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ジャガー・ルクルトのアイコンであるレベルソ・トリビュートに4本の新作が追加された。

クラシカルを強調した、新しいトリビュート

オリジナルモデルのプロポーションを今に伝えるジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート」に4本のスーパーコピー時計 Nランク代金引換専門店新作が追加された。特に注目なのが「レベルソ・トリビュート・クロノグラフ」の18KPGモデルと「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」の新サイズモデルだ。

ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート
(左)ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・クロノグラフ」Ref.Q389256J
18KPG製ダイアルに施された繊細な水平線の彫刻が光の反射を和らげ、シックな印象。反転させると18KPG製ブリッジで構成されたムーブメントのCal.860がオープンワークからのぞく。手巻き。38石。2万8800振動/ 時。パワーリザーブ約52時間。18KPGケース(縦49.4×横29.9mm、厚さ11.14mm)。3気圧防水。世界限定250本。参考価格1091万2000円。

(右)ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」Ref.Q7168420
1931年のオリジナルに非常に近いプロポーションを持つ。ロゴとインデックス、ミニッツウェイトラックのみで構成されるダイアルはエッセンシャルで、コンパクトなサイズ感も相まってクラシカルかつエレガント。手巻き(Cal.822)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース( 縦40.1×横24.4mm、厚さ7.56mm)。3気圧防水。139万9200円(税込み)。

レベルソ・トリビュート・クロノグラフは、一見シンプルな2針モデルの装いながら、反転させるとオープンワークから精緻なクロノグラフ機構がのぞく二面性のあるモデルである。華やかな輝きのある18KPG製ケースに、表面の文字盤には初採用となる繊細な水平線のレーザー彫刻を施したピンクゴールド製ダイアルが組み合わされ、その幾何学模様がレベルソのアールデコ様式を基調としたデザインと調和する。また、搭載されるCal.860は従来モデルとは異なり、地板やブリッジにもピンクゴールドを用いている点が特徴で、統一感のある色調が本作の特別な意匠となっている。

ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・クロノグラフ

レベルソ・トリビュート・クロノグラフに搭載されるCal.860は、両面にそれぞれの時刻と機能を表示しつつ、レベルソのレクタングルケースに収めることがコンセプトだ。機構はモジュール式ではなく統合型かつ水平クラッチの採用により、ケース厚を11.14mmに抑えている。本作ではムーブメントの地板も18KPGで製作されている。

一方のレベルソ・トリビュート・モノフェイスの新作は、1931年のオリジナルモデルに極めて近い、縦40.1×横24.4mmのケースを持つ新サイズだ。そのプロポーションとシンプルなダイアルデザインがクラシカルな印象を生み出すだけでなく、7.56mmの薄い仕立ても相まってエレガントさも際立つ仕上がりである。また、手首のサイズを問わずにフィットするサイズ感でもあり、幅広く歓迎されるプロポーションであると言える。用意されるダイアルは、オパーリン仕上げのシルバーと、サンレイ仕上げのブルーラッカーだ。ムーブメントは古典に根差し、角型ムーブメントの傑作のひとつであるCal.822を搭載。この組み合わせは本作を選びたくなるエッセンスのひとつとなっている。

時計業界の著名人たちに2025年に発表された時計からベスト5を選んでもらう企画。

「シンプルでベーシックなもの」という自身の好みで選びつつも、こういった腕時計は近年高い人気を集めている。なお、5本の時計に順位はない。

パルミジャーニ・フルリエ「トリック プティ・セコンド」
近年、ハイブランドの合言葉は「クワイエット・ラグジュアリー」。それを具現化したシンプルかつ高品質なモデル。ロゴと控えめなインデックスを配置するマットなダイアル。これと呼応するヌバック仕上げのクロコダイル製ストラップが品格を表す。

リシャールミルスーパーコピー時計 Nランク代金引換専門店トリック プティ・セコンド
パルミジャーニ・フルリエ「トリック プティ・セコンド」
手巻き(Cal.780)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KRGあるいはPt950(直径40.6mm、厚さ8.8mm)。18KRGモデル:709万5000円。Pt950モデル:820万6000円(いずれも税込み)。(問)パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com

イエマ「ネイビーグラフ・マリーンナショナルCMM.10」
「フレンチ・ウォッチ・オブ・ザ・イヤー2024」にも選ばれたのに、なぜ日本でもっと評価されないのか不思議。シンプルで美しく、自動巻きマニュファクチュールキャリバーを搭載して、価格はリーズナブル。皆さん、もっと視野を広く持ちましょう。

イエマ「ネイビーグラフ・マリーンナショナルCMM.10」
イエマ「ネイビーグラフ・マリーンナショナルCMM.10」Ref.21.14.55.SN.M
自動巻き(Cal.CMM.10)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径39mm、厚さ11nn)。300m防水。30万9000円(税込み)。(問)イエマジャパン Tel.03-5875-8810

セイコー プレザージュ「クラフツマンシップシリーズ ポータークラシック コラボレーション限定モデル」
日本初の腕時計「ローレル」をデザイン・ベースに自動巻きムーブメントと琺瑯ダイアルを採用したクラシカルにしてモダンなモデル。ホワイトダイアル採用の「SEIKOブランド100周年記念 服部金太郎 限定モデル」もある。できれば定番化してほしい。

