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セイコー プロスペックスより、5つのモデルを紹介する。

いずれもプロスペックらしい優れた実用性を備えつつ、手の届きやすい価格設定が魅力だ。時計愛好家の普段使いとしてだけではなく、時計に興味を持ち始めた新社会人の初ボーナスの使い道としてもいかがだろうか。

良心的な価格の本格スポーツウォッチを紹介!
本格的なスポーツウォッチが数多くラインナップするセイコー プロスペックス。今回は、その中から手頃な価格帯の傑作5本をお送りする。今春、新卒として企業に就職された方の中には、12月に初めてのボーナスを受け取る人も少なくないのではないだろうか。今年1年頑張った自分へのご褒美に、あるいは来年の頑張りに向けたエールとして、ボーナスを使ってタフなプロスペックスを選んでみてはいかがだろう。

プロスペックスは、ダイバーズウォッチの「マリンマスター」や「ダイバースキューバ」、クロノグラフの「スピードタイマー」、クラシカルな登山用ウォッチである「アルピニスト」をはじめ、豊富なシリーズで展開されている。日本の時計界をリードしてきたセイコーらしく、その中には歴史的なデザインや機能を受け継ぐモデルも少なくない。ここで紹介する5本を参考にしつつ、自分のライフスタイルに合う時計を見つけてみよう。

セイコー プロスペックス「メカニカルダイバーズ 1968 ヘリテージ GMT」Ref.SBEJ009
これまで革新的なダイバーズウォッチを数多く世に送り出してきたセイコー。同社が1968年に開発したハイビートムーブメント搭載のダイバーズウォッチのデザインコードを受け継ぎつつ、現代的なアップデートを施されたモデルが、ロレックス時計スーパーコピー 代引き「1968 メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT」だ。

本作の最大の特徴は、昨今時計界でも注目を集めているグリーンカラーを採用している点にある。ダイアルはもちろん、艶やかな質感のセラミックス製ベゼルインサートが、深みのある上品なグリーンに彩られている。ダイバーズウォッチらしく、視認性は抜群だ。ドットやバーなどを組み合わせたインデックスに太めの時分針は、暗所でも容易に時刻を読み取ることができる。また、本作にはGMT機能が備わっており、イエローのGMT針とフランジの24時間表記によって、第2時間帯を読み取ることが可能だ。

オリジナルの力強いデザインを受け継ぐケースは、ヘアラインと鏡面を組み合わせることでダイナミックに仕上げられている。4時位置に配されたリュウズは、着用時に手首への干渉を防ぐための配慮を込めたものだ。

1968 メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT
セイコー プロスペックス「メカニカルダイバーズ 1968 ヘリテージ GMT」Ref.SBEJ009
1968年のオリジナルモデルのデザインを踏襲しつつ、現代的にアップデートされたGMT機能付きダイバーズウォッチ。上品なグリーンダイアルが個性を宿している。自動巻き(Cal.6R54)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径42mm、厚さ12.9mm)。200m防水。21万8900円(税込み)。

セイコー プロスペックス「メカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージ」Ref.SBDC195
1965年に登場した国産初のダイバーズウォッチのデザインをベースに、現代的なスペックを与えたモデル。本作では、ダイアルとベゼルインサートにブルーを採用することで、よりスポーティな印象に仕上げている。

長方形のインデックスが並んだダイアルは、オリジナルの意匠を受け継いだもの。デイト表示を4時半位置に変更することで判読性を向上させ、ヘアラインとポリッシュに仕上げ分けた時分針を採用することによって、視認性を高めている。

リュウズガードのないすっきりとしたケースも、オリジナルを想起させるデザイン。直径を40mmに拡大し、面取りを加えることによって、より立体的に仕上げている。防水性は300mと、同社製の空気潜水用ダイバーズウォッチとしては最高のスペックを誇る。ステンレススティール製のブレスレットは、8mmという短めのコマで構成することにより、より優れた装着感を追求している。

本作が搭載しているのは、機械式自動巻きムーブメントのCal.6R55。約72時間のパワーリザーブを備えている。

セイコー プロスペックス「メカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージ」
セイコー プロスペックス「メカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージ」Ref.SBDC195
1965年に登場した国産初のダイバーズウォッチのデザインを受け継ぐモデル。同社製の空気潜水用ダイバーズウォッチとしては最高の300m防水や、約72時間のパワーリザーブなど、優れたスペックを誇る。自動巻き(Cal.6R55)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40mm、厚さ13mm)。300m防水。17万6000円(税込み)。

セイコー プロスペックス「スピードタイマー メカニカルクロノグラフ」Ref.SBEC021
セイコーが1972年に発表した、Cal.6138を搭載したクロノグラフウォッチに着想を得たデザインが特徴のモデル。ダイアルは、ホワイトとブラックのツートーンカラー。いわゆる“パンダダイアル”だ。インダイアルはそれぞれ、3時位置がスモールセコンド、6時位置が12時間積算計、9時位置が30分積算計である。クロノグラフ用の針は、先端をオレンジとすることで、時刻表示用の針との混同を防いでいる。ダイアル外周にはブラックのタキメータースケールが配され、機能性を高めるとともに全体を引き締めている。

流線形のケースは、オリジナルをモチーフとしたデザイン。ポンプ型のプッシャーや大型のリュウズなど、操作性に配慮した意匠が際立つ。ブレスレットは、クラシカルな9連タイプだ。細かなコマによって構成されているため、しなやかな装着感を得ることができる。

搭載する自動巻きクロノグラフムーブメントCal.8R48は、コラムホイールと垂直クラッチを搭載し、確実な時間計測をかなえる信頼性の高いムーブメントだ。

セイコー スピードタイマー
セイコー プロスペックス「スピードタイマー メカニカルクロノグラフ」Ref.SBEC021
クラシカルなデザインが魅力の機械式クロノグラフウォッチ。色分けされた針や指掛かりの良いプッシャーなど、使いやすさへの配慮が随所に取り入れられている。自動巻き(Cal.8R48)。34石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径42mm、厚さ14.6mm)。10気圧防水。35万2000円(税込み)。

セイコー プロスペックス「スピードタイマー」Ref.SBER001
クロノグラフの積算用インダイアルを独立させた、ユニークなレイアウトのクロノグラフ。2時位置に1/100秒、10時位置に1/10秒、12時位置に秒積算計が配されている。通常、6時位置のダイアルは時刻を表示するが、8時位置のプッシュボタンを押下することによってストップウォッチモードへ切り替わり、60分積算計として機能するようになる。

まさに精密な時間計測に重点を置いたような本作は、そのデザイン性について高い評価を獲得し、2023年のグッドデザイン賞を受賞している。審査委員からは、1964年のストップウォッチに範を取りながらも腕時計として日常的に使いやすい道具に落とし込んでいることと、アナログウォッチであるからこそ得られる温かみを評価されたようだ。

この特徴的なレイアウトと1/100秒まで正確に計測できる機能を実現しているのが、光発電クォーツムーブメントのCal.8A50だ。このムーブメントは本作のために新規に開発されたものであり、光発電機能によって定期的な電池交換が不要という特徴も持つ。

セイコー プロスペックス「スピードタイマー」Ref.SBER001
1964年のストップウォッチから着想を得たモデル。クロノグラフの積算用インダイアルを独立させたレイアウトが特徴だ。8時位置のプッシュボタンを押下することによって、ストップウォッチモードへと切り替わる。光発電クォーツ(Cal.8A50)。フル充電時約6ヶ月間駆動。SSケース(直径42mm、厚さ12.9mm)。10気圧防水。12万1000円(税込み)。

セイコー プロスペックス「アルピニスト」Ref.SBEJ005
セイコーの中でも根強い人気を誇る「アルピニスト」に、2023年新作として加わったGMT機能搭載モデル。4時位置のリュウズによって操作する簡易方位計や鮮やかなグリーンカラーのダイアルは、1995年に登場したアルピニストのデザインを継承するものだ。

先行して販売されている3針モデルでは、インデックスがゴールドカラーのポリッシュ仕上げであったが、本作ではマットな仕上げに変更され、より視認性が向上している。GMT針は先端を赤く彩ることで他の針との混同を避け、判読性を高めている。第2時間帯は、ベゼル上の24時間表記と組み合わせて読み取ることが可能だ。また、GMT針の搭載によって、簡易方位計はより使いやすくなった。

リュウズガードを備えたスポーティなケースは、ねじ込み式リュウズを採用することで20気圧防水を達成。さすがにカーフレザーストラップは水に強くないが、その配慮さえ怠らなければ幅広いシーンで着用しやすい1本だ。

ムーブメントは、機械式自動巻きのCal.6R54を搭載している。約72時間のパワーリザーブを備え、その動きをシースルーバックから鑑賞することができる。

セイコー プロスペックス アルピニスト Ref.SBEJ005
セイコー プロスペックス「アルピニスト」Ref.SBEJ005
モデルチェンジを重ね、多くのファンから愛されてきたグリーンの「アルピニスト」。そのGMT機能搭載モデルが、本作だ。マット仕上げのインデックスによって視認性が強化されている。自動巻き(Cal.6R54)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ13.6mm)。20気圧防水。14万9600円(税込み)。

IWC ポルシェデザインとの提携による「オーシャン 2000」の発表以降、

IWC「アクアタイマー」と「オーシャン 2000」の歴史
「アクアタイマー」は、IWCが展開するダイバーズウォッチコレクションだ。かつて販売されていた「オーシャン 2000」とともに、その存在感と人気は傑出しており、今なおヴィンテージ市場では多くのファンを引きつけている。

同機がなぜ人々を魅了するのか、その深奥を探るためアクアタイマーの歴史をひもといてみよう。

アクアタイマーの誕生と歩み
IWC初の本格ダイバーズウォッチ

1967年に誕生したIWC初の本格ダイバーズウォッチ。IWC時計スーパーコピー 代引きパッキンのみで高い防水性能を持たせるピケレのスーパーコンプレッサーケースを採用していた。
アクアタイマーは、スイス北部シャフハウゼンで1868年に誕生した高級時計ブランドIWCによるコレクションだ。

1868年の創立以来、同社は「ポルトギーゼ」や「パイロット・ウォッチ」「ポートフィノ」「ダ・ヴィンチ」、そして「インヂュニア」といった数々のコレクションを世に送り出してきた。

そのなかのひとつであるアクアタイマーは、1967年に発表されたコレクションだ。登場して間もなく高い人気を博し、以来、時代に合わせて機能を進化させてきた。

アクアタイマーに搭載されるセーフダイブ・システム付き回転式アウター/インナーベゼルは、防水性の飛躍的な向上を実現した仕様である。優れた視認性とルックスの良さを両立させたデザインによって、高い実用性がありながらも優美な雰囲気を放っている。

