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ティソ PRX パワーマティック80を1週間。

70年代の伝統と80年代の雰囲気を併せ持ち、価格の2倍(もしかしたら3倍)の価値を提供する時計の登場だ。

この10年間、最も価値のある自動巻き腕時計の候補が何本か登場した。時計収集趣味を始めたばかりの頃に最初に買う時計というような意味合いでのものだ。セイコー SKX007やハミルトン カーキフィールドメカニカルなどは、その筆頭格だ。2年前、ティソは1970年代のクォーツモデルにオマージュを捧げたモデルを発表した。その名もティソ PRXである。400ドル以下で買えるブレスレット一体型のスティール製スポーツウォッチだ。クール(非常にクール)でありながら、純粋な機械式ではなかったため、前述のモデルとは対極にある存在だった。しかしティソ PRX パワーマティック80の登場により、その状況は一変した。

事実上、これはPRXのテーマを機械式に変換させたものだった。40mmの一体型デザインはそのままに、さまざまなカラーの模様入りのダイヤルを追加したのだ。最も人気があるのはブルーダイヤルのバージョンで、この時計の何倍もする、ある類似のスタイルの時計をきわめて彷彿とさせる(これは言わねばなるまい)。しかしスティール製スポーツウォッチのデザインだからといって、特定のブランド専属というわけはないし、ダイヤルにちょっとした深みと視覚的なおもしろさを加える能力も特定のブランドの専売特許というわけでもない。

リシャールミルスーパーコピーそして今回のレビューの題材であるブルーダイヤルのPRX パワーマティック80を残すのみとなった。この時計は、時計という小さなニッチな世界の内外で大衆文化を席巻した時計である。昨年のNBAオールスターの週末に、この時計のテレビコマーシャルを見たのを覚えている。HODINKEEの同僚からニューヨークの地下鉄で見知らぬ人まで、この時計を巻いた手首を見かけたのだった。

PRXは人気があると言っても過言ではない。クォーツモデルは6万4900円という信じられない価格だが、10万100円(ともに税込)のパワーマティックモデルはさらに価値があると私は断言したい。歴史あるブランドのヘリテージウォッチに、ETA製キャリバー(ETA 2824改のETA CO7.111)が搭載されているのだ。その上、素晴らしいブレスレットとクラスプ機構が手に入る。

この時計が担保する品質と価値の多くは、この業界でしばしば悪者にされがちな要素である時計グループのコングロマリット構造の副産物である。つまりティソを所有するスウォッチグループのことである。ティソはスウォッチがETA社を傘下に置くことで、より低コストで高品質なムーブメントの供給を受けることができるのだ。同じようなことはハミルトン(こちらもスウォッチグループ傘下)でも行われている。よりよい製品をより多くの人に、より低価格で届けることができるという点で、これは実に素晴らしいことだと私は好意的に捉えている。

私は長いあいだ、ティソ PRXに興味を抱いていた。70年代のクォーツモデル、シースターをベースにしているので、その点では伝統があることは理解している。しかしAPやパテックのある種の時計に非常によく似ていることも理解している。このティソ PRXパワーマティック80と1週間過ごすなかで、私が最も興味を持ったのは、この時計が格安の高級品と感じられるか、それとも独自のものと感じられるか、という点だ。それを見極める方法はただひとつだった。

手首で1週間過ごす

ティソ PRXを初めて手にしたとき、最初に感じたのは時計の重さと全体の高い質感だった。プラスチックのような感触を期待していたわけではないのだが、なんとなく軽さや、どこかで手を抜いているような感覚を予想していた。そのようなことは一切なかった。ダイヤル、針、ケースの角度、ブレスレットの柔軟性、クラスプの出来に至るまで、この時計のすべてがよく構成され、考え抜かれ、一体となっているように感じられた。

ダイヤルに施された擬似タペストリー仕上げも見逃せない。この時計は、なぜか簡単に見過ごされてしまうのだが、その理由がわかったような気がする。PRXは70年代のデザインモチーフを使用しているものの、PRXのロゴは1980年代の映画ポスターから引用されたような書体だ。ダイヤルの柄も、まるでドット絵のようで、ブラウン管テレビでVHSの映画『トロン』を映したくなる。クレイジーと思われるかもしれないが、あくまで一個人の意見に過ぎない。

Tissot on wrist
しかし、その効果はこの時計を身につけたときの感覚を左右するものだ。ブルックリンのウィリアムズバーグの通りを歩いていると(コロニアル風の街並みのことだと思っている人のために補足しておこう)、ヘッドフォンにジャーニー(Journey)の曲を流したい衝動に駆られた。ちなみに私はドラマ『ソプラノズ』のラストシーンで流れる曲以外、ジャーニーは好きではないのだが。

閑話休題。PRXの装着体験で最も興味深かったのは手首に装着したときのラグジュアリーな感触だ。私は完璧なファーストウォッチというものについて考え始めたのだが、ティソ PRX パワーマティック80は、まさにその型にはまるものだった。1000ドルを大幅に下回る価格で、2万ドルの腕時計を手に入れることができるのだから。

Tissot on wrist
ティソのこの時計のターゲット層は若い時計購入者であることは理解しているが、この時計がマニアの憧れの対象でないのなら、そうなるのを見ずにはいられない。確かに2年前のモデルではあるが、このような時計は流行るまで本当に時間がかかるものだ。ニッチな存在から、より多くの人の手首に触れる存在へとようやく変わりつつあるのだと感じている。

Tissot in hand
昨年のNBAプレーオフでクレイ・トンプソンがヴァシュロン コンスタンタン Ref.222を着用しているとソーシャルメディアが勘違いし、それがゴールドのティソ PRXであることに気づいた瞬間が忘れられない。この時計は見た目も着け心地も、まさにそのとおりなのだ。この時計は、その重量をはるかに…はるかに上回るパンチ力を秘めている。

競合モデル
ニバダ グレンヒェン F77 ブルーダイヤル
Nivada Grenchen
PRXと同じ土俵でブレスレット一体型のスティール製スポーツウォッチデザインを提供する、クォーツ危機時代の復刻モデルをここに紹介したい。この時計で繊細な柄を持つブルーダイヤルと自動巻きムーブメントを手に入れることが可能だ。PRXとは異なり、このモデルは1000ドルを超える価格帯となる。

ゼニス デファイ スカイライン
Zenith Defy
ゼニス デファイ スカイライン ブルーダイヤル

明らかに1970年代は一体型ブレスレットのデザイン全盛期だった。ゼニス デファイ スカイラインは、ティソ PRXを購入し、その全体的なデザインに魅了され、次に購入するのは同様の外観と感触を持つ、より高価な時計を買うことしか考えられないのでなければ(価格を考えれば)ほとんど競合にはならないだろう。