セイコー プレザージュ ローレル
セイコー プレザージュ「クラフツマンシップシリーズ ポータークラシック コラボレーション限定モデル」Ref.SART005
自動巻き(Cal.6R5H)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径35mm、厚さ12.3mm)。5気圧防水。世界限定500本(うち国内250本)。31万200円(税込み)。(問)セイコーウオッチお客様相談室 Tel.0120-061-012

チューダー「ブラックベイ セラミック」
ブラックのセラミックケースにマニュファクチュールキャリバーを搭載しつつリーズナブルな価格設定に痺れる逸品。しかも時間精度だけでなく超耐磁性を備えたマスタークロノメーター認定というのだから文句のつけようがない。

ブラックベイ セラミック
チューダー「ブラックベイ セラミック」Ref.M79210CNU-0001
自動巻き(Cal.MT5602-1U)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。ブラックセラミックケース(直径41mm、厚さ14.4mm)。200m防水。71万8300円(税込み)。(問)日本ロレックス / チューダー Tel.0120-929-570

オリス「アクイスデイト キャリバー400 アップサイクル」
SDGsとかサスティナブルとかエシカルとかフェアトレードとか時計作りも窮屈な時代だが、その風潮を見事に捉え回収されリサイクルされたPET製ダイアルの採用で個性と芸術的な美しさを兼備した「時代のシンボル」的なモデル。

オリス アクイスデイト キャリバー400 アップサイクル
オリス「アクイスデイト キャリバー400 アップサイクル」Ref. 01 400 7790 4150-07 8 23 02PEB
自動巻き(Cal.Oris400)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約5日間。SSケース(直径43.5mm)。300m防水。(問)オリスジャパン Tel.03-6260-6876

総評
アフターコロナの時計バブルがはじけ、愛好家たちの嗜好も変化しつつあるという。簡単に言えば興味の対象が既存の有名ブランドからニッチなマイクロブランド、独立系ブランドに移行しているらしいのだ。さもありなんと思いつつ、そんな世間の風潮をほとんど考えず、「自分が買うなら何が欲しい?」という視点で選んだ5本がこれらのモデル。毎回、時計ランキングでも言っているが基本的にシンプルでベーシックなものが好きなので、そんなチョイスになっているが、時代もやっとその魅力に気付きはじめたようだね、なんておこがましくも考えてしまう今日このごろ。おそらく、これからはもっともっと小径でシンプルなモデルが各社から登場し、人気を得るようになると予言しておこう。まあ、当たらなくても責任はとりませんが。

それにしても「時計が高くなった」と会う人ごとに言われることが多い。だが、こればっかりは円安と海外(特にアジア圏)の経済的成長および世界的なインフレが原因だから、文句言ってもしかたがない。その中でリーズナブルかつ身の丈に合った魅力的なモデルをいかに見つけ出すのかが時計愛好家の腕の見せ所であり、それを提案するのが我々の果たす責務でもあると痛感しています。例によって、すべて同列、順位なし。

G-SHOCKの定番コレクションに成長した、オクタゴン(八角形)ベゼルの「2100」シリーズ。

高級感あふれる外装にありったけの最新機能を盛り込んだこのモデル、次にG-SHOCKを買うならフルメタルの“カシオーク”がいいなぁと漠然と考えていた筆者にとって、ベストバイとなり得るだろうか。

気になるフルメタルの“カシオーク”
筆者は50代後半。スーパーコピー時計 Nランク代金引換専門店1990年代後半の異常とも言えるG-SHOCKブームを直で体験した世代だ。そういえばライターとして初めて書いた時計記事もG-SHOCKだった。レアモデルを狙って開店前のホームラン商会に並ぶほどの熱狂的コレクターではなかったが、「スピード」モデルを苦労して入手したり、出たばかりのBABY Gのスケルトンを嫁さんにプレゼントしたりと、それなりに甘酸っぱい思い出はある。好みは初代角形モデルの系譜を継ぐ5000/5600系で、樹脂ケースが加水分解で割れて断末魔のターミネーターみたいな様相となったモデルを含め、今も手元に何本か残っている。時計の記事を多く書くようになってすっかり主ゼンマイ好きになってしまったが、G-SHOCKは別腹であり、何かデザインのピンと来るモデルと出逢ったら、1本くらいは最新機能を投入したものが欲しいと常々思っていた。

今回そんな自分のもとに新作の「GMC−B2100D」の黒文字盤タイプが届けられた。

カシオ「G-SHOCK」Ref.GMC-B2100D-1AJF
G-SHOCKの初代モデルである「DW-5000」のコンセプトを受け継いで開発された、アナログモデル「2100」シリーズのフルメタル&クロノグラフデザイン。ベゼルとケースの間にファインレジンの緩衝材を実装することで、メタル外装による耐衝撃構造を可能にした。ベゼルと同じ八角形のネジロック式りゅうずなど、細部まで緻密に造形され、非常に質感の高い仕上がりだ。Bluetooth通信により専用アプリと接続し、正確な時刻情報を取得。タフソーラー、高輝度LEDライトなども搭載。タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦51.3×横46.3mm、厚さ12.4mm)。20気圧防水。10万4500円(税込み)。