ポルシェデザインとの技術提携
オーシャン 2000
1982年に発表された、ポルシェデザインとのコラボレーションモデル「オーシャン 2000」。軽量なチタンケースを採用しながら2000mもの防水性能を実現した、当時としては画期的なダイバーズウォッチだった。
IWCは、1980~90年代にかけて、ポルシェデザインとのコラボレーションによって、数多くのコレクションを世に送り出してきた。そのなかでも特に高い人気を集めたモデルが、1982年に登場した「オーシャン 2000」だ。

ポルシェデザインとの協業によって、IWCはチタン加工技術の分野で高度な技術を培った。チタン加工における技術は、ビジュアル面のみならず、ダイバーズウォッチとしての性能を飛躍的に向上させた。軽量化と高い耐水圧性能を備えることで、過酷な環境下においても確実な動作が約束されるのである。

アクアタイマー・オートマティックの特徴
アクアタイマーには、他のダイバーズウォッチにはない独自の機能が搭載されている。「オーシャン2000」の登場以降、アクアタイマーはプロフェッショナル仕様のダイバーズモデルとして試行錯誤を重ねながら進化を遂げていった。なかでも、同コレクションを象徴する機能が独自の回転ベゼルだ。

アウター式とインナー式回転ベゼルのメリット/デメリット
「オーシャン2000」を発表して以降、IWCがとりわけ試行錯誤を続けてきたのが回転ベゼル。潜水経過時間の計測が行える、ダイバーにとっての命綱となる重要な機能だ。

ダイバーズウォッチに用いられる回転ベゼルには、インナー式とアウター式の2種類が存在する。インナー式は防水性を高められ故障も抑えられるが、操作性に難がある。一方のアウター式は操作性が良い反面、誤作動を起こしやすいうえに故障する可能性も高くなる。

つまり、両者ともメリットとデメリットがあるのだが、このふたつのメリットを融合させたのが、2014年に発表されたアクアタイマーだ。

高い操作性と誤作動の防止を両立させた独自の回転ベゼル
2014年に発売された第6世代アクアタイマーが搭載したのは、セーフダイブ・システム付きの回転式アウター/インナーベゼル。アウターベゼルを反時計回りに操作すると、ケース内の歯車に噛み合い、ダイアル外周にセットされたインナーベゼルが反時計回りに回転する構造だ。

さらにこの回転ベゼルが実用的なのは、歯車に搭載されたクラッチ機構。アウターベゼルを時計回りに回転させた場合は歯車との連結が外れ、インナーベゼルは回転しないため、海中でも誤作動を起こすような心配がない。

アクアタイマー・オートマティックの注目モデル
信頼性の高い回転ベゼルと視認性を兼ね備えた同コレクションの中でも、特に注目される2モデルについて紹介しよう。

「アクアタイマー・オートマティック」
アクアタイマー・オートマティック IW328801
IWC「アクアタイマー・オートマティック」Ref.IW328801
自動巻き(Cal.32111)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径42mm、厚さ14.1mm)。30気圧防水。92万4000円(税込み)。
「アクアタイマー・オートマティック」Ref.IW328801は2022年に発表された、アクアタイマーの新世代モデル。前モデルから外観上の大きな変更点はなく、30気圧の防水性能や、特徴的なセーフダイブ・システム付きアウター/インナーベゼルの搭載も前モデルを踏襲している。

最大の違いは搭載されるムーブメント。Cal.30120から自社製のCal.32111に変わり、パワーリザーブは従来の約42時間から約120時間へと大幅に延伸した。

2022年発表のアクアタイマー・オートマティックは、ブルーダイアルのモデル以外にも、ブラックダイアルとブラックのラバーストラップを組み合わせたRef.IW328802、ブラックダイアルにブレスレットを組み合わせたRef.IW328803の3モデルがラインナップされている。

アクアタイマー・オートマティック IW328802
IWC「アクアタイマー・オートマティック」Ref.IW328802
自動巻き(Cal.32111)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径42mm、厚さ14.1mm)。30気圧防水。92万4000円(税込み)。
アクアタイマー・オートマティック IW328803
IWC「アクアタイマー・オートマティック」Ref.IW328803
自動巻き(Cal.32111)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径42mm、厚さ14.1mm)。30気圧防水。108万3500円(税込み)。、

「アクアタイマー・クロノグラフ」
アクアタイマー・クロノグラフ IW376806
IWC「アクアタイマー・クロノグラフ」Ref.IW376806
自動巻き(Cal.79320)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約44時間。SSケース(直径44mm、厚さ17mm)。30気圧防水。111万1000円(税込み)。
耐食性に優れ、30気圧の防水性能を備えたステンレススティール製ケースや、潜水時の安全性を向上させる回転式アウター/インナーベゼルといった性能はそのままに、クロノグラフ機能を加えたモデルが「アクアタイマー・クロノグラフ」Ref.IW376806だ。

深海を想起させるブルーダイアルには3つのインダイアルがレイアウトされているが、幅のあるインデックスや時分針、インナーベゼルに記された潜水時間の目盛りには夜光塗料を塗布し、水中でも高い視認性を確保する。

独自のクイック交換システムを採用しており、ブルーのラバーストラップは、別売のブレスレットに交換も可能だ。

回転ベゼルの操作性と独創のルックスを堪能しよう
「アクアタイマー」は長年の試行錯誤によって完成した回転式アウター/インナーベゼルを搭載してダイバーの安全性を高めるのみならず、マッシブでスポーティーなルックスも印象的なコレクションだ。

とりわけ、ムーブメントを自社製に変えた最新の「アクアタイマー・オートマティック」は実用性も大幅にアップ。シンプルなデザインながらも存在感を放つアクアタイマーを手に、その魅力を堪能してみてはいかがだろうか。

最高殊勲賞はヴァシュロン・コンスタンタンだ!

今回は、超複雑時計の記録を自ら更新する「レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション」を打ち出しつつ、既存コレクションの新作モデルで著しい外装進化を見せる、ヴァシュロン・コンスタンタンである。

「レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション」で、超複雑時計の記録を自ら更新したヴァシュロン・コンスタンタン。これまで再現不可能と思われていた中国暦の永久カレンダーを実現させ、「Ref. 57260 」の系譜に連なる63機能を搭載した本機は、歴史に残る快作だ。「オーヴァーシーズ」のグリーンダイアルは、ダイアル製造の複雑さと洗練度を一段上のレベルへと押し上げた。

シャネル時計スーパーコピー 代引き更新された超複雑機構の記録と、外装設計に盛り込まれたさらなる洗練
トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフコレクション・エクセレンス・プラチナ
ヴァシュロン・コンスタンタン「トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフコレクション・エクセレンス・プラチナ」

久しぶりのお披露目となった「コレクション・エクセレンス・プラチナ」の新作。手巻きトゥールビヨンとモノプッシャー・クロノグラフの複雑な組み合わせに、ソリッドな質感のプラチナ製ダイアルが美しく映える。手巻き(Cal.3200)。39石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約65時間。Ptケース(直径42.5mm、厚さ11.7mm)。3気圧防水。世界限定50本。要価格問い合わせ。

トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフコレクション・エクセレンス・プラチナ
「コレクション・エクセレンス・プラチナ」を象徴するグレイン仕上げのプラチナダイアル。低圧サンドブラストを用いることで、ノントリートメントで柔らかな輝きを引き出している。ケース、リュウズ、文字盤、クラスプのほか、ストラップのステッチ系もPt製。
 今年のウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブにおける最高殊勲賞は間違いなくヴァシュロン・コンスタンタンだろう。何しろ、あの「Ref.57260」を凌駕するグランドコンプリケーションの超大作、「レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション」をブースに掲げたのだ。そこに搭載された63機構は、現時点における「世界で最も複雑な時計」。同社は現代における、超複雑機構開発の1位と2位を独占したのだ。詳細は「ヴァシュロン・コンスタンタン 9年ぶりに更新された“世界一複雑な時計”」をご覧いただくとして、中国暦の永久カレンダーを実現したという一点だけでも時計史に残る快挙。これまではほぼ非公開だったキャビノティエ(同社ビスポーク工房)の顧客の名を、あえてモデル名に加えているあたり、往年の名作であるパッカードウォッチやヘンリー・グレーブスウォッチを相当に意識していることが窺えて思わずニヤリとさせられる。

既存コレクションの新作に目を移すと、やはり外装、特にダイアル表現の進化が著しい。そもそもヴァシュロン・コンスタンタンというメゾンは、伝統的な手法を最も大切にする反面で、多くの新しい手法も試みてきた。例えば、今年「オーヴァーシーズ」に採用されたグリーンダイアルはその好例だ。製品開発を統括するクリスチャン・セルモニは、「グリーンは伝統的な色ではない」としながらも、そこにブルーと同等、あるいはそれ以上の仕上がりを求めた。基本的にはオーヴァーシーズであるから、ガルバニックで下地を作り、半透明ラッカーを吹き重ねて研磨する手法は変わらないが、よりメゾンらしいグリーンとは何かを追求していった結果、ややグレー味を帯びた現在の色調に落ち着いたという。 (鈴木裕之)

オーヴァーシーズ・ クロノグラフ
ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・ クロノグラフ」
グリーン文字盤の基本工程はブルーと同様だが、下地にサーキュラー装飾を入れたインダイアルを備えるクロノグラフでは、より表情豊かに。昨年から刷新されたインターチェンジャブル機構も使いやすい。自動巻き(Cal.5200)。54石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。18KPGケース(直径42.5mm、厚さ12.67mm)。15気圧防水。1179万2000円(税込み)。

オーヴァーシーズ・ デュアルタイム
ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・ デュアルタイム」
昨年、「トラディショナル」コレクションでグリーンを発表しているが、オーヴァーシーズ用の新色ダイアルは、それとは色味と製法を変えている。18KPGケースに合う洗練されたグリーンを追求した結果、ややくすんだグレイッシュな色味に落ち着いた。自動巻き(Cal.5110 DT)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KPGケース(直径41mm、厚さ12mm)。15気圧防水。1126万4000円(税込み)。
オーヴァーシーズ・トゥールビヨン
ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・トゥールビヨン」
オーヴァーシーズに新たに加わったオールチタンの外装。限定モデルを除いて、通常コレクションへの採用は今回が初。インターチェンジャブルのフォールディングクラスプにもチタンが使用されている。ダイアルは象徴的な“オーヴァーシーズ・ブルー”だ。自動巻き(Cal.2160)。30石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約80時間。Tiケース(直径42.5mm、厚さ10.39mm)。要価格問い合わせ。
オーヴァーシーズ・トゥールビヨン
オーヴァーシーズを象徴するブルーダイアル。ダイアル中央、レイルウェイのミニッツトラック、見返しのフリンジですべて下地の入れ方を変え、何層ものブルーラッカーを吹き付けた後にフラットに研ぎ出す。現行ラッカーダイアルで最も複雑なもののひとつだ。