オーデマ ピゲ ロイヤル オーク Ref.16202
AP Royal Oak 16202
その考え方でいくと、PRXを見たときに多くの人が目にするこの時計が、論理的にはいちばん近いと思われる。スティール製であること、自動巻きムーブメントを搭載し、エキシビジョンケースバックであること、模様の入ったブルーダイヤルであること、そして時刻がわかるという、この時計の一般的なデザイン様式について話す限りでは、これは歴とした競合モデルである。それ以外の点では、これらの作品はまったく異なる時計学の世界に属している。

最終的な考え
Tissot
APのロイヤル オークに関する私の考えを述べると、このような話をすること自体、価値があると考えている。PRXがこのモデルに匹敵する美的感覚を備えていることは間違いではない。このような道を選んだ時計やブランドに対して非難することもできようが、私は時計、購入希望者、そして趣味全体にとってよい結果をもたらすと思っている。

私はこの時計との時間を楽しみ、この時計と過ごした1週間をとおして、機械式計時を初めて体験する人になった気分を想像した。コスプレのようなものかもしれないが、そのおかげでこの時計を楽しむための正しい思考が反芻できたと思っている。気づいたら、私はこの時計が好きになっていたのだから。

Tissot
ムーンスウォッチを除けば、時計の世界からリアルな世界へ飛び出したお手頃価格の時計はなかなか思い浮かばない。ティソ PRXは間違いなくそのカテゴリーに属する時計であり、今後その影響力がどのように拡大していくのか、興味深いところだ。

リマスター01の発表から4年。今年、オーデマ ピゲは同コレクションに待望の第2弾を追加する。

オーデマ ピゲは(数年前にジュール オーデマとミレネリーのラインを廃止したあとのことだ)ロイヤル オークに代わるモデルとして位置づけられたCODE 11.59コレクションを発表した。その1年後に発表されたリマスター01([RE]Master01)は、オーデマ ピゲが製造した1940年代の時計にインスパイアされた新作クロノグラフとして500本限定で販売された。このリリースにより、APは単なる“ロイヤル オークの会社”ではなく、すでにヴィンテージコレクターになじみ深いブランドであることを誇示するような形で自社のヘリテージに傾注するように思われた。しかし、その予想は大きく外れることになる。同“コレクション”は、ブランドの“コレクション”のページ一覧にさえ掲載されていなかったのだ。 そしてそれから4年が経ち、私たちは第1弾のそれとは大きく異なる新しいリマスターと向き合うことになった。

シェイプドウォッチに(再び)流行の兆しが見え始めている。オーデマ ピゲスーパーコピーN級品代引き誰もが知っているように、大胆なフォルムの流行は今回が初めてではない。リマスター02は、直径27.5mmのイエローゴールドケースを持ち、わずか7本しか製造されなかったAPの希少なヘリテージであるRef.5159BAにインスパイアされた貴金属製の時計だ。そのオリジナルは、1959年から1963年にかけて、APがごく少数のアシメトリックなケース(合計30個)を製造した取り組みの一部にあたる。

この新作においてケースサイズは直径41mm×厚さ9.7mmと大幅に大型化し、防水性能は30m。素材には同ブランドのサンドゴールドが使用されている。この素材は、今年初頭に発表されたロイヤル オーク オートマティック フライング トゥールビヨン オープンワークで初めて登場したものだ。ダイヤル表面はプレーンかつフラットなものではなく、ロイヤル オーク ジャンボを象徴するブルー ニュイ ニュアージュ 50を採用している。このカラーはPVD(Physical Vapor Deposition、物理的気相成長法)によって施されたものだ。ダイヤルは12個の異なる三角形に分割され、それぞれが直線的なサテン仕上げで装飾、サンドゴールドの線によって区切られている。それがアワーマーカーとして機能し、サンドゴールドの針ともマッチしている。ケースはサテン仕上げでシャープなファセットが施され、AP社はこれを“ブルータリズムへのオマージュ”と公表している。クリスタルはケースの形に沿うようにカットされ、斜めから見ると少し歪んだように見えるが、それも魅力のひとつである。

内部には自動巻きムーブメントCal.7129が搭載されており、これは2022年にロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シンに搭載されたCal.7121をベースにしている。ムーブメントの厚さはわずか2.8mmであり、すなわち時計の厚みのほとんどはその形状を効果的に強調するためのものである。パワーリザーブは約52時間だ。価格は649万円(税込予価)で、このモデルはリマスター01の半分となる250本のみの販売を予定している。

我々の考え
APが次にリマスターを作るならどの時計を選ぶかと今年の初めに聞かれていたら、この時計にたどり着くまでにかなりの時間がかかっていたかもしれない。そう、シェイプドウォッチはいま、一大ブームとなっている。ベン・クライマーと韻を踏んだ名前を持つ著名人の言葉を借りれば、(カルティエの)クラッシュはもはや“ありきたり”な時計になりつつある。最近では、トレダノ&チャンという新しいブランドが建築にインスパイアされた時計を発表した。

そして、ジョン・シェーファーモデル、“チョコラトーネ”、“ディスコボランテ”、マルチカラーダイヤルの素晴らしいカレンダークロノグラフなど、深い歴史を持つオーデマ ピゲには多くの選択肢があった。しかし今回のこれはおそらく、リマスターラインを取り扱ううえでもっとも大胆な(そしてある意味もっともスマートな)選択肢だろう。“ブルータリズム”という用語について議論するつもりはないが、シェイプドウォッチの流行に乗るなら本当にいましかない。

私がミラノに滞在していたとき、(私自身は見ていないが)ブランドは顧客にこの時計を披露した。新しいリマスター02の41mm径のケースはかなり大きいと、何人かから聞いていた。このような古めかしいシェイプの時計が成功しているのは、その大胆さがサイズではなく、デザインとエレガンスから来るものであるからだ。とはいえ、実際に実物を見てみたいとは強く思っている。

サンドゴールドを使用した最初の製品を発表してから、これほど早くサンドゴールドが使用されるというのは喜ばしいことだ。確かにこれは250本限定のモデルだが、少なくともブランドは新しい素材を10年に1度しか見られないようにと、厳重に鍵をかけた箱にしまい込んでいるわけではない。私の願いは、APがリマスターコレクションの優先順位を再び上げてくれることだ。ふたつめのリリースまで4年というのは、長すぎた。CODE 11.59のラインが軌道に乗り始めているという事実や、ロイヤル オークに厳密には3つの独立したコレクション(メインラインにオフショア、コンセプト)があることは認めながらも、APが3本の柱を持つブランドになるのであればそれは素晴らしいことだ。それが可能であることを証明するためのバックカタログを、彼らはすでに手にしている。

[RE]Master02
基本情報
ブランド: オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)
モデル名: リマスター02([RE]Master02)
型番: 15240SG.OO.A347CR.01

直径: 41mm
厚さ: 9.7mm
ケース素材: サンドゴールド
文字盤色: 12分割された“ブルー ニュイ ニュアージュ 50”のダイヤル、直線的なサテン仕上げとサンドゴールドのライン
インデックス: 放射状に広がるサンドゴールドのライン
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: コントラストの効いたブルーのアリゲーターストラップ、マット仕上げの18Kサンドゴールド製ピンバックル