念のために説明すると、「2100」シリーズの登場は2019年。スタイリッシュなデザインはG-SHOCKの初号機「DW−5000」を現代的なアナデジモデルへとアレンジしたものだったが、その八角形ベゼルや、G-SHOCK史上最薄となるスリムなプロポーションが、奇しくも“ラグスポ”の名作を彷彿とさせ、たちまちファンの間で“カシオーク”のニックネームで呼ばれるヒット作となったのはご承知の通り。凄まじい人気を背景にメタルカバード版やミッドサイズ版などバリエーションがどんどん拡充され、2022年には遂に、タフソーラーとBluetoothによるモバイルリンク機能を搭載したフルメタルモデル「GM-B2100」も登場した。

「GMC−B2100D」は、その「GM-B2100」を、フルアナログ表示のクロノグラフに進化させたバージョンだ。ちなみにストップウォッチ機能を搭載するからクロノグラフと呼ぶが、通常の時刻表示モードでは、6時位置インダイアルはワールドタイム表示となる(ストップウォッチ作動時はここが積算計となる)。

筆者は初代角形モデルのフルメタル版が2018年に登場したとき、かなり食指が動いたクチだ(周りの編集者やスタイリストが先に買っていたので断念)。また最近の“カシオーク”人気も気になっていた。そんなわけで次にG-SHOCKを購入するなら、フルメタルのカシオークか? などと夢想していた。

デカい。されど悪くない装着感
だから本作のインプレッションをとても楽しみにしていたのだが……ん、ちょっとデカくないか。資料を読むとケースサイズは縦51.3×横46.3mm。G-SHOCKの中では比較的コンパクトなサイズだが、フルメタルとなると迫力が増すのか、手元でのお目立ち感が半端なくて少々落ち着かない。

重量は171g。これも普段手巻きのアンティークばかり着けている身には、かなりずっしりと重く感じる。真面目な筆者はこれから1週間毎日このモデルを着用するつもりだが、慣れるだろうかと不安になる。もっとも最新の高機能モジュールを搭載する割に、ケースの厚さは12.4mmに抑えられ、重心もケースバック側にあるので、着用感は悪くない。

早速セッティングしてみる。といってもこのモデルはモバイルリンク機能を搭載するため、時刻の調整は至極簡単。自分のスマホに「CASIO WATCHES」というアプリをダウンロードする手間はあるが、ここに時計を登録してしまえば、Bluetoothを介して正確な時刻を同期して表示し、アプリ側でワールドタイムやアラームなどの各種設定も簡単に行える。GPS電波受信機能は備えていないが、スマホの電波が届かない地域に出かけることがほとんどない都市生活者にとっては、これで十分だと思う。

ビカビカと輝き、質感は非常に高い

ステンレススティール製のケースとブレスレットには、ポリッシュとサテンで仕上げ分けされている。ベゼルと同じく、八角形のねじ込み式リュウズも特徴的だ。
外装は、さすが10万円超えのG-SHOCKだけあってまったく隙がない。ベゼルの天面を円周状のヘアライン、斜面をミラー研磨とするなど、随所を細やかに仕上げ分けたことで、光の角度でビカビカと輝いて高級感たっぷりだ。

文字盤も美しい。ベース部分と3つのインダイアルはともに円周状のギヨシエが施され、立体的なインデックスと相まって、とても奥行き深く仕上げられている。タフソーラー搭載モデルだが、どこにソーラーセルを搭載しているのか分からないほど、質感の高い文字盤といえよう。

各機能の操作方法を細かく説明するとキリがないので割愛するが、自身がそうだったように、説明書を軽く読めば、よほどメカ音痴な方でもすぐにマスターできるはずだ。もし、しばらくこの時計を使っていなくて操作方法を忘れたとしても、スマホで先ほどの「CASIO WATCHES」を開けば、登録した自分の時計の操作ガイドが載っているので安心だ。こういうところも最新のG-SHOCKはありがたい。

さまざまな機能のうち、とくに気に入ったのが携帯電話捜索機能だ。たとえば自宅でスマホをどこに置いたか分からなくなった場合、時計のケース右下、ベゼルに“FIND”と書かれているところのプッシュボタンを長押しすると、スマホ側の音が強制的に鳴り、所在を知らせてくれる。実際に筆者はこの機能を使ってソファの隙間に隠れていたスマホを見つけることができた。

G-SHOCK フルメタルG GMC-B2100D-1AJF クロノグラフ

暗闇でも時刻確認ができるよう、蓄光塗料が針とインデックスに塗布されている他、高輝度LEDライトの点灯機能が搭載されている。
逆にちょっと使いづらいなと感じたのが、ライト発光ボタンだ。このモデルは針とインデックスに蓄光塗料のネオブライトを塗布しているが、2時位置のプッシュボタンを押すとスーパーイルミネーターがバキッと発光し、さらに盤面の視認性を高めてくれる。ただその発光時間は約1.5秒。ボタンを押し続ければもう少し長く発光するのかと思いきや、実はこのボタンには長押しでホームタイムとローカルタイムを入れ替える機能も持たせており、時刻が入れ替わった盤面を見てとまどうことがあった。