パトリモニー・ムーンフェイズ&レトログラード・デイト
ヴァシュロン・コンスタンタン「パトリモニー・ムーンフェイズ&レトログラード・デイト」
2004年の誕生から20周年を迎えた「パトリモニー」コレクション。その源流となった1950年代のプロダクトを尊重し、新たにアンティークシルバー調のダイアルが採用された。ストラップも新色のオリーブグリーンに。自動巻き(Cal.2460R31L)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KWGケース(直径42.5mm、厚さ9.7mm)。3気圧防水。734万8000円(税込み)。
パトリモニー・ムーンフェイズ&レトログラード・デイト
ドーム型ダイアルに施された(ヴァシュロン・コンスタンタンにしては)やや粗めのサンバースト装飾は、1950年代当時のタイムピースを想起させるディテールのひとつである。マットな“アンティークシルバー”の色調に、薄めのザポナージュ(クリアラッカー)を組み合わせる。

パトリモニー・マニュアルワインディング
ヴァシュロン・コンスタンタン「パトリモニー・マニュアルワインディング」
パトリモニー本来のミニマリズムを体現する39mm径の2針モデル。ほんの少しだけスリム化されたケース(40mm→39mm)に、サンバースト仕上げのドーム型ダイアルを組み合わせる。ストラップカラーは新色のアジュールブルー。手巻き(Cal.1440)。19石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KPGケース(直径39mm、厚さ7.72mm)。3気圧防水。374万円(税込み)。

パトリモニー・マニュアルワインディング
2針モデルのドーム型ダイアルは、ムーンフェイズ&レトログラード・デイトに比べると、ほんの少しだけ下地のサンバースト装飾が繊細な印象。18KPG製の時分針、インデックス、パール状のミニッツトラックを組み合わせて、やや懐かしいバイカラーの表情を完成させている。

“ツイスト(遊び心)”の本質は古典と伝統に軸足を置きつつ現代性のギリギリを攻めること

今年は我々の想像を遥かに超える複雑時計の超大作「レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション」をお披露目したヴァシュロン・コンスタンタンだが、ここ数年は、多彩なデザインアプローチが目立った。あからさまな新素材やコーティング技術などには常に一定の距離を置き、技術的には慎重なようでいて、コンセプトは大胆。各コレクションによってアプローチは微妙に異なるが、何が同社のデザイン性を貫くコアなのか?その問いに答えるのは、もちろんスタイル&ヘリテージ ディレクターのクリスチャン・セルモニだ。

クリスチャン・セルモニ
[ヴァシュロン・コンスタンタン/スタイル・アンド・ヘリテージ ディレクター]Christian Selmoni(クリスチャン・セルモニ)
1959年、スイス/ル・サンティエ生まれ。90年に営業管理マネージャーとしてヴァシュロン・コンスタンタンに入社し、96年から製造部門のリーダーを務め、買収したHDGを改組したVCVJで自社製ムーブメントの開発プロジェクトを牽引。2001年には最終的なプロトタイプやユニークピースにゴーサインを出す統括責任者となり、10年にアーティスティック・ディレクターに就任。17年より現職。
「我々のデザインには4つのエレメントがあると考えています。クラシカルで、エレガントで、洗練されていて、そこにときどきツイスト(遊び心)を加える。あくまでもこれが基本です。古典的なデザインや手作業の伝統を守りながら、そこに現代的なエッセンスを加えてゆくのです」

しかし近年では、TiケースやNACコーティングなども、マスターラインコレクションに盛り込むようになっている。これは決して伝統的な素材や手法ではないはずだ。

「NACコーティングなどは、デザインの最終調整として用いています。例えばトラディショナルのオープンフェイスモデル(トゥールビヨン・レトログラード・デイトやコンプリートカレンダー)は、スケルトナイズのモダンさを手仕上げで表現することが主眼で、NACコーティングはその最終調整でしかありません。2019年のトラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダーを覚えていますか?あのモデルは、ケースやムーブメントの仕上げは伝統的なものでした。しかし、そこに盛り込まれたツインビート(2種類の振動数を選べる)の技術やトリートメントは現代的です。両者の関係性から生み出される緊張感が、何よりも大切なのです」

どこまでの現代化を許容するのか?その線引きは極めて難しい課題だ。

「伝統を現代にマッチさせること。その限界を手探りしている状態です。しかし、その限界がメゾンのスタイルになるのです。トレンドを追う必要はありません。我々にとっては、何年か後にどう見えるかが大事です」

近年ではNACグレーに続いて、グリーンも積極的に採用しているようですが?

「グリーンは興味深い色です。しかしながら採用するのであれば、オーヴァーシーズを象徴するブルーに引けをとらない、最高のグリーンでなければなりません。今年はオーヴァーシーズのゴールドケース専用に新しいグリーンを開発しましたが、突き詰めていったらグレーに近い色になりました。これはトラディショナルに使ったグリーンとは異なるレシピによるものです」

セルモニが近年よく口にする〝ツイスト〞の本質。あくまでも高級時計の伝統に軸足を置くからこそ、限界ギリギリを攻めたツイストが活きるのだろう。

虹色に輝く、G-SHOCKのアイコニックウォッチだ!

1983年に誕生した初代G-SHOCKから採用されていたレンガパターンが、2024年夏の新作として装いが一新した。今回は文字盤に蒸着でレインボーカラーをあしらった4型が追加された。このモデルは光の反射によりさまざまな色合いを見せるレンガパターンを特徴としている。

左からGM-2100RW-1AJF、GA-2100RW-1AJF、GM-5600RW-1JF、DW-5600RW-1JF。

G-SHOCK初号機。よく見るとレンガパターンがデザインされているのがわかる。

カルティエスーパーコピー代引き 優良サイトベースモデルにはG-SHOCKの定番である5600シリーズとオクタゴンベゼルの2100シリーズを採用。どちらもG-SHOCK初号機のアイデンティティのひとつであるレンガパターンをあしらっている。5600シリーズは、レインボーカラーのグラデーション蒸着とブラックプリントでデザイン。2100シリーズには、シルバー蒸着にレインボーカラーを塗装し、レーザー処理で部分的に剝離させることでレンガパターンをデザインしている。

メタルベゼルモデルのストラップと、DW-5600RWおよびGA-2100RWのベゼル&ストラップにはバイオマスプラスチックを使用。G-SHOCKの持続可能性に対する取り組みが感じられる。

G-SHOCKの代名詞と言える耐衝撃構造や20気圧の防水性はもちろん、スーパーイルミネーターLEDバックライト、ストップウォッチ、タイマー、マルチアラーム、フルオートカレンダーなど、多彩な機能を備えている。電池寿命は約3年から5年と長く、実用性も申し分ない。

ケースサイズは、5600シリーズが49.6×43.2×12.9mm(縦×横×厚さ)、2100シリーズは44.4mm径、11.8mm厚。価格はそれぞれ異なり、2100のメタルモデルが3万2450円、2100のカーボン樹脂モデルが2万900円、5600のメタルモデルが2万9700円で、5600のカーボン樹脂モデルが1万6500円(すべて税込)となっている。

ファースト・インプレッション

G-SHOCKからはほぼ毎年レインボーをまとったモデルが登場しており、もはや同カラーはブランドの十八番と言っても過言ではない(2023年のレインボーモデルの詳細はこちら)。今回は5600シリーズと2100シリーズというG-SHOCKのアイコニックなモデルをベースにしているため、ファンにとってはなじみ深く、それでいて新鮮なデザインに仕上がっていると感じる。

あくまでもダイヤルのみにレインボーカラーを取り入れているのが魅力で、派手すぎず、でもしっかりと個性を主張している。光の反射により変化するレンガパターンは、見る角度によって多彩な表情を見せ、目を引くと同時に洗練されていると感じる。アナログの針と視覚的にインパクトが強い時計が好きな私はGA-2100RWが好み。メタル×レインボーの掛け合わせがスタイリッシュで、金属の冷たい質感とレインボーカラーの華やかさがマッチしていて、4型のなかでもいちばん好きなモデルだ。欲を言うと細い手首の私がよりつけやすいBABY-G(BGA-280シリーズとか)でもぜひ出して欲しいところ。

視覚的な美観と実用性を兼ね備えたこのモデルは、時計ファンだけでなく、ファッションアイテムとしても多くの人々に愛されるだろう。なにより先例として取り上げた昨年のレインボーG-SHOCKはブレスレットもフルメタルの仕様のみで価格が8万円であったのに対し、新作はカーボン樹脂モデルが1万円台と大変手ごろな価格となっている。手の届くタフネスウォッチであるG-SHOCKの魅力が最大限生かされた新作だ。

基本情報
ブランド: G-SHOCK
モデル名: レインボー ブリック ウォール(RAINBOW BRICK WALL)
型番: GM-2100RW-1AJF、GA-2100RW-1AJF、GM-5600RW-1JF、DW-5600RW-1JF

直径: 49.3mm(GM-2100RW-1AJF、GA-2100RW-1AJF)、49.6mm(GM-5600RW-1JF、DW-5600RW-1JF)
厚さ: 11.8mm(GM-2100RW-1AJF、GA-2100RW-1AJF)、12.9mm(GM-5600RW-1JF)、13.4mm(DW-5600RW-1JF)
ケース素材: 鍛造ステンレス、グラスファイバー強化樹脂(GM-2100RW-1AJF、GM-5600RW-1JF)、グラスファイバー強化樹脂(GA-2100RW-1AJF、DW-5600RW-1JF)
文字盤: レインボーカラーのグラデーション蒸着
夜光: LEDライト(スーパーイルミネーター)
防水性能: 20気圧防水
ストラップ/ブレスレット: グラスファイバー強化樹脂
追加情報: 48都市のワールドタイム、100分の1秒ストップウォッチ、タイマー、時刻アラーム(GM-2100RW-1AJF、GA-2100RW-1AJF)、100分の1秒ストップウォッチ、タイマー、マルチアラーム、報音フラッシュ機能(GM-5600RW-1JF、DW-5600RW-1JF)

価格 & 発売時期
価格: GM-2100RW-1AJFは3万2450円、GA-2100RW-1AJFは2万900円、GM-5600RW-1JFは2万9700円、DW-5600RW-1JFは1万6500円(すべて税込)

G-SHOCK MASTER OF Gからエマージェンシーカラーをまとった3モデルが登場

タフネスを信条とするG-SHOCKのなかでも、特にプロフェッショナルユースを念頭においたツールウォッチが並ぶMASTER OF G。2023年4月にフロッグマンがMR-Gのラインで発表されて以降、“陸G”のマッドマンとマッドマスター、レンジマン、“空G”のグラビティマスターとリリースが続き、今年の5月をもって海・陸・空とすべてのカテゴリが刷新された。そして今回、その節目を象徴するかのように、MASTER OF Gの陸・空カテゴリを横断するコレクションが登場。ラインナップされたのは、グラビティマスター、マッドマスター、マッドマンの3モデルであり、そのいずれもがブラックをベースとしつつ鮮やかなエマージェンシーカラーで彩られている。