7129 Movement
Cal.7129

ムーブメント情報
キャリバー: 7129
機能: 時・分表示
直径: 29.6mm
厚さ: 2.8mm
パワーリザーブ: 52時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 31
クロノメーター認定: なし

価格 & 発売時期
価格: 649万円(税込予価)

超薄型のUP-01に続くリシャール・ミル×フェラーリモデル第2弾は、

リシャール・ミルから、RM 43-01 トゥールビヨン スプリットセコンドクロノグラフ フェラーリが登場。

先日、世界各国の報道陣や特別ゲストが集まるなか、リシャール・ミルは最新のフェラーリモデル、RM 43-01 トゥールビヨン スプリットセコンドクロノグラフ フェラーリを発表した。2022年の超薄型UP-01に続く本作は、RMとフェラーリのコラボレーションに対するまったく異なるアプローチを提示している。薄くはない。複雑機構も多い。そして、もしUP-01がリシャール・ミルの本質を極限までそぎ落とすことで実現したモデルであるならば、43-01はその真逆...あらゆる要素を盛り込んだマキシマリズムの体現であり、それだけにフェラーリらしさが際立つ。

さて、紹介すべきことは山ほどあるが、これを書いている今はフランス時間で午前3時。さっそく本題に入ろう。RM 43-01 トゥールビヨン スプリットセコンドクロノグラフ フェラーリはリシャール・ミルスーパーコピー時計 代引きから登場した新作の限定モデルであり、見た目で判別しやすい2種類のバージョンが用意されている。ひとつはチタンとカーボンTPT ®(ミドルケースがカーボン)の組み合わせ、もうひとつはフルカーボンTPT ®仕様だ。ゴールドやレッドのアクセントとヘアライン仕上げを採用したクラシックな仕様と、よりパフォーマンス志向かつモダンなカーボン仕様の両方を用意。各バージョンとも75本限定で、全150本はいずれも、思わず顔をしかめてしまうような価格が設定されている。

両バージョンとも、基本的には同一スペックのムーブメントを搭載しており(カーボンTPT ®モデルには補強のためのわずかな調整が加えられている)、ケースサイズも共通で、幅42.9mm、厚さ17.1mm、ラグからラグまで51.2mm。どちらもラバータイプのストラップが組み合わされ、チタン製のダブルフォールディングクラスプを備える。なお防水性能は50mだ。

RM 43-01はスタイル、機能、パフォーマンスのすべてにおいてデザインの要素として捉えるというフェラーリの哲学を体現するモデルであり、非常にフェラーリらしいアプローチ、すなわち驚異的な“エンジン”によってそれを実現している。わかりやすさのためにムーブメント名はRM43-01とされており、これは手巻き式の2万1600振動/時(3Hz)キャリバーで、時刻表示、トゥールビヨン、ダブルコラムホイール式のスプリットセコンドクロノグラフ(最長30分計測)に加え、パワーリザーブ表示、トルク表示、そしてRMではおなじみのリューズファンクション機能を備えている。

あまり深入りせず、簡単に説明しよう。スモールセコンドは(あえてそう呼ぶなら)文字盤の右下に位置するワンミニッツトゥールビヨン上に配置されており、外周の一部スケールと、5つの12秒区間に分かれた五芒星型の“針”によって構成されている。左上にはクロノグラフの分表示があり、さらにその上、左上隅には最大70時間のパワーリザーブインジケーターが確認できる。その対角の右上にはトルク表示が配置。そして中央には伝統的な時・分針と、2本のクロノグラフ針(スプリットセコンドであることを忘れずに)がある。これらすべてをひとつのケースに収めるまでに、リシャール・ミルとフェラーリは少なくとも3年の開発期間を費やしている。

ユーザーインターフェースの観点から見ると、43-01の見た目ほど操作は複雑ではない。リューズにはファンクション表示が組み合わされており、現在のポジションが巻き上げ(Winding)、ニュートラル(Neutral)、時刻合わせ(Hacking)のどれに設定されているかをすぐに確認できる。リューズ下のプッシャーはスプリットセコンドの操作用である。ケース左側にはさらにふたつのプッシャーがあり、下がクロノグラフのスタート/ストップ、上がスプリットセコンドクロノグラフのリセット機能となっている。実際に操作してみるとプッシャーはこの価格帯の時計としても非常に優れており、スムーズで心地よいクリック感があって操作に過剰な力を必要としない。

リシャール・ミルの時計である以上、チタン製のスケルトンムーブメントが採用されていることに驚きはない。そして43-01もまた、その複雑なビジュアルを象徴するような仕上がりであり、微細なパーツのひとつひとつにまでていねいな仕上げがされている。以下の画像でムーブメントを見ると実に多くの要素が確認できるが、特に注目すべきは左右非対称の設計、そして右下に見えるスプリットセコンド機構用のブレーキ部分に施されたゴールド仕上げである。このパーツは針の停止精度を高めるとともに、万が一強い衝撃が加わった場合でも針をしっかりと固定する役割を担っている。

スプリットセコンド機能を含めてクロノグラフはきわめて複雑であり、その制御にはふたつのコラムホイールが用いられている。これにより前述のブレーキの作動を含む、クロノグラフのさまざまな動作フェーズが正確に実行される。

SF90やデイトナSP3といったモデルから直接インスピレーションを得たことで、43-01にはいくつかのフェラーリ由来のデザイン要素が取り入れられている。たとえばクルマのインテークの形状を模したインデックスや、文字盤左下に配置された小さなフェラーリのロゴプレートは、ル・マン・ハイパーカーであるフェラーリ499Pのウイングエンドプレートと同じ形状をしている。

リシャール・ミル RM 43-01 トゥールビヨン スプリットセコンドクロノグラフ フェラーリは、それぞれのバージョンで75本限定となっており、価格はチタンモデルが130万ドル(日本円で約1億9400万円)、カーボンTPT ®モデルが153万5000ドル(日本円で約2億3000万円)に設定されている。

我々の考え
思わず顔をしかめるかもしれない、と言ったのはこのためだ。もっとも100万ドル(日本円で約1億4900万円)を超える“必要ではない”モノの価格を“妥当かどうか”で語るのはどこか無意味にも思えるが、やはり比較のための文脈は役に立つ。UP-01は190万ドル(日本円で約2億8400万円)だったし、フェラーリがリシャール・ミルと組む以前にはウブロと提携しており、その結果としてMP-05(なんと約50日間のパワーリザーブ!)のようなモデルが登場していた。価格はおよそ30万ドル(日本円で約4500万円)だった。そして筆者が個人的に最も気に入っているウブロ クラシック フュージョン フェラーリGTは、はるかにオーソドックスな設計で2万~4万ドル(日本円で約300万~600万円)程度の価格帯だった。