スーツよりセットアップが似合う
筆者は余程の豪雨じゃない限り、毎日バイクでオフィスまで通勤している。お借りした時計ゆえに少し躊躇したが、そこはG-SHOCKだから大丈夫と判断し、借用期間中はずっとこれを着けてバイクを運転した。大きさが邪魔になるかと感じたが、意外と気にすることなく着用できた。G-SHOCKらしい無骨さも残しているので、ライダースやアウトドアジャケットとの相性はやはりいい。アナログ表示の視認性も大変よく、バイクを走らせている間、スピードメーターやタコメーターの他、腕にもうひとつ計器を着けている感じで気持ちがよかった。

G-SHOCK フルメタルG GMC-B2100D-1AJF クロノグラフ

G-SHOCK フルメタルG GMC-B2100D-1AJF クロノグラフ

そうして通勤に使いつつ、筆者ほど服装の自由度が高くない職種の方が、これをビジネスでも使うのはどうなんだろうとも考えていた。ビジネススーツにも馴染むと評価するリポートも見かけるが、個人的には難しいと思う。確かに高級感ある外装だが、サイズが大きく、デザイン的にもかなりインパクトがあるため、手元の主張が強くなりすぎてしまう気がするのだ。若いビジネスマンがファッションの外しとしてモード系のスーツにチャラリと着けるならまだしも、年配ビジネスマンの正統的なスーツ姿には浮くと思う(もっとも大径の高級スポーツ時計をスーツに着けている人は世の中にいっぱいいるので、あくまで筆者の感想です)。もし自分がドレス方向の装いに合わせるなら、今どきのアンコンジャケットや機能素材のセットアップなど、ややカジュアルな服を選ぶ。インナーも、シャツではなくニットなどを合わせて。

G-SHOCK フルメタルG GMC-B2100D-1AJF クロノグラフ

いずれにしろ、この「GMC−B2100D」は、G-SHOCKの最高峰ブランド「MR−G」にあるフルメタルアナログモデルの「MRG-B2100B」を除けば、今販売されている“カシオーク”の中で最も完成度が高いモデルであることは間違いない。だから久々にG-SHOCKを買う、かつてのGファンがこれを選ぶのは正解。G-SHOCKで10万円オーバーということにビビるかもしれないが、その価格以上のプレシャス感ある佇まいであることは確か。着用して馴染みの飲み屋にでも出かければ、周囲が食いついて鼻が高いだろう。もちろん機能面の猛烈な進化ぶりにも感動するはずだ。

一方、自分のように華奢な腕のオッサンだと、この時計のサイズはやや持て余すかもしれない。Bluetoothとタフソーラーを搭載した最新の高機能モジュールをさらにコンパクト化するのは相当難しいと思うが、機能を多少割愛してもいいので、このデザインと外装の仕上がりでもう一回りか二回り、小ぶりなカシオークが出たらいいのになぁと願う。いや、カシオならきっとやってくれるはずだ。

調べたところフルメタルの従来モデル(GM−B2100)もなかなかのサイズ感(縦49.8×横44.4mm、厚さ12.8mm)。なので現時点では、メタルカバードモデルのミッドサイズ版である「GM−S2100」(縦45.9×横40.4mm、厚さ11mm)あたりが、自分にとってのカシオークのベストバイとの結論に至った。でもやっぱり、バンドまでフルメタルで、なおかつフルアナログ表示のカシオークが欲しい……。カシオ様、本作「GMC−B2100D」の小径化、ぜひご検討をお願いいたします。

テニスとランニングをテーマにした2本の新しい時計は、

ウィンブルドンと来たるパリオリンピックを中心としたいくつかの最近のコラボレーションは、堅苦しい“スポーツウォッチ”のアイデアに対して、より遊び心のあるアプローチを取っている。どちらの新作も、ヴィンテージにインスパイアされたデザインを取り入れながらそれを現代風にアレンジし、スポーツのさりげないヒントを加えている。

これは、私たちが“スポーツウォッチ”と聞いて思い浮かべるステンレススティール製の黒文字盤モデルとはひと味違うが、口コミ第1位のブライトリングスーパーコピー代引き専門店それほど深刻に考える必要はない。では、モーリス・ド・モーリアックとメルシーの楽しいコラボを見てみよう。

モーリス・ド・モーリアック×ラケット ラリーマスター III
maurice de mauriac rallymaster iii racquet
スイスのブランド、モーリス・ド・モーリアックとテニスマガジンのRacquet(ラケット)が再びダブルスを組み、第3弾となるテニスインスパイアのコラボレーションモデル、ラリーマスター IIIを発表した。初代ラリーマスターはローラン・ギャロスで開催された全仏オープンの赤いクレーコートを、次作のラリーマスター IIは全米オープンの青いハードコートをテーマにしていた。今年のモデルは、今週末にウィンブルドン決勝で幕を閉じるグラスコートシーズンの芝生を連想させるオリーブグリーンのダイヤルを特徴としている。

ラケットは、テニスに特化した流行の最先端をゆく季刊誌で、ストーリーテリングとテニス・カルチャーに焦点を当てた内容から多くのファンを獲得している。ラリーマスター IIIは39mm径×12mm厚(ラグからラグまで47mm)のサイズで、内部にはETA 2824-2によく似た自動巻きムーブメント、ランデロン24を搭載している(現代のランデロン社は、みなさんが知っているであろう、スイスの歴史あるかつてのクロノグラフムーブメントメーカーとは関係がない)。

maurice de mauriac rallymaster iii
maurice de mauriac rallymaster iii
モーリス・ド・モーリアックとラケットは、ラリーマスターの各エディションにロサンゼルスのデザイナー、カールトン・デウッディ(Carlton DeWoody)氏を起用した。デウッディ氏は熱心なヴィンテージウォッチマニアであり、ラリーマスター IIIのデザインにはさまざまなヴィンテージウォッチからインスピレーションを得ている。