ブライトリングコピー 代金引換優良サイト3モデルともインデックスやサブダイヤル、その他表示部など細部にオレンジ、レッド、イエローの3色が散りばめられている。広報写真ではオレンジの部分がやや暗く赤みがかって見えるが、実機では瞬時に目に飛び込んでくるような明るく鮮やかな色合いで、視認性の向上にも貢献している。ダイヤルやケースのブラックとのコントラストも力強い。

いずれのモデルも衝撃による破損、変形に強いカーボンコアガード構造を採用しているだけでなく、それぞれケースやバンドにカーボンファイバー強化樹脂が使われている。これにより高い耐久性と同時に軽量さも実現しており、救助現場などで過酷なミッションに挑むプロフェッショナルが求めるスペック(動きが制限されないよう、1gでも軽いギアが求められる)に応えた。そのうえで、マッドマンとマッドマスターはどんな悪路でも故障しにくい高い防泥・防塵性能に各種計測機能、グラビティマスターはスマートフォンリンクによるスマートなフライトログの取得など、それぞれの分野において重宝される機能を備えている。もちろん、G-SHOCKならではの耐衝撃性能や、防水性能(今回の3モデルは20気圧防水)はそのままだ。そのすべてはとても書ききれないので、詳しい性能については記事下部のスペックシートを参照して欲しい。

価格はグラビティマスターが4万9500円、マッドマスター13万2000円、マッドマンは6万3800円(以上すべて税込)となっており、発売は2024年の8月を予定している。

ファースト・インプレッション
僕は2023年から今年にかけて、レンジマンにマッドマン、グラビティマスターなど実に多種多様なMASTER OF Gを扱う機会を得てきた。そのフィールドは多岐に渡れど、プロフェッショナルの命を守る計器であるという哲学はどのモデルにおいても一貫していた。特に感心したのは、プロダクトの開発における考え方だ。なかには数年ぶりのアップデートとなるシリーズもあったが、ただいたずらに多機能化(と、それに伴う大型化)を推し進めるのではなく、カシオはそれぞれの分野で現役で活躍されている人々へのヒアリングを密に行うことで最適解を打ち出してきた。時に過剰と判断された機能を大胆に削除することで小型・薄型化を図ったり、スマートフォンリンクの採用を前提でGPS機能を省略したり、前作で摩耗の目立った樹脂パーツを金属の鍛造パーツで置き換えたりなど、現在のカシオが持つ技術力を駆使しながら過酷な現場でいかに快適に着用・操作できるかを考え抜いた設計には取材をしながら頭が下がる思いがした。

そんなMASTER OF Gだからこそ、災害、人命救助の現場で重要な意味を持つエマージェンシーカラーがただのバリエーションという枠を超えてしっくりとハマる。確かな背景があるからこその、芯を感じるデザインだ。ちなみに、2023年の上旬にはレンジマンからダイヤル、バンド裏にエマージェンシーカラーのイエローを使用したモデルが、マッドマスターからベゼル全体にイエローを散らしたモデルが登場していた。それらと比べると、今回の3モデルはインデックスや液晶の外周などに色を落とし込んではいるものの、黒の主張のほうが強く着用スタイルは制限されにくい。MASTER OF Gのタフなソウルをデイリーに楽しみたいなら、ぜひチェックしてもらいたい。

なお、個人的に手に入れるとしたらマッドマスターことGWG-B1000EC-1AJF一択だ。今回のMASTER OF Gの刷新では多くのモデルで小型・軽量化が進んだが、その一方でG-SHOCKらしいバルキーさの維持も命題として挙がっていた。その点でメタルパーツの高級感、立体的なケース構造をプッシュした新マッドマスターの造形は素晴らしく、発色の強いエマージェンシーカラーにも負けない存在感を放っている。もちろんプライスも相応だが、機能面の充実ぶりも含めて妥当だと思う。実は、この3モデルのなかでもっともケース径が小ぶりというのも見逃せない。

もちろん、G-SHOCKらしさあふれるマッドマンのデジタル表示を推す声や、とりわけ薄い流線型フォルム(とデュアルタイム)を持つグラビティマスターを支持する向きもあるだろう。僕としては、プロフェッショナル向けの計器を志向しながらこれだけ異なる趣向に応えられるMASTER OF Gというコレクションの懐の深さも感じずにはいられない。さあ、あなたの意見も聞かせて欲しい。

基本情報
ブランド: G-SHOCK
モデル名: MASTER OF G GRAVITYMASTER、MADMASTER、MADMAN
型番: GR-B300EC-1AJF、GWG-B1000EC-1AJF、GW-9500MEC-1JF

直径: 54.7mm(GR-B300EC-1AJF)、52.1mm(GWG-B1000EC-1AJF)、52.7mm(GW-9500MEC-1JF)
厚さ: 15.7mm(GR-B300EC-1AJF)、16.2mm(GWG-B1000EC-1AJF)、14.8mm(GW-9500MEC-1JF)
ケース素材: カーボン、樹脂(GR-B300EC-1AJF)、ステンレススティール、樹脂(GWG-B1000EC-1AJF)、ステンレススティール、樹脂(GW-9500MEC-1JF)
文字盤色: ブラック
夜光: LEDライト(スーパーイルミネーター)
防水性能: 20気圧防水
ストラップ/ブレスレット: 樹脂
追加情報: タフソーラー、スマートフォンリンク、デュアルタイム、ストップウォッチ、タイマー、時刻アラーム(GR-B300EC-1AJF)、タフソーラー、スマートフォンリンク、標準電波受信機能、方位/気圧/高度/温度計測機能、ワールドタイム、日の出・日の入り時刻表示、100分の1秒ストップウォッチ、タイマー、時刻アラーム5本(GWG-B1000EC-1AJF)、タフソーラー、標準電波受信機能、方位/気圧/高度/温度計測機能、ワールドタイム、日の出・日の入り時刻表示、10分の1秒ストップウォッチ、タイマー、時刻アラーム5本(GW-9500MEC-1JF)

価格 & 発売時期
価格: GR-B300EC-1AJF 4万9500円、GWG-B1000EC-1AJF 13万2000円、GW-9500MEC-1JF 6万3800円(以上すべて税込)

70年代のオメガをデザインした巨匠、

今は亡きアーティストジュエラーが個人的に所有していたブシュロンは、オメガとの“アバウトタイム”コレクションで彼が創作したいくつかのデザインに影響を与えたかもしれない。

最近、アンドリュー・グリマ(Andrew Grima)はデザイン志向の時計愛好家のなかで注目を集めている。70年代の時計にしか興味がない人でも、その名前を聞いたことがあるに違いない。アーティストとして時計界に貢献した彼の功績は、控えめに言っても異例なものであった。

イギリス王室やジャッキー・ケネディ(Jackie Kennedy)などをクライアントに持っていたロンドン在住のアーティストでありジュエラーであった彼は、1969年にオメガのためにひとつの時計シリーズを製作したことで時計愛好家のあいだでもよく知られている。アバウトタイムと名づけられたコレクションは、IWCスーパーコピー代引き保守的な外観を持つシーマスターやデ・ヴィルのなかにありつつ、非常に大胆なデザインで構成されていた。グリマは硬いグラフィックラインを持つ彫刻的な作品や、一定の形を持たない有機的なフォルムをつくり上げた。彼の曖昧な形と構造の対比は、ハイジュエリーやアートに近いものであり、それまでの時計デザインには見られなかったものであった。

Grima's personal Teak watch
アンドリュー・グリマの私物であったチークウォッチ。

数週間前、ロンドンにあるトマソギャラリーで開催されたグリマの回顧展を訪れた際、彼の時計デザインへの関心がまったく別のブランドから始まった可能性があることを知った。1969年に撮られた写真(のちにサインを入れ、娘のフランチェスカ氏に贈られた)には、彼がブシュロンのリフレと思われる時計をつけた姿が写っているのだ。彼は自身で時計をデザインするまで、毎日その時計をつけていたことを聞いた。

ブシュロン リフレは1947年に登場し、数十年間にわたりイエローゴールド、ローズゴールド、ホワイトゴールドなどで製作された。仕上げもクル・ド・パリ、バーティカルサテン、縦リブなどさまざまなものがあり(ヴィンテージのブシュロンについてはこちらをチェック)、ダイヤルの仕上げはケースとおおむね一致している。私たちが得た情報によれば、グリマのリフレはバーティカルサテンか縦リブ仕上げであり、インデックスはローマ数字かアプライドであった。

Boucheron Reflet
文字盤にサインが入ったブシュロン リフレ。Photo: courtesy of Alexandre Tritz

Boucheron Reflet
縦リブ仕上げのYG製リフレ。Photo: courtesy of Kevin O'Dell

アバウトタイムコレクションの一環として、グリマは自身の手首に合うような時計をデザインした。彼が個人的に所有していたオメガ チークウォッチについて、フランチェスカ氏は「生産モデルとは異なり、コレクションのなかで唯一、ダイヤルに父の名前とオメガのロゴが両方入っていた時計です」と説明した。「彼は1969年から毎日この時計を着用していました」

本モデルはグリマが持つブシュロンのスライディングメカニズムに似た、スライド式ラグを6時位置に備えているのが特徴で、明らかにその影響を受けている。また、アバウトタイムコレクションにもブシュロンの影響が見られる。例えば、グリマのサテン仕上げダイヤルやブシュロンらしい形状の針などだ。のちに古いブシュロンのカタログを見たとき、同様の影響が逆に働いていたことも間違いないと感じた。グリマのジュエリーを多用した時計の創作は、パリの高級ジュエリーブランドであるブシュロンの1970年代~80年代にかけて見られるジュエリーウォッチカタログに、多くのインスピレーションを与えたに違いない。

Boucheron Caree
サテン仕上げのホワイトゴールド製カレ。角ばったブシュロンの針、スライディング式ラグを備えている。

Grima Clasp on Teak watch
グリマのチークウォッチに搭載されたスライディングクラスプ。Image: courtesy of Bonhams

アンドリュー・グリマの作品はきわめて豪奢でありながら、どこか新鮮さを保っている。複雑なディテールや装飾はしばしば古風と見なされる一方で、シャープなラインやニュートラルな仕上げはより現代的な製品を連想させる。これは不思議な融合である。グリマの有機的に彫刻されたゴールドのチークケースが、ブシュロンにインスパイアされたクリーンなサテン仕上げのダイヤル(ニュートラル)と角ばった針(モダン)を包み込んでいるのだ。このデザインの組み合わせは、さらに調査する価値がある。どうぞご期待ください!