UP-01、そして今回の43-01によって、リシャール・ミルはフェラーリとのコラボレーションにおいて独自の道を切り拓いた。それはこれまでブランドが手がけてきたハイスペッククロノグラフ(たとえばRM 008、RM 050、圧巻のRM 50-02、あるいはRM 50-04はいずれも2003年から2019年にかけて登場)の系譜にしっかりと連なるものだ。今回の43-01では、RMが誇るクロノグラフ技術の蓄積にフェラーリからの明確なインスピレーション、そして同社が長年にわたって築いてきたモータースポーツとの結びつきが重ね合わされている。F1のフェリペ・マッサ(Felipe Massa)氏やシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)氏といったドライバーとの関係から、WECやル・マン・クラシックにおけるフェラーリへのスポンサーシップに至るまでその絆は深い。

時計としての43-01は、リシャール・ミルがいかにして現代的かつテクノロジー主導のウルトラハイエンドな時計市場でその地位を保ち続けているかを示している。個人的には、Appleを思わせるホワイトケースを備えたRM 50-02にいまでも特別な愛着があるが、43-01はRMの持つ技術とデザイン性をフェラーリの世界観にふさわしいかたちで融合させている。手首に乗せると、深くカーブしたケース形状のおかげでどちらのバージョンもきわめて軽く快適に感じられる。ただし43-01はどの寸法をとっても大きく、ケース自体はフラットに収まり、重量もさほどではないものの“小振り”な時計ではない。大きいけれど装着感はコンパクト、というタイプですらないのだ。

高価かって? それはもう、間違いなく高価だ。とてつもなく。ただしフェラーリ SF90のベース価格はすでに50万ドル(日本円で約7500万円)を超えており、サーキット仕様のSF90 XXに至っては100万ドル日本円で約1億4900万円)近くにもなる。そして現行のフラッグシップモデルである1184馬力のF80は、オプションでカーボンパーツをいくつか選ぶだけで、最終的な価格は実に400万ドル(日本円で約5億9800万円)近くに達する。

まるで手品のような衝撃を与えたUP-01ほどではないかもしれないが、リシャール・ミル 43-01は同ブランドが追求し続けるハイパフォーマンス・クロノグラフの世界を確実に前進させ、フェラーリとのコラボレーションにおける次章を象徴するモデルである。サイズは大きくて情熱的で、最先端のエンジニアリングが詰め込まれており、価格も含めてフェラーリとリシャール・ミルの最上級顧客層をピンポイントで狙った、あるいはその層にしか手が届かないような1本に仕上がっている。

基本情報
ブランド: リシャール・ミル(Richard Mille)
モデル名: RM 43-01 トゥールビヨン スプリットセコンドクロノグラフ フェラーリ(Tourbillon Split-Seconds Chronograph Ferrari)
型番: RM 43-01

直径: 42.9mm
厚さ: 17.1mm
ラグからラグまで: 51.2mm
ケース素材: マイクロブラスト加工チタン(カーボンTPT ®製ミドルケース)またはフルカーボンTPT ®
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: ラバーストラップ、チタン製ダブルフォールディングクラスプ

SIRUP(シラップ)のスペシャルライブ「8th Anniversary Live “DIARY”」が新登場。

SIRUP、デビュー8周年を記念したスペシャルライブ
SIRUP、デビュー8周年を記念したスペシャルライブを横浜BUNTAIで開催|写真1
プラダ スーパーコピー東京・名古屋・大阪など全国8都市を巡るライブツアー「NEXT LIFE TOUR 2025」を開催中のSIRUP。今回、開催が発表された「8th Anniversary Live “DIARY”」は、自身のデビュー8周年を記念して行われるスペシャルなライブだ。

最新アルバム『OWARI DIARY』を引っ提げて
SIRUP、デビュー8周年を記念したスペシャルライブを横浜BUNTAIで開催|写真2
ライブでは、9月3日(水)にリリースされる最新アルバム『OWARI DIARY』の楽曲を中心に演奏予定。SIRUPがこれまでの音楽人生で出会ったアーティストたちをゲストに迎え、まるで日記のようにこれまでの歩みとこれからの未来を綴る、特別な一夜となる。

開催概要
SIRUP 8周年アニバーサリーライブ「DIARY」
開催日:2025年9月14日(日)
開場/開演:16:00/17:00
会場:横浜BUNTAI(神奈川県横浜市中区不老町2-7-1)

<チケット>
チケット価格:指定席 9,900円
・「channel SIRUP」プレミアム会員チケット先行受付(抽選)
受付期間:6月5日(木)21:00〜6月16日(月)23:59
・オフィシャル先行受付(抽選)
受付期間:6月26日(木)12:00〜7月6日(日)23:59

シャカ(SHAKA)から、「ネオバンジーデニム」をはじめとする2025年夏の新作サンダルが登場。

シャカの定番サンダルを“フリンジ揺れる”デニム素材でアレンジ
シャカ“古着風フリンジデニム”の25年夏サンダル、クロスストラップの厚底モデルなど全4型|写真2
新作としてラインナップするのは、ブランドスーパーコピーの人気モデルをベースに、ヴィンテージ感のある“クラッシュデニム”でアレンジした全4型。王道スポーツサンダル「ネオバンジーデニム」、ボリューミーな厚底ソールが目を引く「ネオバンジープラットフォームデニム」、クロスストラップが魅力的な「ネオフィエスタデニム」、クロスストラップと厚底で美脚効果が狙える「ネオフィエスタプラットフォームデニム」が揃う。

ネオバンジーデニム 13,200円
ネオバンジーデニム 13,200円
いずれもデニムの端をフリンジ加工し、ボヘミアンテイストが漂うデザインに。アッパーとソールをインディゴカラーで統一することでシンプルにまとめ上げた。

ダークとライトの2色展開
ネオフィエスタプラットフォームデニム 14,300円
ネオフィエスタプラットフォームデニム 14,300円
カラーは、深みのあるダークと、淡いライトの2色展開。デニム素材の“古着風”サンダルは、コーディネートに自然になじみつつ、程よくカジュアルなアクセントを添えてくれる。

【詳細】
シャカ 2025年夏「デニムシリーズ」
発売時期:2025年4月末
取扱店舗:シャカ取り扱い各店、公式オンラインストア
■ネオバンジーデニム 13,200円
サイズ:22.0~30.0cm(1cm刻み、ユニセックス)
■ネオバンジープラットフォームデニム 14,300円
サイズ:22.0~26.0cm(1cm刻み、ウィメンズ)
■ネオフィエスタデニム 13,200円
サイズ:22.0~30.0cm(1cm刻み、ユニセックス)
■ネオフィエスタプラットフォームデニム 14,300円
サイズ:22.0~26.0cm(1cm刻み、ウィメンズ)
カラー:ダーク、ライト ※共通カラー

【問い合わせ先】
ブルームーンカンパニー
TEL:03-3499-2231

キャンディストリッパー(Candy Stripper)から、さくらももこ原作「コジコジ」とのコラボレーションによるウィメンズウェア第2弾が登場。

「コジコジ」の世界観を落とし込んだコラボウェア第2弾
それが生きる道 Tシャツ 8,800円
それが生きる道 Tシャツ 8,800円
「コジコジ」とキャンディストリッパーのコラボレーション第1弾に続く第2弾は、トラックジャケットやTシャツ、ソックスなど全7型を展開。チェック柄やリメイク風ディテールで仕上げたポップなウェアに、モンクレール スーパーコピー愛らしいコジコジの姿やマンガの台詞などを落とし込んだ。