「この時計が単なる“テーマウォッチ”にならないように、テニス以外にもさまざまな参考資料を探しました」と、デウッディ氏はダイレクトメッセージで語ってくれた。もちろんダイヤルにはネットが描かれているが、実はこれはリップのエキゾチックなレーシングダイヤルに触発されたものだと言う(彼が言っていることについてはこの記事をチェックして欲しい)。

もうひとつのレーシングモチーフは、一部のクロノグラフで見られる“ラリー”式見返しリングにインスパイアされたテンションリングだ。これはテニスから着想を得た、本モデルの名前にちなんだしゃれた表現でもある。ほかのインスピレーションの源は、彼の個人的なコレクションであるホイヤー オータヴィア スキッパーやギャレット マルチクロン ヨッティングなど、カラフルなヨット用インダイヤルであると彼は話している。

maurice de mauriac rallymaster iii watch
ラリーマスター IIIは18Kイエローゴールド(3N)製リューズとダイヤルに加えられたゴールドのアクセントが特徴で、前の2モデルよりもエレガントな仕上がりで、これは前作を意識してアップデートしたものだ。明確にオールイングランド・クラブのグラスコートを参考にしているが、それがわざとらしく感じられない程度に控えめにしている(また、ウィンブルドンの弁護士の目を引かない程度に)。特に、テニスに関する多くの時計が7桁(ロレックス)や8桁(リシャール・ミル)の高価格帯であるのに対し、ラリーマスター IIIは楽しくより手ごろなオプションとなっている。ただし金無垢リューズが原因で価格は2400ドル(日本円で約37万5000円)と、過去2本のラリーマスターよりも400ドル(日本円で約6万3000円)ほど高い。こちらは数量限定で、100本が生産される。

6時位置にあるサインもテニスを連想させる遊び心にあふれていて、“Swiss Made With Love”と記されている。

モーリス・ド・モーリアック×ラケット ラリーマスター III。39mm径×12mm厚(ラグからラグまで47mm)のステンレススティールケースに、ネジ込み式のゴールドリューズを備える。サファイア製シースルーバックで、防水性能は100m。グリーンダイヤルには、テニスボールを模したインデックスとスーパールミノバを塗布。ラリーマスター IIIは、自動巻きランデロン24ムーブメントを搭載し、2万8800振動/時、約40時間のパワーリザーブを持つ。タンカラーのカーフレザーストラップと、ツーピースの“テキスタイルフレックス”ストラップが付属。世界限定100本で、7月2日から予約受付を開始。価格は2400ドル(日本円で約37万5000円)。mdm-watches.comで購入可能。

メルシー・パリとのコラボレーションによるトラックスミス タイムピース
tracksmith timepiece merce collab
ウィンブルドンからイギリス海峡を渡ったところにあるランニングブランド、トラックスミスがメルシー・パリとコラボレーションし、限定モデルのLMM-01を発表した。このトラックスミス タイムピースは、ブレゲ数字と鮮やかな赤い秒針を備えたネイビーブルーダイヤルが特徴だ。ブレゲ数字はヴィンテージの風合いを感じさせる一方で、赤い秒針はその昔レースの正確な時間を計時するために使われていたストップウォッチをほうふつとさせる(トラックスミスが2021年にウィンド・ヴィンテージとコラボレーションしたものと似ている)。モーリス・ド・モーリアックがデウッディ氏と協力したように、トラックスミスとメルシーもヴィンテージディーラーであるエリック・ウィンド(Eric Wind)氏の意見を取り入れた。これらの考え抜かれたヴィンテージタッチは、彼の貢献によるところが大きいだろう。

tracksmith merci timepiece watch
トラックスミス タイムピースは、38mm径×12mm厚(ラグからラグまでは47mm)サイズ。私はメルシーのLMM-H01を身につけているが、その装着感は最高だ。ほとんどのストラップと相性がいいし、ヴィンテージの雰囲気を引き出すためにブレスレットへ付け替えることもできる。こちらのモデルには、タンカラーのカーフスキンレザーストラップが付属する。毎日、手巻きのセリタ製SW210ムーブメントを巻き上げるのも楽しいだろう。ヴィンテージの美学に傾倒して、私たちの祖父母がしていたように毎朝時計を巻くのも一興だ。

同モデルは世界限定100本で、トラックスミス×メルシー・パリのポップアップストアで数本が販売される。残りは7月15日午前10時(米国東部時間)から、トラックスミスのウェブサイトで購入可能になっている。価格は700ドル(日本円で約11万円)で、通常のメルシー LMM-01より少し高い金額だ。

tracksmith merci timepiece watch
トラックスミス タイムピースは、メルシー・パリとのコラボレーションとウィンド・ヴィンテージの監修によって生まれた世界限定100本のモデル。ステンレススティールケースのサイズは38mm径×12mm厚(ラグからラグまでは47mm)。手巻きのセリタ製SW210-1ムーブメントを搭載し、約42時間のパワーリザーブ、2万8800振動/時で時を刻む。ネイビーブルーのダイヤルにはアプライドのブレゲ数字をあしらう。タンカラーのカーフスキンレザーストラップ付属。7月12日よりパリにあるトラックスミス×メルシーショップのポップアップショップにて販売開始、残りは7月15日からtracksmith.comでオンライン販売される。価格は700ドル(日本円で約11万円)。