時計愛好家としての一面も持つ。

俳優としてだけでなく司会者・キャスターとしても幅広く活躍する谷原章介氏。彼は料理やゴルフ、サーフィン、クルマ、古着など多趣味なことでも知られているが、時計収集もそのひとつ。取材にあたり、圧倒されるほど膨大な時計コレクションを拝見することができたが、今回は彼が好きな時計の傾向、そしてそのコレクション遍歴についてのエピソードを披露してもらうべく、泣く泣く紹介する時計を絞ることになった。そうはいっても、その数なんと40本以上。実に多種多様な時計が並ぶが、それは彼の時計趣味が広く浅いということを意味するものでは決してない。時計収集へかける情熱が生半可なものでないことは、動画を見てもらえれば一目瞭然である。

谷原氏が自身で時計を買い始めたのは、モデルを始めた二十歳前後のころ。なかでもその最初のきっかけとして、今でもよく覚えているというのが、雑誌で見たというラドーのスターライナーだ。最信頼性の日本スーパーコピー販売専門店その雑誌に販売広告を掲載していた神奈川県川崎市にあるヴィンテージ・アンティーク時計専門店、スイートロードで時計を購入した谷原氏。その後も同店との縁は長く続き、同店との関係はその後の彼の時計収集に欠かすことのできない重要なものになっていく。

谷原氏のコレクションを俯瞰的に見ていると、IWCやホイヤー、ベル&ロスといったスポーティな時計が数多く見られる一方、パテック フィリップに象徴されるようにドレスウォッチまで幅広く並んでいる。だが、いわゆる王道や定番とはひと味違った個性的なモデルが多いのが印象的である。彼は人気のモデルは自分が所有しなくてもいいのだと軽く笑い飛ばし、王道や定番からは少し外れるものの、適性な価格で購入できる時計が好きなのだと話す。そんな時計のセレクトについて、自分はひねくれ者だと揶揄するが、彼の時計コレクションからは、膨大な知識と購入体験に基づいた一朝一夕では得がたい審美眼、そして時計への並々ならぬ時計愛を感じることができた。

IWC ドッペルクロノグラフ Ref.IW3713-19

谷原氏にとって時計収集の原点とも言うべき1本がこの時計、IWCのドッペルクロノグラフだ。2本のクロノグラフ秒針によりスプリットタイムやラップタイムを計測できるスプリットセコンドクロノグラフを搭載するモデルで、完全に工業化された、あるいは“大量生産された”最初のスプリットセコンドとして知られている。

手に入れるきっかけとなったのは前出のスイートロード。ラドーのスターライナーを購入したことを機に同店へ足繁く通うようになった谷原氏は、若手スタッフたちとの時計談義を重ねるなかで時計の世界にのめり込んでいった。そしていつしかモデルの仕事の傍ら、スイートロードが出店する時計の催事を手伝うようになる。

IWCに心引かれはじめていた当時の谷原氏は、手伝いで参加していた時計の催事会場で、とあるショップがこの時計を並べているのを見つけた。気になったものの、一括で買うほどのお金がなかった谷原氏に手を差し伸べてくれたのが、スイートロード創業者でオーナーであった中村昌義氏(故人)だった。中村氏に購入資金を立て替えてもらい、同氏へ毎月お金を払う形で手に入れたという思い出の時計である。23、4歳の頃に購入したこのドッペルクロノグラフは、谷原氏が好きな時計の要素がギュッと凝縮されたお気に入りであると同時に、決して手放すことのできない思い出の時計のひとつとなったという。

ホイヤー ハラマ&レガッタ

1977年のカタログに初めて掲載されたハラマ。3モデルがラインナップされており、谷原氏の個体はツートンケースにブラックダイヤルを合わせたRef.110.225である。画像提供:タグ・ホイヤー。

谷原氏のコレクションでは実にさまざまなブランド、モデルを見ることができるが、なかでもひと際目を引くのがタグ(TAG=Techniques d'Avant Garde)グループに買収される以前、“ホイヤー時代”の時計たちだ。ホイヤーの時計をコレクションをするきっかけとなったのはレガッタ。これはヨットレースのために開発されたモデルで、12時位置に5つの窓が開いており、これはレースで5分ごとに鳴らされる号砲のタイミングを計るための表示機能、レガッタタイマーになっている。通常は黒の状態だが、2時位置のスタートボタンを押すとすべての色が青に変わり、そこから1分ごとに小窓の色がひとつずつオレンジへと変わり、すべてがオレンジになると今度は同じようにひとつずつ青へと変わっていく。ひとつの窓が1分を表しているため、計10分の計測が可能というユニークな時計である。谷原氏はこの個性的なレガッタタイマー、そして“タグ”が付かないホイヤーネームに引かれて購入したという。

ほかにもホイヤー時代のモデルを数多く購入したという谷原氏。クルマ好きであることも相まって、ホイヤーがかつて手がけていたモーターレーシングやサーキットと関係の深い名前をサブネームに持つコレクションをいくつも所有している。特に、このハラマについては彼の時計収集へかける情熱を表すユニークな入手エピソードが明かされた。彼は一体、このハラマをどのように手に入れたのか? その詳細は動画のなかで語られているので、ぜひともチェックして欲しい。

ホイヤー Ref.844

ホイヤー Ref.844コレクション。上段左からRef.844(844-1とも。カセドラル針、24時間表記あり)、Ref.844(メルセデス針、24時間表記なし)、Ref.844-2(1000&AUTOMATIC表記なし)。Ref.844-3(Ref.980.005とも。オレンジダイヤル)。下段左からRef.844-3(1000&AUTOMATIC表記あり)、Ref.844-4(デイデイト表示)、Ref.844-5(初のタグ・ホイヤーロゴ)。

※Ref.844コレクションはディテールの異なる仕様がさまざま散見されるため、正確な分類が判然としておらず、その分類には諸説ある。

谷原氏の並々ならぬ時計に対する探究心、そしてコレクション熱を象徴するのがかつてのホイヤーがてがけたダイバーズウォッチ、Ref.844だ。これはブランドの歴史において重要な役割を果たしたコレクションでもあり、Ref.844は1984年から正式に1000シリーズ(当初は関係者による通称だった)と命名され、そしてその後の“タグ”時代にはタグ・ホイヤー 1000シリーズとなる。この1000シリーズは1500、2000、3000、4000、そして6000シリーズとさまざま派生モデルを生み出すベースとなったが、現行ダイバーズウォッチコレクションのアクアレーサーも、さかのぼればこのRef.844コレクションがその原点となっている。

Ref.844(自動巻きムーブメントタイプ。クォーツタイプとしてRef.8440があった)が初めてホイヤーのカタログに登場したのは1979年。初期モデルは、他ブランドの時計も手がけていたフランスのG・モニン(Georges Monnin)社との委託契約によって製造されていた。そのため、初期モデルはムーブメントもフランス製で、ダイヤルの表記もフランス語表記であった。24時間表記(通常の1から12のインデックスの内側に13から24の数字を配置)とカテドラル針を備えていたが、この特徴は初期モデル以降は見られなくなり、針のデザインもその後1980年代から1990年代にかけていわゆる“メルセデス”針のデザインに置き換えられることになる。Ref.844は、実はディテールの違いによって細かな分類がなされており、谷原氏はそのほとんどをコレクションしている。なかでも特に珍しいのが、デイデイト表示を備えたRef.844-4。公式サイトでもその存在について触れられているが、画像は掲載されていない。谷原氏は画像で見たことはあったものの実際の時計を見る機会はほぼなく、長年追い求めた末、ようやく7年前ほど前に入手することができたという。

1984年に登場したホイヤー スーパープロフェッショナル(840.006)。Ref.844とは異なる外観を有する1000m防水のハイスペックモデル。本機はすぐに“TAG HEUER”ロゴが入ることになるが、谷原氏所有の個体は希少なホイヤー表記だ。

写真はすべてタグ・ホイヤー スーパー プロフェッショナル 1000M(840.006 PVD)。3本とも同じモデルなのだが、このPVD仕様は500本限定のかなり珍しいモデルと言われており、谷原氏は市場で見つけるたびに買い足してきたという。

上に掲載したホイヤー スーパープロフェッショナル、そしてタグ・ホイヤー スーパー プロフェッショナル 1000Mも実はかなりのレアモデルだ。特に後者にはRef.843.006というプロダクションモデルと、1989年にアメリカのセキュリティ・ディフェンス・システムズ(Security Defense Systems)社と提携して500本限定で作られた初期のプロトタイプモデルの2種類が存在しているが、谷原氏の個体はいずれもRef.840.006のリファレンスを持つプロトタイプモデルである。

ダイバーズウォッチ&ミリタリーウォッチ

ここまでに紹介したコレクションからもうかがえるが、谷原氏はいわゆる“スポーツモデル”タイプのクロノグラフやダイバーズウォッチを中心に時計を収集してきた。ホイヤーのRef.844もまさにそうだが、そのセレクトがロレックスのサブマリーナーや、オメガのシーマスター300など、王道ではないところがいかにも同氏らしい。

ブランパン フィフティ ファゾムス MIL-SPEC 1は、1960年代後半の最終モデルでデイト表示が付いた珍しいタイプ。状態もきわめて良好で、水分の侵入によって色が変化するモイスチャーインジケーターもキレイに残っている。IWCのダイバーズウォッチもスタンダードなアクアタイマーではない。機械式水深計機構を備えたGST ディープワン Ref.3527だ。IWCの開発チームが総力を挙げて完成させた高性能ダイバーズウォッチだったが、開発に5年もの歳月を要したこと、構造が非常に複雑で組み立て工程にも手間がかかってしまいコストがかさんでしまったことから予定していた500本の製造を待たずに生産を終了してしまったという伝説的なモデルである。

そしてロンジン レジェンドダイバー Ref.7494-2。これは谷原氏が20代の頃から憧れ続けてようやく手にすることができたという逸品。これまでなかなか出合うことができなかったそうだが、一昨年になって購入することができたという。実に30年ほどの時を経てようやく谷原氏のコレクションの一部になり、その感動もひとしおのようだ。

ホイヤーのクロノグラフやIWC(特にポルシェデザイン by IWC)の時計をコレクションするなかで次第にハマっていったというミリタリーウォッチにも谷原氏らしい審美眼が光る。本企画の実施に際して事前の打ち合わせのなかで、実は大量のホイヤーのクロノグラフやポルシェデザイン by IWCのコレクションを見せていただいた。そのなかでも特に珍しいモデルとしてピックアップしたのが上の4本である。

たとえば、ポルシェデザイン by IWCのオーシャンBUND。これはIWCが民間用のオーシャン2000でのノウハウをもとに作った軍用のダイバーズウォッチで、それぞれ異なる特殊任務にあたるコンバットスイマー、アタックダイバー、マインダイバー向けにクォーツ式、機械式、完全防磁仕様の機械式の計3種類のオーシャンBUNDが開発された。ここで取り上げたモデルは特殊部隊のアタックダイバーに支給されたRef.3509で、搭載されたムーブメントは自動巻きのCal.37521。クォーツのCal.2250Qが搭載されたRef3314-01、Ref3319-01よりも数は少ないとされている。