「ガーン」コジコジのジャケット&仲間を描いたパンツ
ガーン トラックジャケット 19,800円
ガーン トラックジャケット 19,800円
注目は、セットアップで着用できるトラックジャケットとトラックパンツ。トラックジャケットには、「ガーン」とショックを受けるコジコジの姿を、トラックパンツにはコジコジと仲間たちを賑やかにあしらった。

“コジコジと次郎の会話”ロングTシャツ
コジコジと次郎の会話 パッチドトップス 16,500円
コジコジと次郎の会話 パッチドトップス 16,500円
コジコジと次郎の会話をモチーフにしたロングTシャツは、メッシュ素材で切り替えた、コマ割り風のデザインに。シンプルなオフホワイトやブラックに加え、鮮やかなカラーリングのレッドやパープルを取り揃える。

愛くるしいコジコジの半袖Tシャツ
キャンディストリッパー(Candy Stripper) コジコジ|写真16
また半袖Tシャツでは、「はァ?」と混乱するコジコジを主役にしたデザインや、コジコジの名言?「息を吸って吐くっ!!それが生きる道」をバックプリントしたデザインも展開される。

ユニークなソックスも
ジョニー、げんきんだしな リブソックス 1,980円
ジョニー、げんきんだしな リブソックス 1,980円
さらに、靴下でもコジコジのユニークな台詞を採用。「ジョニー、げんきんだしな」と「遊んで食べて寝てちゃダメ?」の2種類のリブソックスを楽しめる。

詳細
コジコジ×キャンディストリッパー第2弾
発売日:2025年6月6日(金)
展開:全国のキャンディストリッパー直営店、キャンディストリッパー公式オンラインストア
<アイテム例>
・ガーン トラックジャケット 各19,800円
カラー:レッドチェック、ブラック
・コジコジと次郎の会話 パッチドトップス 各16,500円
カラー:オフホワイト、レッド、パープル、ブラック
・ジョニー、げんきんだしな リブソックス 各1,980円
カラー:オフホワイト、レッド、ブルー、ブラック

ウニマティック 機械式クロノグラフウォッチのモデロ トレ U3S-HSを発表。

ウニマティックが一般発売する初の機械式クロノグラフは、カナダのメンズウェア小売業者ヘンリー・シンガーとのコラボレーションによるものである。

ルイヴィトンスーパーコピー代引き 激安先週、ウニマティックは、カナダのメンズウェア小売業者であるヘンリー・シンガーとの新たなコラボレーションとして、機械式クロノグラフのモデロ トレ U3S-HSを発表した。もっとも厳密にはこれが“初”ではなく、実際には昨年発表された一点物のU3S-TFAがそれにあたる。このモデルはスイス・インスティテュート主催のTimeForArtオークションに出品され、2万ドル(当時のレートで約300万円)をわずかに超える価格で落札された。収益はスイス・インスティテュートの各種プログラムに充てられた。

Modello Tre Henry Singer
U3 Lume Shot
Caseback U3
そのオークションでの成功を受け、この機械式モデロ トレ クロノグラフの一般向けモデルが登場することは当然の流れといえる。ユニークピースが白黒の強いコントラストで構成されていたのに対し、この一般モデルではそのコントラストを抑え、ホワイトプリントをアクセントにしたゴーストグレー一色という配色となっている。ウニマティックらしい無骨なステンレススティール製ケースは、直径40mm、厚さ15.2mmというサイジングだ。さらにグレーのセラミック製ダイビングベゼルインサートを備え、インデックスにはスーパールミノバが充填されている。ねじ込み式リューズと大型のねじ込み式プッシャーを採用し、300mの防水性能を確保している。

U3S-HSの裏面を見れば、サファイアクリスタルのシースルーバックが目に入る。ウニマティックでは珍しい仕様だ。その奥には、セリタ製の自動巻きクロノグラフムーブメントSW510 BH Bが搭載されており、62時間のパワーリザーブを誇る。また、U3S-HSには全面ヘアライン仕上げのSS製ブレスレットと、グレーのレザーツーピースストラップが付属。総生産数はわずか36本限定で、価格は2950ユーロ(日本円で約48万円)。ウニマティックおよびヘンリー・シンガーの販売チャネルにて展開される。

我々の考え
モデロ トレのメカクォーツ版を何年も展開してきたウニマティックが、その機械式バージョンを投入するのは時間の問題だったと言えるだろう。ブルータリズムを感じさせるケースデザインと調和する、非常に洗練されたデザインに仕上がっている。そして、我々HODINKEEの面々としては、グレートーンで統一された時計にはどうしても引かれてしまうのだ。

Wristshot of U3
ウニマティックとヘンリー・シンガーによる最初のコラボレーションは、まさにホームランだった。記憶が確かなら、固定ベゼルを備えたモデロ クアトロのGMT仕様を初めて見たのがこのモデルだったはずだ。ビーズブラスト仕上げのSSケースにベージュのアクセントを加えたデザインは、極めて魅力的だった。それに対して、今回の新しいモデロ トレは同じグレーベースを継承しながらもさらに冷ややかなトーンを選んでいる。

誤解のないように言っておくと、これはかなり大きな時計である。ブレスレットのエンドリンク(接続部)がしっかりとした存在感を放っており、その装着感は明らかに大振りだ。もしあなたが私のように、モデロ ウノですら“やや大きいかも”と感じるタイプなら、この機械式のモデロ トレはなかなか手強いかもしれない。まあウニマティックのコレクターの多くは、標準的もしくはやや大きめの手首を持っているだろうから、その場合は間違いなく“これぞウニマティック”という装着体験を楽しめるに違いない。

基本情報
ブランド: ウニマティック × ヘンリー・シンガー
モデル名: モデロ・トレ
型番: U3S-HS

直径: 40mm(ベゼルを含めると41.5mm)
厚さ: 15.2mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: グレー
インデックス: プリント
夜光: あり
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット: SS製ブレスレットと、グレーのクイックリリース式レザーストラップが付属

ムーブメント情報
キャリバー: SW510 Bh b
機能: 時・分・秒表示、クロノグラフ
パワーリザーブ: 62時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 27
クロノメーター認定: なし

価格 & 発売時期
価格: 2950ユーロ(日本円で約48万円)
発売時期: ウニマティックおよびヘンリー・シンガーの店舗にて
限定: 36本限定

ジャガー・ルクルトと比較される際にはその軽薄さが際立つ。

我々はその歴史を知っているし、“ウォッチメーカーのためのウォッチメーカー”と称される理由も理解している。業界全体にムーブメントを供給し、数多くの競合ブランドのアイコン的なモデルの中核を担ってきた存在だ。しかし業界全体が自社製造(マニュファクチュール)へと移行するなかで、“本物のマニュファクチュール”であることの価値は歪められてしまった。その結果、本来ならば製造力という栄光を誇りとして前面に押し出すべきジャガー・ルクルトスーパーコピー代引き優良サイトが“語るな、示せ”という姿勢を貫くようになってしまった。