素晴らしいスポーツウォッチ
テニスプレイヤーであろうとランナーであろうと、単に優れた時計デザインを楽しむだけであろうと、ラリーマスター IIIやトラックスミス タイムピースのような時計を見るのは楽しいことだ。どのスポーツにおいても時間が重要な要素であるというのはありきたりな表現だが、こうした若いブランドがこのようなアイデアをあまりシリアスに捉えていないのは好感が持てる。ラリーマスター IIIは明るくカラフルで、オールイングランド・クラブや美しいヴィンテージクロノグラフをいっぺんに表現しているのが魅力だ。

一方でトラックスミス タイムピースも同様に、ヴィンテージのストップウォッチやカラトラバを自然な形で参考にしている。その上、(比較的)手ごろな価格であるのもポイントが高い。

どちらの限定モデルも、テニスやランニングに情熱を傾ける人々が、その情熱を(おそらく)時計にも注ぐことを可能にする。もしくは、その趣味をクールな新しい方法で表現することができ、それがまた楽しいのだ。

オーデマ ピゲのロイヤル オーク オフショア グランド コンプリカシオンを再考する

約30年が経ち、ロイヤル オーク グランド コンプリカシオンには変わった点もあれば、変わらない点も多い。ただひとつ確かなことは、この時計がとんでもなく最高で素晴らしいということだ。

私の時計仲間たちは、誰かが私に大きな時計を試してみるようすすめると、本能的に否定的な反応を示すことを知っている。私の身長が6フィート7インチ(約2m)だからといって、どうして大きくて不格好な時計をつける必要があるのかと思う。まあ、彼らが本当に言いたかったのは、“私はこの時計をつけこなせないけれど、君ならできるはずだ”ということなのだろう。理解はできるが、それは私が求めたことでも望んでいることでもない。ただし今回は、“私はこれをつけこなせるが、君たちには多分できないだろう”と言える。そしてそう言えることがすごくうれしいのだ。

AP Royal Oak Offshore Grand Comp
これはオーデマ ピゲスーパーコピー代引き 激安(以下、AP)のカタログのなかでも最も希少なモデルのひとつで、ブランドが限定版としてのみ発表するロイヤル オーク グランド コンプリカシオンだ。それだけでなくこの時計はオフショアであり、セミスケルトンデザインが特徴だ。私がこの時計に魅了された理由は、44mm径、厚さ15.7mmのスケルトン仕様で、永久カレンダー、ムーンフェイズ、うるう年表示、スプリットセコンドクロノグラフ、そしてミニッツリピーターまで搭載するというそのとてつもないスペックにある。オリジナルのオフショアが“ビースト”と呼ばれているなら、この時計をどう呼べばいいだろうか。手首を完全に覆い重量を感じさせるこの時計を、北欧神話に登場するヨルムンガンド(自分の尾を食べる別名世界蛇)と名付けることにした。

AP Royal Oak Offshore Grand Comp
思いがけない落とし穴は、“オフショア(沖合)”と名付けられているにもかかわらず、この時計の防水性能が20mしかないことで、これは“岸辺に近い(close to shore)”とでも呼ぶべきか。今日のAPが目指す最低限の防水性能である。ただしこれは、ミニッツリピーターを追加するとどの時計でも同じことが起きる。ケースに可動部品が増えるため、防水性能が低下してしまうのだ。しかし、誰がそれを気にするでだろうか? ミニッツリピーターを搭載しているというだけで、十分に特別なのだから。

2013年、ベン(・クライマー)がSIHHで別バージョンのロイヤル オーク オフショア グランド コンプリカシオンを取り上げた。それ以前の2012年では“通常”のロイヤル オークという形で2本のセミスケルトンバージョンを紹介している。そのため、これは過去11年であまり変わっていない時計に再びスポットライトを当てるようなものだ。しかし、私がロイヤル オーク グランド コンプリカシオンやオフショア グランド コンプリカシオンの実物を見かけたのはたった2回しかない。

Royal Oak Grand Complication
昨年の春、イタリア人ディーラー、クラウディオ・サルヴァティ(Claudio Salvati)氏が初期のセラミック製ロイヤル オーク グランド コンプリカシオンをつけているところをジュネーブで目撃した。