文字盤にトリチウムを表す3H(三重水素)表記が入った時計はほかにもある。ホイヤー A.M.I. 3H Ref.510.543とポルシェデザイン UAE AIR FORCE 3H Ref.7177だ。これはどちらも空軍向けのクロノグラフで、前者はイタリア空軍(Aeronautica Militare Italiana)用、後者はアラブ首長国連邦空軍(United Arab Emirates Air Force)用である。ポルシェデザイン by オルフィナ クロノグラフ1(7750搭載モデル)は一見するとミリタリーモデルには見えないが、こちらは名作映画『トップガン』のなかでトム・クルーズが身につけていたと言われている時計と同タイプのモデルだ。だが、これは本来の姿ではない。誰がつけていた時計なのか、なぜこのような姿なのか? それは動画のなかで谷原氏が語っているので、ぜひ自身の目でその理由を確かめて欲しい。

谷原氏のコレクションの範囲の広さは本当に底が知れないほど多岐にわたる。著名なラグジュアリースポーツウォッチはひと通りカバーしているが、なかでも特に好きだというのがジェラルド・ジェンタがてがけたとされるモデルである。谷原氏が“クラブ3兄弟”と呼ぶIWCのヨットクラブ、ゴルフクラブ、そしてポロクラブの3モデルは、時計好きでも知る人ぞ知る存在だ。残念ながら、ポロクラブだけはまだ手に入れられておらずウィッシュリスト入りしているそうだ。ちなみにこの“クラブ3兄弟”ではクォーツモデルが少なくないのだが、谷原氏所有の個体は機械式である。

まさかこんなにもたくさんの個体を見ることができるとは想像もしていなかったのが、ベル&ロス by SINNだ。ベル&ロスは1992年に設立されたが、1994年に最初のコレクションとして発表されたのが、このベル&ロス by ジン。ベル&ロスによるデザインを、ジンのオリジナルモデルをベースに表現したもので、その名のとおり、ダイヤルにはBELL & ROSSのロゴとby SINNの文字が入っており、1997年ごろまで製造されていたと言われる。タグ・ホイヤーのスーパー プロフェッショナル 1000M(840.006 PVD)同様、谷原氏は見つけるたびに買い足していたといい、実は同じモデルをいくつも所有している。

IWC パイロット・ウォッチ・マークXII ネイビーダイヤル Ref.9241

珍しい金無垢ケースのIWC パイロット・ウォッチ・マークXII。

年齢を重ねるなかで、20代の頃にはそれほど興味がなかったというゴールドの時計もコレクションに加わるようになった。このIWCのパイロット・ウォッチ・マークXIIもそのひとつなのだが、この時計、実はちょっとしたレアモデルだ。金無垢のマークXIIはブラックダイヤルしか作られていないというのが一般的な認識なのだが、これは通常はプラチナモデルでしか採用されないはずのネイビーダイヤルを備えている。では、ユーザーが勝手にカスタムしたものなのかというとそうではない。これはロサンゼルスにあるとあるディーラーが販売していたもので、谷原氏によれば、顧客の要望を受けたディーラーがIWCの正式な許可を得て作られたリファレンスだそうだ。

そして、コレクションのなかでひときわ存在感を放っていたのが、このオメガのスピードマスター プロフェッショナルだ。金無垢のスピードマスター プロフェッショナルといえば、近年だと人類初の月面着陸50年周年を記念して金無垢製の特注モデルを再現した2019年の復刻モデルがあるが、これは復刻版ではない。アポロ11号の月面着陸を記念し、スピードマスター初のゴールドモデルとして発売された希少なオリジナルモデルそのもの。1969年から1973年にかけて1014本製造されたうちの1本だ。長年探し求めていたが、スイートロード時代からの付き合いで谷原氏の友人でもある杉田氏(現在は御徒町にあるヴィンテージウォッチショップ、セレクトのオーナー)が、かつて谷原氏が欲しいと言っていた言葉を覚えていて見つけ出してきてくれたという。購入の際に一瞬尻込みしたそうだが、購入をして本当によかったと、谷原氏も目を細める。


オメガ スピードマスター プロフェッショナル アポロ11号月面着陸記念 Ref.BA145.022-69。


ケースバックには販売時に貼られていたブルーの保護フィルムがそのまま残る極上のコンディション。

パテック フィリップ ゴンドーロ Ref.5014J&カラトラバ

パテック フィリップ ゴンドーロ Ref.5014J。

本機は谷原氏が初めて購入したパテック フィリップだという、小振り(縦横27mm)なゴンドーロのRef.5014Jである。これまで紹介してきたコレクションとは毛色のまったく異なるドレスウォッチであるが、それもそのはず、パテック フィリップの時計は40代になって買い集めるようになったそうだ。年齢を重ねて訪れる場所、着る服が変わっていったことで、時計に対する気持ちも変化。最近は情報番組に出演することも影響して、もっぱらこうした小振りなドレスウォッチを身につけることがほとんどだという。

かつては憧れこそすれ、自身には縁がないものと考えていたパテック フィリップの時計を持つことでその魅力に開眼し、今では多くのパテック フィリップをコレクションする。しかしながら根っからのコレクターなのだろう、そのコレクションも実に1本筋が通っている。現代の大振りなカラトラバではなく、3桁から主に3000番台の小振りなカラトラバが中心だ。

取材当日につけていたのは、ジャガー・ルクルトのレベルソ。金無垢ケースにブレスレット仕様だが、シンプルな2針でサイズも小振りなため、とても上品な印象だ。Photograph by Keita Takahashi

ジラール・ペルゴ オリンピコ クロノグラフ Ref.9075-AF

実に数多くのコレクションを披露していただいたが、最後にこの時計を紹介したい。ジラール・ペルゴ オリンピコ クロノグラフ Ref.9075-AFである。ジラール・ペルゴはオリンピックの開催に合わせて定期的にそれを記念したオリンピココレクションをリリースしてきた。オリンピコは1950年代に始まった、あるいは1968年のメキシコシティ オリンピックから始まったものだとその起源には諸説ある。最初に作られたのが正確にいつなのかは今も議論が続いているが、いずれにせよ、この時計は1960年代後半(実はかつてのHODINKEE SHOPでも扱っていた時期があり、その際に同じ仕様の個体は1968年製とされていた)、初期のオリンピコである。

確かに数が少ない珍しいモデルではあるが、誰しもが興味を引かれるレアモデルというわけでもない。そんな時計を、なぜ本稿の締めくくりとして紹介したのか。それは谷原氏が時計のコレクションについて語ってくれたコメントがとても印象的だったからだ。

時計って、人気があって高いからいいとかそういうことカルティエ スーパーコピーではないと思うんです。その人の琴線に触れていいと思った時計、刺さった時計。それがその人にとって本当にいい時計なんだと思います。

– 谷原章介
コロナ禍以降の過熱気味な市場では、高額で入手困難な時計こそが正義という風潮があったことは否めない。もちろん、そうした時計が素晴らしいものであるということに異論はないが、果たしてそれだけが“いい時計”だろうか? その答えは、谷原氏の言葉がすべてを物語っていると思う。今回のTalking Watchesは、そんな当たり前だが忘れてはならない大切なことに改めて気づかされた。時計という趣味はもっと自由でいいのだ。

ライカは時計製造への野心をさらに洗練させ、

ライカ ZM12はブランド史上最大(サイズは最小)のリリース

ブランドの進化し続けるデザイン言語をより小型でエレガントに表現したモデルを発表しました。

ライカが3年前に腕時計を発表すると聞いたとき、私は懐疑的でした。なぜ世界最高峰のカメラをつくるメーカーが、最信頼性の高級スーパーコピー時計販売専門店!の世界に足を踏み入れるのか? 10年近くものあいだ、ライカM6のeBayの出品一覧を眺め続け、ようやく数年前に手に入れた私にとって、あの象徴的な赤いドットと、それが体現するすべてには強い親近感と結びつきを感じていました。おそらく、私はライカというブランドを過剰に守りたくなっていたのかもしれません。この新たな挑戦がうまくいかなかった場合、ブランドの伝統に傷がつくのではないかという不安があったのです。

zm12 collection
ライカは2022年初頭に初の腕時計ZM 1を発表して以来、時計のラインナップを着実に拡充してきました。そして今回、新作ZM 12が発表されます。4つのカラーバリエーション(2種類の素材)として、ステンレススティールモデルはブルーオレンジ、シルバーグレー、オリーブブラックの3色、チタンモデルはチョコレートブラックが用意されています。コレクションを初めて目にしたとき、最初に気づいたのはケースサイズが縮小されたことでした。今回のZM 12は39mmで、2023年に登場した前作ZM 11と比べて2mm小さくなっています。

このコレクションの中心となるのは、スイスのムーブメント専門メーカーであるクロノードSAと共同開発したライカ Cal.LA-3002です。このムーブメントは約60時間のパワーリザーブを備え、日差-4~+6秒という優れた精度を誇ります。またねじ込み式リューズを採用し、クイック日付変更機能と通常の時刻設定モードを搭載。これにより、ISO 2281規格に準拠した100mの防水性能を有しています。ケースの厚さは13mmで、しっかりとした存在感を保ちながらも、過度に厚ぼったくなることはありません。ケース素材には、316LSSまたはグレード5チタンが採用されており、チタンモデルはSSモデル(66g)に比べて軽量(52g)なのも特徴です。ケースバックには、内側にレーザー刻印が施されたシングルドームのサファイアクリスタルが使用されています。

zm12 movement
ダイヤルデザインは、思わず目を引き寄せられる仕上がりになっています。二層構造を採用することで、光と影の独特なコントラストを生み出し、カメラが光と対話するように見る角度によって異なる表情を楽しめます。視認性にも優れており、ダイヤルにはインナーベゼルとプリントされたミニッツトラックを備え、正確な時間の読み取りが可能です。6時位置にはスモールセコンドが配置され、機能性とデザインのバランスが両立されています。インデックスと針にはスイス製のスーパールミノバが採用されており、夜間の撮影を楽しむ際も正確な時刻を確認できる仕様になっています。

長年のライカファンなら、ブレスレットの裏側にある赤いドットを見てすぐに気づくでしょう。これはライカのカメラでレンズを取り外す際に使用するボタンと同じ形状・デザインが採用されているのです。イージーチェンジシステムにより、ストラップ交換は驚くほど簡単に行えます。ただし、ライカ独自の仕様となっているため、交換できるのはライカ製のストラップに限られます。操作方法も直感的で、赤いドットのボタンを押して現在のストラップを外し、新しいストラップをスライドさせてセットするだけ。カチッと音がすれば装着完了です。シームレスで洗練された仕上がりとなっています。

leica in steel
ZM 12コレクションでは、さまざまなストラップやブレスレットが用意されています。オレンジのラバーストラップは、クル・ド・パリを反転したような特徴的なパターンが採用されており、ほかのモデルよりも存在感のあるデザインです。一方、テキスタイル製のベージュストラップは、補強された通気性のあるデザインで耐久性を向上させています。落ち着いた印象を求める方には、シンプルなソリッドブラックのラバーストラップも用意。どのストラップも、クラスプに向かって22mmから20mmへと美しく細くなるテーパーデザインを採用しています。