JLCは、自らの業界随一とも言えるムーブメント製造能力や歴史をことさら誇示するのではなく、静かにレベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンドのような時計を発表することで、それを示している。この時計は我々がよく知るクラシック、いやアイコン的存在とも言えるレベルソ・トリビュートに対する、控えめながら明確なアレンジである。しかし特筆すべきはブレスレットである。そう、このブレスレット自体が芸術作品なのだ。ひとコマずつ織られ、型押しされ、手作業でろう付けされたJLCのミラネーゼブレスレットは、クラフツマンシップの粋を示すものであり、突然ブレスレットに熱を上げはじめた市場に絶妙なタイミングで投入されたものである。

JLC Reverso in pink gold on Milanese bracelet
 HODINKEEを読んでいる読者であれば、レベルソの歴史について今さら講釈を受ける必要はないかもしれない。しかし本作に関連するいくつかの文脈を押さえておくことには意味がある。たしかに、このデザインおよび時計ファミリーの起源は1931年にまでさかのぼる。当時レベルソは世界初の“スポーツ”ウォッチのひとつとして設計され、英領インドでポロ競技に臨む選手たちの手首を飾ることを意図していた。初期のモデルの多くは、女性向けの小型モデルであっても、ステンレススティール製で製造されており、裏蓋には誇らしげにStaybriteの刻印が施されていた。1931年の初回生産分には、タバンとJLCによって供給されたムーブメントが搭載され、レベルソは早くも市場で成功を収めた。そしてJLCは、そのケースに合わせた自社製キャリバーの開発にすぐさま着手し、1933年にはインハウスムーブメントを搭載したレベルソが登場することとなった。

 1933年という年は、レベルソの歴史において重要な転換点である。この年、ブランドはこのデザインが持つ可能性に気づき、さらなるクラフツマンシップをレベルソに取り入れることとなった。レベルソの裏面には、エングレービング、エナメル、ラッカーによるモノグラムや紋章、エンブレムが施されるようになり、これはレベルソがラグジュアリーな存在へと進化していく最初の一歩であった。

JLC Reverso in pink gold on Milanese bracelet on the wrist
 約60年を一気に飛ばすと(そのあいだのレベルソの詳細な物語は、ぜひこの動画を参照して欲しい)、1991年にはレベルソ誕生60周年を記念し、JLCは6つのレベルソ・コンプリケーションの第1弾を発表した。パワーリザーブとデイト(1991年)、トゥールビヨン(1993年)、ミニッツリピーター(1994年)、クロノグラフ(1996年)、ジオグラフィーク(1998年)、永久カレンダー(2000年)というラインナップである。これら6本の複雑機構を備えた時計によって、レベルソは名実ともに真のラグジュアリー製品へと昇華し、JLCがその製造能力を存分に誇示する舞台となったのである。

 初期のスポーツウォッチとして誕生し、やがて複雑機構を搭載するラグジュアリーなプラットフォームとして再構築されたレベルソは、近年ではその両者をあわせ持つ存在として落ち着いている。そんなモデルの歴史において、最後に強調すべき重要な転機が2011年のグランド・レベルソ・ウルトラスリム・トリビュート・トゥ 1931 USリミテッドエディションである。その名の長さに反して、実にシンプルな時計だ。このモデルこそ我々が今日知るトリビュートラインの礎を築いた1本であり、オリジナルレベルソへの敬意を込めつつ現代的に再解釈したものである。これはHODINKEE創設者のベン・クライマーにとって長年のお気に入りでもあり、発売当時には“まさに本物の時計愛好家が求めるもの”と評していた。また2013年には、ジェイ・Zがカーネギーホールのステージ上でピンクゴールドのバリエーションを着用したことでも知られている。

JLC Reverso in pink gold on Milanese bracelet
JLC Reverso in pink gold on Milanese bracelet
JLC Reverso in pink gold on Milanese bracelet
 現行のカタログには、カレンダー機構からトレブシェ式ハンマーとクリスタルゴングを搭載した最新トリビュート・ミニッツリピーターまで、複雑機構を備えた選択肢が揃っている。一方でトリビュート・モノフェイスのような、シンプルかつSS製でスポーティなモデルも並ぶ。そしてWatches & Wonders 2025の新作として登場したトリビュート・モノフェイス・スモールセコンド(ミラネーゼリンクブレスレット仕様)は、今日におけるレベルソの特別さを完成させる1本である。コンプリケーションを備えずともこのモデルはシンプルで敬意に満ち、ラグジュアリーでありながらクラフツマンシップにあふれている。まさに現代におけるレベルソの本質を体現する存在である。

 今回の新作レベルソには、1992年に発表されたCal.822が搭載されている。このムーブメントに対して古さを指摘する声があるかもしれない。しかしJLCで最も称賛されているキャリバー、すなわち1967年に誕生したCal.920はいまなお、時計製造史におけるアイコニックなデザインの一部を支える存在であることを思い出して欲しい。Cal.822もまた決して目的を見失っていない。完全自社製の同ムーブメントはレベルソのケースに合わせて明確に設計されたものであり、約42時間のパワーリザーブを備えている。

 調和のとれた全体的なモノトーンの印象を完成させているのがPGカラーのダイヤルである。表面にはテクスチャー感のあるグレイン仕上げが施されており、これは複数回にわたるスタンピング加工によって実現されている。この仕上げにより全体の印象が程よく抑えられ、バランスの取れた外観となっている。仮にJLCがほかのトリビュート・モノフェイスにも見られるようなサンレイサテン仕上げのような標準的なダイヤルを採用していたなら、オールゴールドの意匠は過剰に感じられたかもしれない。しかしこのモデルはPGを全面に打ち出しながらもダイヤルが柔らかく控えめなトーンであるため、非常に装着しやすくなっている。

JLC Reverso in pink gold on Milanese bracelet
 標準的なトリビュート・モノフェイスのケースは、本作においてわずかに再設計されており、ブレスレットがラグと一体化しているかのような外観を実現している。ただしケースの寸法自体は従来と変わらず、高さ45.6mm、幅27.4mm、厚さ7.56mmである。実際に手首につけたときの印象はほとんどがこのブレスレットに起因しているが、ケース単体の話をすればこのサイズ感はやや大げさに感じられる部分もある。私は小振りな時計を好むが、それでもこのレベルソであれば喜んで着用したい。おそらく、それはひとえにこの素晴らしいブレスレットの存在によるところが大きいのだろう。