Royal Oak Grand Complication
もうひとつのロイヤル オーク グランド コンプリカシオンは、ドバイウォッチウィークの期間中に見かけた。

そしてこのオフショアで3本目になるが、厳密には“実際に見かけた”わけではない。これは今年の春に開催されたモナコ・レジェンド・グループのオークションに出品されていたものだ。本モデルは推定価格35万から70万ユーロ(日本円で約6045万~1億2090万円)が付けられ、結果45万5000ユーロ(日本円で約7860万円)で落札された。2015年にこの時計のブラックプッシャーバージョンが発表された際の推定小売価格は約74万ドル(当時の相場で約8960万円)であった。つまり、この時計は全体的に不条理という意味でとにかくすごく、非常に高価であり、新品を購入したとして必ずしもいい“投資”にはならないかもしれないということだ(時計を“投資”として考えること自体私は嫌っているが)。それにもかかわらず、私はこの時計に完全に魅了されていたし、今でもそうだ。展示ケースから出してもらうよう何度も頼み、この時計はオークションで見つけられる現代の時計のなかでとてつもなくクールなものだと誰彼構わず熱弁した。その理由は以下のとおりだ。

AP Royal Oak Offshore Grand Comp
APは複雑機構を得意とする長い歴史を持つ。昨年、APの新しいコンプリケーション部門長となったアンヌ-ガエル・キネ(Anne-Gaëlle Quinet)氏とのインタビューでさまざまな複雑時計を紹介したが、今回のストーリーで重要なのは、スプリットセコンドクロノグラフ、ミニッツリピーター、永久カレンダーの3つで構成されるこのグランドコンプリケーションだ。このオフショアは2016年に製造されたが、時計を動かすキャリバーの歴史は1996年にまでさかのぼる。つまり、Cal.2885を搭載する時計は30年前の時計製造技術に基づいているが、APは新デザインでそれを新鮮に保つ方法をみいだしている。この時計がどこから始まったかを見てみよう。

Jules Audemars Grande Complication
Cal.2885を初めて搭載した時計が、ジュール・オーデマ グランド コンプリカシオンだ。

この時計が注目されたのは、スプリットセコンドクロノグラフという特別な複雑機構のためだ。APによれば、ブランドは1880年代から1890年代にかけて1625本の時計を製造し、そのうち300本以上にスプリットセコンド機能を搭載していた。しかし、最初の腕時計が誕生してから1996年までのあいだ、APが製造したスプリットセコンドクロノグラフウォッチは1949年製の1本のみである。今の市場に数多く存在するスプリットセコンドクロノグラフや、永久カレンダーのような複雑機構の時計が多いことを考えると意外に思える。ミニッツリピーターも信じられないほど複雑だ。実際、IWCは現在Cal.7750をベースにしたスプリットセコンドクロノグラフを250万円以下で提供している。しかし、APのグランドコンプリケーション製造において制約となった技術的要因は、(Cal.2120/2800でAPのアイコンとなった)永久カレンダーでもミニッツリピーターでもなく、スプリットセコンドクロノグラフだったのだ。

その1年後の1997年、APはロイヤル オークの25周年を記念して、初めてトゥールビヨンを搭載したグランドコンプリケーションを発表した。当然のことながら、ブランドはこの成功をルノー・エ・パピ(現在はオーデマ ピゲ ル・ロックルとして知られる)の力を借りて実現した。IWC グランド・コンプリケーションにおいてミニッツリピーターの問題を“クリア”したルノー・エ・パピが、Cal.2885の設計に貢献したのである。この時計はアイコニックなプチタペストリーダイヤルが特徴だが、ダイヤルにはセリフフォントで“Grande Complication”と記されるなど、約30年後の今では少し古く感じられる要素もある。ただ長い年月をかけて微妙な変更を加えることで、ブランドはこのモデルを常に新鮮に保ち続けている。

AP 25865
1997年製のAP ロイヤル オーク グランド コンプリカシオン Ref.25865。

裏側からはCal.2885のムーブメントがよく見える。ゴング、クロノグラフ機構など、すべてが現代の視覚的嗜好に合わせてアップデートされている。以前のバージョンでは、イエローゴールド製のローターが使用されており、それらは手彫りで装飾されていた。これはきわめて1990年代的で今ではとても古めかしく見える。現在は、ブリッジの面取りを維持しつつ、より現代的にスケルトナイズされている。ただひとつ、歯車に内角がないことだけは気になる。74万ドル(当時の相場で約8960万円)の時計には期待されるかもしれないが、ここでは見られないのだ。

ロイヤル オークのミニッツリピーターがこれほど早く当たり前の存在になったことは驚きだ。現在、APはロイヤル オークコレクションに4種類、コンセプトラインに1種類のスーパソヌリを展開している。これらのリピーターは素晴らしく、音が大きくて印象的で、手に持っているときよりも手首につけたときのほうが音が大きく聞こえる。まるでマジックのようだ。しかし1997年当時、これらのグランドコンプリケーションはロイヤル オークのケースに初めて搭載されたリピーターであった。それゆえ左側にあるリピータースライドを見ると、“初”の系譜には何か特別なものがあるとしか考えられない。このオフショアは19年後につくられたが、同じキャリバーを使用しているという事実がとてもクールだと思う。

リピーターの音は理論上、音を抑えるはずの重厚なローズゴールドケースにもかかわらず、とても力強く響く。しかし20m防水の“オフショア”であることがこの時計の制約となっているかもしれない。それが私にとっての魅力の一部でもある。私はこのような矛盾が大好きなのだ。水に浸けたくないオフショアというのは、もしかしたら最大の矛盾かもしれない。