このコレクションには、よりクラシックな印象を求める方のために、SS(マット&鏡面仕上げ)とチタン(マット仕上げ)の一体型メタルブレスレットも用意されています。ブレスレットの長さは、最大12個のリンクを取り外すことで調整可能です。さらに、どちらのバージョンもデュアルフォールディング式のバタフライクラスプを採用し、スムーズな着脱と快適な装着感を実現しました。

zm 12 with orange strap
ライカ ZM 12にはさまざまなバリエーションがラインナップされています。SSモデル(シルバーグレー、オリーブブラック、ブルーオレンジ)は100万1000円、チタンモデルは107万8000円)となっています。ストラップやブレスレットは、11万円から21万4500円(日本円で約8万~20万円)の価格帯で展開されます。詳細なスペックについては、記事を読み進めてご覧ください。

我々の考え
ライカが時計市場に本格参入するにあたり、決して容易な道のりではないことは確かです。時計専門のブランドでさえ競争が激しいこの業界で、異なる分野で世界的な成功を収めることは非常に難しいものです。たとえ時計とカメラがどこか共通点を持っていたとしても、それは変わりません。しかしZM 12のリリースを見る限り、ライカは市場の細かな嗜好を反映しながら製品ラインを調整していることがわかります。39mmサイズの人気が続くなか、ZM 11からわずかにサイズを縮小したのもその一例です。

私がZM 12に最も引かれるのは、ライカのデザイン言語とエンジニアリング哲学が、カメラから時計へと見事に落とし込まれている点です。細部へのこだわり、精密なつくり込み、そして機能美、これらがライカのカメラを特別なものにしている要素ですが、それがこの時計にもはっきりと感じられます。赤いドットは単なるブランドのシンボルではなく、カメラと時計というふたつの製品ラインをつなぐ、計算されたデザインの橋渡しとなっています。

green dial zm 12
いまのところZM 12を自分のウィッシュリストに入れる予定はありませんが、ライカが時計市場でさらに成功を収められることを願っています。ライカのデザイン哲学に共感し、手首にもライカをという思いを持つファンにとって、ZM 12は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。より広い市場での評価は未知数ですが、ZM 12はこれまでのライカの時計ラインナップのなかで最も完成度の高いモデルであることは間違いありません。

基本情報
ブランド: ライカ(Leica)
モデル名: ZM 12

直径: 39 mm
厚さ: 13 mm
ケース素材: 316Lステンレススティール(3モデル)またはグレード5チタン(1モデル)
文字盤色: ブルーオレンジ、シルバーグレー、オリーブブラック、チョコレートブラック
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: SSおよびチタン製ブレスレット、ストラップはオレンジラバー(クル・ド・パリ装飾)、ベージュのテキスタイルストラップ、ブラックラバーを用意

zm12 close up
ムーブメント情報
キャリバー: LA-3002
機能: 時・分表示、スモールセコンド
パワーリザーブ: 約60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 38石

価格 & 発売時期
最信頼性のリシャールミルスーパーコピー販売専門店スティールモデル: 税込みで100万1000円(シルバーグレー、オリーブブラック、ブルーオレンジ)
チタンモデル: 税込みで107万8000円(チョコレートブラック)

ファブリックストラップ: 税込みで11万(SSピンバックル)~11万8800円(チタンピンバックル)
ラバーストラップ: 税込みで8万6900円(SSピンバックル)~9万4600円(チタンピンバックル)
ブレスレット: 税込みで18万1500円(SS)~21万4500円(チタン)

発売時期: スティール・シルバーグレー、スティール・オリーブブラック、チタン・チョコレートブラックは現在、ライカストアおよびライカ公式オンラインストアで3月7日から発売。スティール・ブルーオレンジは4月17日より発売予定です。

新作ダイブクロノグラフを発表[U15、U16、U18、613St/UTC]

ドイツの機能美を体現するブランドといえば、ジンをおいてほかにない。フランクフルトに拠点を構えるこのブランドは流行に流されず、堅実なウォッチメイキングを貫いてきた。これは容易なことではない。しかしブランドの哲学は揺るがず、今回も明確な方向性を示す6つの新作を発表した。なかでも意外性のある(あるいは、真っ当に予想どおりの?)最信頼性のスーパーコピーブランド専門店!素材を採用したUシリーズのダイバーズ3モデル、そしてジンの真骨頂を示す2本のダイブクロノグラフが目を引いた。

ジン 613Stおよび613St UTC ダイビングクロノグラフ

今年の新作のなかでもまず注目すべきは、新たなダイブクロノグラフのふたつのバージョン、613Stと613St UTCだろう。ダイバーズウォッチは大小さまざまなブランドから展開されているが、ダイブクロノグラフとなるとそれは限られた熱心な愛好家向けのニッチな領域であり、まさにジンの得意分野だ。

sinn watches
新作613Stのプレスリリースはまるで水中溶接工の作業リストを読んでいるかのように、無駄な美辞麗句が一切ない。華やかな言葉に慣れた目には新鮮で、ジンがいかに実用性を重視しているかがよく伝わってくる。このモデルはジン独自の技術を駆使しつつ、ダイブクロノグラフのコレクションを拡充するものだ。

206シリーズと比較すると、ケース径は43mmから41mmへと小型化されている。その姿は、ユニークな左リューズモデルEZM 13.1のデザインを反転させたようにも見える。EZM 13.1は知る人ぞ知るマニアックなツールウォッチだが、613Stも同じケースサイズを踏襲。ただしEZMシリーズで使用されていたジン SZ02キャリバーではなく、コストパフォーマンスに優れたセリタのSW 515を採用している。これによりコンパクトなサイズ感を保ちつつ、価格を抑えることに成功した。価格はシリコンストラップ仕様で62万7000円、ブレスレット仕様では71万5000円(ともに税込予価)。DIN 8310および8306規格に準拠する防水性能とダイビング適性を備え、機能性とスポーティな魅力を兼ね備えたモデルとなっている。

sinn watches
ジン 613Stは、ブランド独自のArドライテクノロジー(内部の湿気を防ぐ機構)を備えており、100ミリテスラ(8万A/m)の耐磁性能を誇る。これはDIN 8309規格に準拠した従来のガウス単位とは異なる尺度であり、一見過剰とも思えるが、ロレックス ミルガウスの1000ガウスに相当する磁気誘導耐性を持つ。ビーズブラスト加工が施されたスティールケースとブレスレットは、ひと目でジンとわかるデザインだ。実際に104 Stを着用した経験から言えば、41mmのケースはコンパクトに感じられる。

サファイアクリスタルの内外には反射防止コーティングが採用されており、視認性は抜群だ。マットブラックのダイヤルはジン独自のラチェット式特殊結合のベゼルによって縁取られ、60分積算計が備わる。このベゼルは操作感がしっかりしており、夜光が塗布されたインデックスが視認性を高めている。しかしシンプルなデザインのEZM 13.1とは異なりクロノグラフの60分積算計は逆パンダ配色(白地に黒のインデックス)となっており、赤い先端の針がアクセントとして機能する。これにより夜光が施された時・分針と差別化され、判読性が向上している。

ダイヤルには3時位置にデイデイト表示も搭載。デイト表示の有無について議論が尽きないが、ジンの哲学は視認性と機能性を追求することであり、装飾としての意図はない。また613Stの別バージョンとして、613St UTCも展開されており、ヘアライン仕上げのHリンクブレスレットかシリコンストラップが付属。こちらは第2時間帯を表示する機能も備える。ムーブメントにはセリタ SW535をジンでアレンジしたものを搭載し、グレーでプリントされた24時間計とグレーのUTC針によって異なるタイムゾーンを示す。価格はブレスレットで84万1500円、ストラップで75万3500円(ともに税込予価)となっている。500m防水のダイブクロノグラフにGMT機能を搭載したモデルで、この価格帯のものはほぼ皆無だ。

ジン 613に対抗できるビッグブランドのモデルはあるだろうか? たとえばオメガ シーマスター プラネットオーシャンは600m防水を誇り、ブレスレット仕様で提供されている。しかしケースサイズは45.5mm径に厚さ18.9mmと巨大だ。価格も200万円前後とジンとは比較にならない。もちろんジンが手を加えたSW515ムーブメントは、オメガのコーアクシャル9900キャリバーには及ばない。しかし価格を考えれば十分な選択肢だ。もし613Stまたは613St UTCの機能と耐久性を80万円以下で実現したモデルを見つけたら、ぜひコメントで教えて欲しい。

Uボート・スチール製の限定モデルU15、U16、U18
ジンのUシリーズからリリースされた新作ダイバーズウォッチ3本は、それぞれ1000本限定。ジンがドイツ製潜水艦用のスティールを使用し始めて20周年を迎えることを記念し、これまでの設計をベースにしながらも意外性のあるダイヤルデザインを加えた特別仕様となっている。モデル名はドイツの退役潜水艦(Uボート)に由来し、それぞれのケースにはその艦体と同様のスティールが使用されている。今回注目すべきは、ブランドが光沢感のあるブルーまたはペトロールグリーンのダイヤルを採用した点だ。サテン仕上げのスティールケースと対照的でありながら、間近で見るとさらに奥行きを感じさせるデザインとなっている(潜水艦内部での生活を意識したわけではないだろうが、思わずそう感じさせる仕掛けだ)。

それぞれのダイヤルには中央に広がる気泡のパターンがデザインされており、メタリックブルーやグリーンのプリントによって立体的な表現が施されている。これは単なる装飾ではなく、それぞれの潜水艦がたどった冒険を象徴するものだ。またダイヤルには元の艦艇が運航中に航行した実際の海里(nautical miles)が記されており、ベゼルに施された青いラッカー仕上げの分刻みがバブルモチーフのブルーと調和している。

この特別モデルの軸となるのが、Uボート・スチールという素材だ。これはドイツ海軍の212型非核潜水艦などに採用されるティッセンクルップ(ThyssenKrupp)社製の特殊合金であり、その強度は一般的な316Lスティールの155%以上に達する。今回使用されているスティールは退役した206型潜水艦のもの。ケース製造を担当するザクセン時計技術社 グラスヒュッテ(Sächsische Uhrentechnologie GmbH Glashütte)が潜水艦の湾曲した鋼材をまっすぐに矯正し、ケースの元となる鋼材、ケースバック、回転ベゼルへと加工している。