 PG製の2本のワイヤーは合計16m以上にもおよぶ素材が精緻に編み込まれ、ミラネーゼブレスレット特有の布のような質感(プレッツァと呼ばれる構造)を形成している。このブレスレットは、中断することなくひとりの職人によって織り上げられ、その後スタンピングを経てひとコマずつていねいに手作業でろう付けされる。その結果、手首の上ではまるでファブリックのように滑らかにフィットしながらも、決してだらしなく感じさせない適度な構造性を持ち、かつ折れ曲がることもない柔軟性を備えている。ストラップ仕様の印象が強いレベルソにおいて、このブレスレットは時計をひとつの完成されたオブジェへと昇華させる決定的な要素となっている。実際に手首に載せたとき、そのつけ心地はまさに夢のようだ。ポリッシュ仕上げのスライディングクラスプも見逃せないディテールであり、細かい調整が可能な設計となっている。一般的な安価なアフターマーケット製ミラネーゼブレスレットでは、スライディングクラスプの位置は裏側のスロットに限られることが多いが、本作では好きな位置でしっかりと固定できる。

JLC Reverso in pink gold on Milanese bracelet
JLC Reverso in pink gold on Milanese bracelet
JLC Reverso in pink gold on Milanese bracelet
 このブレスレットは、開発と完成に相当な時間を要したことは想像に難くないが、1960年代〜70年代のメッシュおよび編み込みブレスレットスタイルへの熱が冷めやらぬ市場に、まさに絶妙なタイミングで投入された。こうした現象は、いわゆる“ジーザーウォッチ(年配好みの時計)”トレンドと呼ばれることもある。もっとも今回の最新レベルソをジーザーウォッチと位置づけるつもりは毛頭なく、むしろ正反対である。しかしながら、時計愛好家たちが再びこの時代へと関心を寄せ始めていることは無視できない事実だ。当時のデザインでは、ブレスレット製造の技巧が中心的な役割を担っていた。さらに時代をさかのぼれば、1940〜50年代のブレスレットにも注目が集まっており、とりわけGay Frères製のブレスレットは、ヴィンテージピースと完璧にマッチさせるために、コレクターたちが目を疑うような価格を支払うほどの人気を博している。

 ブレスレットに熱を上げる時計愛好家たちの動向は、競合他社にも確実に注目されている。同じWatches & Wondersの場でJLCがこのトリビュートを発表した一方、ロレックスは新たに2種類のブレスレットをカタログに加えた。ランドドゥエラーに採用されたフラットジュビリーブレスレット、そして1908に合わせて登場したセッティモブレスレットである。私の知る限り、ロレックスが同一年に2種類の新ブレスレットを投入するのはこれが初めてのことだ。このトレンドを語るうえで忘れてはならないのが、パテック フィリップのエリプス Ref. 5738/1Rである。2024年に登場したこのモデルはチェーンスタイルのブレスレットを備えており、ブレスレット人気の潮流に明確に呼応した存在と言える。

ミンがダークサイドに落ちたかのような時計が新登場。

ミンがダークサイドに落ちたかのような時計が新登場。

29コレクション初のワールドタイマーの発表から2年、ミンは“ミッドナイト”エディションで29.01をダークサイドへと誘った。今年初めに登場した、ブラックDLC仕様のダイバーズウォッチ37.09 Uniを記憶している愛好家も多いことだろう。ブルーとスティールを基調とした兄弟モデルに対して、漆黒をまとったバリエーションであった。ミンのチームはこのコンビネーションを大いに気に入り、29.01にも同様のアプローチを採用することを決定した。結果として、デザイン的に革新性はないものの、依然として揺るぎない“ミンらしさ”を貫いたモデルに仕上がっている。

Ming 29.01 Midnight Standing Up Shot
エルメススーパーコピー代引き優良サイトケースは直径40mmのグレード5チタン製で、これまでの29.01シリーズと同様に、ブランドを象徴する“フライングブレード”ラグと、なめらかな曲面で構成されたケースサイドを備える。今回はブラックDLCコーティングを施し、深く艶のある漆黒を実現している。全体の厚さは11.8mmで、上面はベゼルを排し、ボックス型サファイアクリスタルで全面を覆っている。ポリッシュ仕上げを施したラグの上下には光沢のあるDLC、マット仕上げのケースサイドには落ち着いた質感が与えられ、メタルとガラスの境界が自然に見えるよう、巧みに処理されている。

ダイヤルは、ミンが得意とするサファイアディスクを重ねた多層構造を踏襲している。ベースとなる金属製ダイヤルには細かなテクスチャーが施され、24時間表示がプリントされている。その上に、都市名をプリントした固定式のサファイア製ダイヤルが重なる仕組みだ。ベースダイヤルは外周のボールベアリングトラックにより回転し、各都市の現在時刻を24時間表示で示す構造となっている。針もサファイア製で、ダイヤル上の都市名表示に加えてハイセラム部には蓄光素材であるスーパールミノバX1が充填されており、暗所でもミンらしい美しい発光を見せる。24時間スケールの印字部分には、オレンジのスーパールミノバが使われている。

29.01 Caseback Shot ASE 222
裏蓋はドーム型のシースルーバックで、Cal.ASE 222が姿を現す。これはスイスのシュワルツ・エチエンヌがミンのためだけに製作した自動巻きキャリバーだ。ミン・ティエン(Ming Thein)氏の美学が随所に表れており、特にブリッジのデザインは彼自身の手によるものである。2023年の29.01 ドバイエディションに続き、本機のムーブメントも5Nローズゴールドで仕上げられており、クラシックな色調が全体の漆黒のなかで美しいコントラストを描いている。スケルトン加工された香箱、曲線を描くドーナツ状のタングステン製マイクロローター、ていねいなアングラージュ(面取り)など、細部に至るまで目を楽しませてくれる。

29.01 ミッドナイトにはFKMラバーストラップと、ケース同様にDLCコーティングが施されたバックルが付属し、価格は2万2000スイスフラン(日本円で約385万円)となっている。

我々の考え
最初に断っておくが、私は基本的に時計へのコーティング処理があまり好きではない。確かにDLC処理はたいてい十分な耐久性を備えている。それでも、コーティングされた時計では指紋が付きやすく、それを拭き取る手間が気になってしまうことが多い。先月ジュネーブで開催されたTime to Watchesでこの時計を撮影した時の写真からも、そうした様子が多少うかがえるかもしれない。とはいえ、ミンの超モダンなデザインはDLC仕上げと非常に相性がよく、自分でも所有したいと思うモデルも出てきている。そして29.01 ミッドナイトこそ、まさにそのひとつだ。確かに、これは新しいカラーバリエーションに過ぎない。しかしデザインにおける完成度は一段と高まったと感じている。チタン製の初代29.01は、一見すると比較的控えめな印象だったが、よく見ると洗練されたディテールが隠されていた。今回のジェットブラックの装いとラバーストラップの組み合わせは、そのミステリアスな魅力をさらに強調している。ダイヤルの各要素が、黒い虚空に浮かんでいるような視覚効果を生み出しており、実物を見るとその演出が見事に伝わってくる。

