)の頭文字に由来する。
XPS は「Extra-Plat Special(特別超薄)」の略。
そして「1860」は、創業年を示す——すべてが、伝統と革新の融合を象徴している。
🕊️ 外観:控えめな豪華さ
- ケース:18Kローズゴールド、直径40mm、厚み7.2mm
- 仕上げ:側面はラバーブラシ、上面はポリッシュ——着け心地と光沢の両立
- ブレスレット:ブラックアリゲーター+18Kローズゴールド針式バックル
サイズ感は現代的でありながら、スーツの袖口にすっぽり収まる極限の薄さ。
これは、“見せるための金時計”ではなく、“知る人ぞ知る”静謐なラグジュアリーを体現している。
🎨 表盤:三重円の調和
表盤は、三つの同心円で構成される精緻なレイヤー構造:
1. 最外周:サテン仕上げの銀色盤+黒色分目盛
2. 中央部:手彫りトゥールビヨン模様(Clous de Paris)
3. 6時位置:小秒盤(レコード紋)+日付窓
この配置は、機能性と装飾性の完璧なバランスを実現。
特に日付窓は、小秒盤の内側に埋め込まれており、視覚的乱雑さを一切排除している。
⚙️ L.U.C 96.01-L:3.3mmの奇跡
裏蓋はサファイアクリスタルで、L.U.C 96.01-L 自動巻きムーブメントが一望できる。
- 厚み:わずか3.3mm
- 特徴:
- 22Kゴールド製マイクロローター(片面のみ装飾)
- Twin双発条巻(動力備蓄65時間)
- 鵞頸微調(Swan-neck Regulator)
- 内瓦波紋(Côtes de Genève)+魚鱗紋(Perlage)
さらに、COSC公式天文台認定と日内瓦印(Poinçon de Genève)の二重認証を取得。
これは、精度・耐久性・装飾性のすべてにおいて、スイス製表の最高峰であることを保証する。
注:3.3mmという超薄自動巻きに、双発条巻を搭載するのは、技術的に極めて困難。
ショパールは、ローターの回転効率を最大化する特殊ギア設計により、これを実現した。
💎 編集部コメント:
輝きは、表面ではなく、中にある
L.U.C XPS 1860 は、
- 派手なベゼルがない
- ダイヤモンドもない
- 複雑機構も搭載していない
にもかかわらず、214万円(中国公定価格)という価格帯で、
コレクターからの熱い支持を集める。
なぜか?
それは、“宝石商が本気で作った機械式時計” だからだ。
ショパールは、宝石の輝きを“素材”に求めるのではなく、“仕上げ”と“機構”に求めた。
この一本は、
「時計とは何か?」という問いに対する、
ショパールからの静かな答えである。
輝きは、表面ではなく、
中にある。