41mm径ケースのU15は、500m防水という圧倒的な性能をわずか11.2mm厚のケースに収めたコンパクトなU50をベースにしている。このモデルのスティールは1974年製のU15潜水艦(20万海里以上の航行記録を持つ)から調達されている。ケースはジンならではのサテン仕上げで、4時位置のリューズ、DIN 8310準拠の防水性能、低圧耐性を備える。60分刻みのラチェット式特殊結合ベゼルは優れた操作感を提供し、ジンのテギメント処理による耐傷性を誇る。実際にU50を着用した経験から言えば、このシリーズの魅力はソフトな装着感と戦車のような堅牢性の絶妙なバランスにある。丸みを帯びたHリンクブレスレットは画期的とは言えないが細部までこだわり抜かれており、圧倒的な信頼感を与えてくれる。価格は75万9000円(税込)だ。

U16は同価格ながらさらに多くを提供するモデルだ。44mm径ケースのU1をベースにしており、スティールは1973年製のU16潜水艦(38年の運用期間で20万7000海里を航行)から採取されている。特徴的な2本のオーバーサイズ針は、まるでマインクラフトの世界から飛び出したような角張ったデザインだが、極めて高い視認性を誇る。ブレスレットはU15の20mm幅に対し、U16は22mm幅となる。ケースサイズが44mmに拡大されたことで、手首には確かな重量感をもたらすはずだ。U15と同じくセリタ SW300-1ムーブメントを搭載し、14.7mm厚のケースに収められている。Uシリーズの本質は機能性重視の大型設計であり、“デスクダイバー”などという言葉は、フランクフルトでは一切耳にすることはない。1000m防水という驚異的なスペックを誇るが、これはさらに上位モデルU18の防水性能に次ぐものだ。U15と同じく、75万9000円(税込)で提供される。

U18はパイロットウォッチのデザイン要素(UXラインにも通じる部分を持つ)と、深海ダイビングを思わせるバブルパターンを組み合わせたユニークなダイヤルを採用している。しかし細身のインデックスとシャープな針を備えたダイヤルの6時位置には特徴的なインジケーターが配されており、本作のハイスペックさを象徴している。ケースはさらに厚みを増し、44mm径に対して15.5mm厚となっているが、これは2000m防水を実現するためのものだ。またジン独自のArドライテクノロジーを搭載し、過酷な環境下でも性能を維持するよう設計されている。ムーブメントにはセリタ SW300-1を採用し、価格は82万5000円(税込予価)だ。このスペックでこの価格というのは驚異的であり、高耐久ダイバーズウォッチの市場では非常にコストパフォーマンスが高いモデルと言える。

ここでムーブメントの選択についても触れておこう。今回のジンの新作3モデルはいずれも80万円前後で提供されており、この価格帯ではムーブメントの細かなスペックよりも道具としての信頼性が重要視される。ジンのダイバーズウォッチは実用性を重視するプロフェッショナル向けのツールであり、COSC認定の有無を気にする必要はない。セリタ SW300-1は実績のあるムーブメントでメンテナンスのしやすさと十分な精度を備えているため、この限定シリーズが価格に対して圧倒的な価値を持つことに変わりはない。また今回のUシリーズはベースとなった通常モデルとほぼ同じ価格設定でありながら、極上パネライスーパーコピー専門店そら~ユニークなダイヤルデザインと歴史的背景を持つUボート・スチールを採用している点が特に魅力的だ。

sinn u-series divers
一方でもしU50のコンパクトな無骨さがお好みなら、ジンのもうひとつの新作も見逃せない。T50ゴールドブロンズBは価格が126万5000円(税込予価)とやや高額になるが、ジン独自のゴールドブロンズ125を採用した特別なモデルだ。このモデルは2023年に発売され即完売したT50の新バージョンであり、リッチなブロンズのビーズブラストケースに耐腐食性を備えた特殊合金を使用している。ケースサイズは41mm径、厚さ12.3mmで、500m防水を実現。見た目には華やかな印象を与えるが、その実力は本格的なダイバーズウォッチとして申し分ない。ブルーのマットダイヤルに合わせたブルーファブリックストラップが付属し、スポーティでありながらエレガントな印象を醸し出す。

トリローブ「クレイジーデイ ダイヤモンド」~ Trilobeのウォッチメイキングが ハイジュエリーの世界へ

クレイジーデイ コレクションを発表した翌年、Trilobeの光り輝く革新的はハイジュエリーの世界に一歩踏み出しました。パリ・オペラ座の天井装飾にインスパイアされた新作です。回転する3つのリングには最高級のダイヤモンドがセットされました。

肉眼では分からないほどのシークレットセッティングは、パリのラ・ぺ通りの熟練職人の手により実現しました。

高級時計とハイジュエリーの見事な技術協力の元、双方の素晴らしいノウハウを駆使し、開発には2年間もの時間が費やされました。

Trilobeはこうして複雑な構造をシンプルに、既に見たようで革新的な、動かないものを解き放ち、150個のダイヤモンドが時を刻むリストウォッチを開発しました。

この新作ジュエリーウォッチはTrilobeの斬新さをさらにアピールしています。

ジュエリーとウォッチメイキングの見事な製造技術
クレイジーデイモデルの贅を尽くしたエレガンスを継承しつつ、回転リングにジェム セッティングを施すことを選択しました。これはまさに技術的挑戦であり、構造上全 てを設計し直す必要がありました。150個のバゲットカット・ダイヤモンドは一粒一粒 が曲線を描くリングにセットする為に研磨されています。また、それら3つの回転リン グそのものにも全く新しい設計が開発されました。回転機能に確実な性能を持たせ る為、新素材を導入。チタンにアルミニウム、シリシウムそしてマグネシウムを混合す ることで軽量化に成功しました。これによりダイヤモンドの重量をカバーし、リングの 回転を阻まない構造が実現したのです。また手作業によるダイヤモンドセッティング は、その高いクオリティーを確実なものにしています。

Trilobeサイン入りセッティング
美しい回転リングは、その素材と類まれな技術を誇るダイヤモンド セッティング によるものです。それは、ラ・ぺ通りのジェムセッティング職人とのコラボレーショ ンにより、Trilobeの為に特別に開発された全く新しいセッティング技術です。

このユニークなシステムにより、ロレックス 時計 コピー 代金引換優良サイト150個のダイヤモンドが、時、分、秒を司り、回転リングに沿って滑らかに回ります。(RJCの保証付)

リング上にダイヤモンドをセットしていく作業は非常に複雑かつ繊細です。リン グの素材の特徴を考慮し、一粒づつのダイヤモンドには、それぞれに研磨作業 が施され、リングと一体化する完璧な個体にしなくてはなりません。この新作ウォ ッチは、その構造上の快挙はもちろんですが、ドーム型のサファイアガラスの中 で、滑らかに時を刻み自由に回転するこのダイヤモンドのリングの制作に費や された時間と技術、ともすると外科手術にも思えるほどの微細な作業の賜物と 言えるでしょう。

一つ一つへのディテール
使用されるダイヤモンドの品質は、セッティング職人の技術の高さに呼応するものです。RJC (責任ある宝飾のための協議会)メンバーであるパリ・ヴァンドーム広場の名高いダイヤモン ド業者より調達しています。Trilobeのクレイジーデイ ダイヤモンド モデルに輝きを与えるこ れらのジェムストーンは、こうして150個が丁寧にその品質基準に沿って選定され、それぞれ が研磨され、Trilobeのシンボルである3つの回転リングに美しくセットされるのです。

一番大きなリングに最も輝きを感じるかもしれませんが、快挙はディテールにあります。

小さなキャリバーによる、秒のリングへのジェム・セッティングが、実は一番難しいのです。

時間の読み取りには、フランスの細密画の技法を採用し、12の時刻表示は手描きの数字をペ イントしています。それは究極に厳しい緻密さと正確さを要求される金細工師による手仕事 です。そうした工程の一つ一つがこの特別なタイムピースに付加価値を与え、究極の逸品に 仕上げています。

自由への妄想、飛び立ちたい欲求
華やかな回転リングはダイヤモンドで飾られ、まるで星が踊るかのようにドーム型サファイアガラスの下 で動き出します。その後ろでは、すべてが完璧なハーモニーで組み合いながら、緻密なリズムを奏でま す。建築学上、完全に再構築されたX-セントリック キャリバーは、地板とブリッジに新たなボリュームを もたらします。エッジは根気よくポリッシュされ、ダイヤモンド・コーティングが施され、プレーンな表面に 施されるグレナージュ加工をより際立たせます。ダイヤモンドセッティングされた3つの回転リングは、 時計のメカニズムに組み込まれます。そこには陰影と反射によるハーモニーが見て取れるでしょう。

オペラ・ガルニエ
Trilobeにとってオペラ・ガルニエは芸術を象徴とするシンボル的存在です。その芸術との親和性は、Trilobeのコレクションに反映されています。

天井を仰ぐと、そこには8mの高さのあるシャンデリアの華麗な美しさが見て取れるでしょう。
マルク・シャガールのコンテンポラリー絵画をさらに飾るシャンデリアには、314個のライトが 輝きます。このフレスコ画は12枚の三角パネルに切り分けられ、360度のサークルにはめ込ま れた作品です。当時はアバンギャルドで大胆であった作品ですが、今日ではこのオペラ座を象 徴とし、切り離す事のできない要素となっています。どこか、Trilobeのアイデンティティーを巧 妙に反映しているかの様に思えます。

【仕様】

UFJ04DA (40.5mm)
クレイジーデイ ダイヤモンド
プラチナ

UFJ02DD (40.5mm)
クレイジーデイ ダイヤモンド
ローズゴールド


[スペック]
ダイヤモンド:
150個のバゲットカット ダイヤモンド(D,E,F- VVS )合計約3,1カラット
時のリングに70個、分のリングに50個、秒のリングに30個セット

ムーブメント:
X-セントリック キャリバー
マイクロローター搭載の自動巻きメカニカル
パワーリザーブ:約48時間
振動数:28,800回/毎時(4Hz)
人工ルビー:33個
ムーブメント部品点数:196点
仕上げトリートメント:チャーコールグレーまたは、ゴールド5N

ムーブメント サイズ:
厚み:6,49mm
直径 : 35,2mm

特許:
3つの回転するエレメントにより時、分、秒を表示するコンセプト

表示:
回転するリングとスーパールミノヴァが塗布された固定インデックスによる時刻表示 数字は手描きペイントによる

ケース:
プラチナ製、または18Kローズゴールド製
サテン仕上げと鏡面ポリッシュ仕上げを交互に施した表面仕上げ
アタッチされたラグ
1,2mmの厚みのあるドーム型サファイアガラス製、何層にも施された反射防止加工
ケースバック:反射防止加工を施したサファイアガラス製
プッシュ式クラウン
防水性:約30m (3気圧)

ケース サイズ:
ケース厚:17,8mm
ドームの高さ:10,2mm
ケース直径:40,5mm
ラグからラグまでの全長:48mm
ラグ幅:20mm

リファレンス:
UFJ04DA - クレイジーデイ ダイヤモンド プラチナ
UFJ02DD - クレイジーデイ ダイヤモンド ローズゴールド

保証:
納品、または発送から24ヶ月間の保証

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