Ming worldtimer 29.01 Midnight
およそ2万7000ドルという発表時点の価格からも分かるように、29.01 ミッドナイトはミンのラインナップのなかでもハイエンドに位置するモデルである。興味深いことに、2023年11月に発表された25本限定のドバイエディションは現在もミンの公式ウェブサイトで注文可能となっている。アラビア語表記のダイヤルがグローバルな市場での訴求力をやや限定している面もあるだろうが、それ以上に、かつてのように発売と同時に即完売していたころの狂騒とは異なる状況になってきたと言える。

もっとも、こうした変化は消費者にとって決して悪いことではない。近年のミンは、中核となる量産モデルの展開や、直販モデル一辺倒から脱却して正規販売店との提携を開始するなど、明らかに変化、あるいは“成熟”へと向かう兆しを見せている。依然として人気は高く、GPHGを受賞した37.09 ブルーフィンのようなモデルは完売が続いているが、以前のような注文期間に縛られず、多くのモデルをじっくりと検討できるようになった点は歓迎すべき進展だ。

そして何よりもうれしいのは、ミンが設立から8年を経ても、革新的なデザインへのこだわりを一切失っていないという事実である。その姿勢こそが、ブランドの魅力を支え続けている。

基本情報
ブランド: ミン(Ming)
モデル名: 29.01 “ミッドナイト”

直径: 40mm
厚さ: 11.8mm
ケース素材: グレード5チタン(ブラックDLCコーティング)
文字盤色: 黒
インデックス: プリント
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: ブラックFKMラバーストラップ、ブラックDLCコーティングを施したバックル付き

ムーブメント情報
キャリバー: シュワルツ・エチエンヌ製ミン専用 ASE 222
機能: 時・分表示、ワールドタイマー
直径: 30mm
厚さ: 5.6mm
パワーリザーブ: 86時間
巻き上げ方式: 自動巻き(マイクロローター)
振動数: 2万8800振動/時
石数: 31
クロノメーター認定: なし

価格 & 発売時期
価格: 2万2000スイスフラン(日本円で約385万円)
発売時期: 発売中(ミン公式および正規販売店にて)
限定: 25本限定

ロレックス 人気モデル デイトナ 126500LNが新登場。

ロレックス 人気モデル デイトナ 126500LNが新登場。

人気モデルの相場を追うシリーズから、今回はコスモグラフ・デイトナ生誕60周年の今年2023年にリニューアルした ステンレススティール 126500LN をチェックしていこうと思います。

ロレックススーパーコピー代引き 優良サイト新作も変わらず黒文字盤と白文字盤の2カラー展開です。

今回も白文字盤が人気カラーかな?

しかし23年間も製造された旧ムーブメントからようやく変更がありましたね。

いや~長かった。

それだけキャリバー4130が優秀だったのでしょう。

126500LNは新ムーブメント キャリバー4131を搭載、文字盤にも王冠マークがセットされ、新キャリバーの証となりました。

早く実機を見てみたいです。

さて、新作発表時の国内定価は1,795,200円でしたが、国内マーケット登場前の9月に価格改定があり現在の定価は1,974,500円となっています。

そして、10月に入ると金無垢などに続きステンレススティールの126500LNもセカンドマーケットに流れ始めました。

画像はChrono24で、税抜き価格。

そしてそして、遂に国内のセカンドマーケットにも登場です!

中野ブロードウェイのジャックロードさんに白文字盤が掲載されSNSでも大きな話題となりました。

初登場のご祝儀価格は670万円。

旧モデル116500LNの白文字盤の未使用相場にプラス150万円くらいの設定となっています。

「思ったよりリアルな数字だな」「もっと初値は高いかと思った」など、なんだか低めの価格(それでも充分なプレミアム価格ですけど)にガッカリ気味(笑)。

皆さんは「それじゃ売れないよ~」「無理無理www」とか、言いたかったのかな?

116500LNのご祝儀相場を振り返る


116500LNが新作発表された2016年を振り返りますと、当時はかなり早めのリリースで2016年5月には正規店で購入された方がいらっしゃいました。定価は1,274,400円。

セカンドマーケットでは198万円と、今では考えられない安価でのご祝儀相場となっていましたね。

その後116500LNの相場は少し下がり、トランプショックでまた下がり、2017年1月の為替は1ドル116~113円まで円高へ。

並行新品価格は白文字盤が195万円、黒文字盤185万円の相場と復調していきました。2月になると一気に200万円を超えていきます。

この後は皆さんもご存知の通り「機械式腕時計ブーム」が到来。

2018年9月

2019年

2020年2月

そして新型コロナウィルスショック到来。

デイトナ116500LNの未使用品でも、まさかの200万円以下の買取価格となりました。

2020年4月

ド~ンと落ちてからの・・・

2020年9月

急激な高騰・・・

ここから右肩上がりが続きます(世界的なお金余り)。

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2021年3月

2022年1月

この後2月下旬にロシア軍がウクライナ進行を実行します・・・

2022年4月。

2月から3月をピークにロレックス全モデルが下落し始めます。

そして現在へ・・・

現在の白文字盤の新品未使用最安掲載価格は522万円。

ピークで700万円を超えてたことを考えますと「下落」と言えますが、ご祝儀相場198万円だったことを考えますと2.5倍まで「高騰」したとも言えます。

同じ116500LNの白文字盤ですからね。

2016年印の保証書付き白文字盤の116500LN 中古品でも400万円は下回らないでしょう。

黒文字盤のの新品未使用最安掲載価格は435万円。

白文字盤とかなり差が開いて来ています。

これらを踏まえて、さて新作はどんな感じになっているのか?

チェックしていきましょう。

126500LN 黒文字盤


まずは私の大好きなモデル黒文字盤の デイトナ 126500LNから。

現在の国内定価は1,974,500円。

次の価格改定で200万円オーバーは確実です。

データはジャックロードさんが掲載した650万円のみ。

そのまんまでしたね。今後の掲載で上下していくのか気になります。

旧モデルとの価格差が220万円もありますので、掲載数が増えれば500万円台前半も見えてくるかと思います。

為替はどうなっていくのでしょうか・・・

中途半端に介入したところで日本円の価値は上がりません。

126500LN 白文字盤


続いて人気の高い白文字盤 126500LNです。

今作も白文字盤の方が上なのかな?

こちらはスイスウォッチさんの掲載のみでした。

因みにジャックロードさんの670万円は売れてしまっています。

ジャックロードさんより安いけど「取り寄せ」品の様ですので、すぐに欲しい方には不向きなのかも知れません。

旧モデルとの価格差は120万円ほどと黒文字盤と比較してかなり詰まっておりますので、今後は徐々に500万円台を目指して下がっていくものと思われます。

まとめ


いかがでしょうか?

「2023年11月 ロレックス 人気モデルの相場をチェック!デイトナ 126500LN 2023年新作」でした。

いよいよ新モデルの時代へと突入します。

どちらにせよ正規店で買う事は難しいため、今回も私は指をくわえて相場を追うだけになりそうですけどね。

皆さんの周囲では買えた方はいらっしゃいますか?

またしばらくして掲載数が増えてきたらチェックしていこうと思います。

それではまた!

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