前述したように、本当に注目すべきはスプリットセコンドクロノグラフだ。ロイヤル オーク コンセプトや最新のスプリットセコンドクロノグラフ GMTについての記事でこのことに触れたが、ここで簡単におさらいする。このオフショアが製造された当時、APは年間最大13本のスプリットセコンドクロノグラフしか製造できず、それらすべての機構がグランドコンプリケーションに使用されていた。価格に加え、このような時計をコレクションする人が限られていることもあり、こうした時計が3本や4本のセットでつくられた理由のひとつである。

ムーブメントを見ればその理由が分かる。1本のクロノグラフ針を止めながら、ほかの針を動かし続けるために必要なブリッジやレバーの数々は、美しくも混沌とした光景だ。私は時計職人でもデザイナーでもないが、このクロノグラフを機能させるために必要な部品をすべて配置するのがどれだけ難しいかはひと目で分かる。そしてこれこそ、新しいコンセプトがAPにとっていかに革新的であるかを示す好例でもある。

コンセプトに関する記事で述べたように、(RD#4から受け継がれた)本モデルにおける最大の功績はスプリットセコンド機構とローターの再構築である。スプリットセコンド機構はセンターホイールをつかんでクロノグラフ針の一方(または両方)を止めるが、以前はこれをローターとベアリングの下に配置し、ローターが自由に回転できるようにしていた。しかし、これらの機構を重ねると厚みが増してしまう。そこでAPの新しいデザインでは、これらの機構をローターベアリングの内部に収めることで構造を簡素化し、より薄いプロファイルを可能にしたのだ。

AP ロイヤルオーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMT ラージデイト 43mm。

こうした変更やスーパソヌリの革新性により、APが密かにこれらのイノベーションをすべて統合している可能性がある。特に、永久カレンダームーブメントの2120廃止(ジョン・メイヤーの永久カレンダーとともに発表された)に続く、新しいグランドコンプリケーションの開発を密かに進めているかもしれない。すでにRD#4でスーパーソヌリとスプリットセコンドの組み合わせを見ているので、これは非常に現実味がある。その間も、このような時計はオーデマ ピゲの最高傑作であることに変わりはない。

この特別な時計には、私が本当に気に入っている細かいディテールがたくさんある。ダイヤルは特定の光のもとで“反転”することで、ムーブメントを垣間見せながらも視認性を確保している。少し傾けて影を捉えると、セミスケルトンダイヤルを通して内部が見える。確かに大きくて重い時計だが、これをつけていると少しカッコよく感じるのは嘘ではない。オークションプレビューが行われる会場の少し暗い場所に足を踏み入れると、まるでクリスマスツリーのように夜光が光るのを見て驚いた。それはその瞬間まで見落としていたディテールであり、頭をかしげながらも思わず笑みがこぼれた。暗闇でスケルトンのグランドコンプリケーションを読みたいが、チャイムを鳴らしたくない人であれば、APはそのニーズを満たしている。

ロイヤル オーク グランド コンプリカシオンは、もはやAPのトップに君臨していない。そのタイトルはRD#4 スーパーコンプリケーションの登場によって(大きく)奪われてしまった。しかし、ロイヤル オークにはやはり何か特別な魅力がある。

この時計は万人向けではない。正直なところ、中古市場で約50万ドル(日本円で約7940万円)という“お買い得”なモデルなので、ほとんどの人にとって現実的ではないだろう。無限の予算を持ち、無意味で幻想的なもの、存在すること自体が目的のもの、すべての論理に反する時計を楽しめる人だけが、この時計の真価を理解できるのだ。そして、サイズに関係なくどんな時計でもつけこなせる手首(と体格)を持つ人も。どうやら私はその多くの条件に当てはまるようだ。ただひとつ、予算という点を除いて。

G-SHOCKは宇宙服の雰囲気を捨てて、NASAにインスパイアされた新しいブラックモデルを発表した。

宇宙探査と言えば、あるスイスのブランドが最も密接に関係しているかもしれないが、G-SHOCKはNASAからインスピレーションを得たモデルを1作、2作では止めず、現在5作目をリリースした。もし前回のモデルが少し派手すぎると感じていたなら、今回の新作がその期待に応えてくれるだろう。新しい時計、Ref.GW6900NASA241は、カシオのアイコニックな計算機と同じくらいNASAからのインスピレーションを受けている。結局のところ、宇宙へ安全に往復するには多くの計算が必要なのだ。

G-Shock NASA
このパネライ時計スーパーコピー代引き専門店のベースは、ブランドのベストセラーケースデザインであるGW6900で、セミラウンドケース(縦53.2mm×横50mm×厚さ17.7mm)とストラップは黒の樹脂製だ。ダイヤル周りの文字は、クラシックな計算機のボタンを思わせる赤、黄色、青のアクセントが施されている。またブランドのマルチバンド6 (電波時計)と200m防水機能を備えたソーラーウォッチである。さらに、ワールドタイム機能、100分の1秒ストップウォッチ、4つのアラームなども搭載されている。しかし特筆すべきは(よくあることだが)、バックライトが最も魅力的なサプライズ要素である点だ。

G-Shock NASA
バックライトのボタンを押すと、“Gravity”という文字と重力の公式である“F = (m₁m₂)/R²”が表示される。衝撃に強いケースの裏側には、衝撃力の公式をあしらっている。この限定モデル(生産数量は公表されていない)はかなりの人気が見込まれるため、抽選方式で提供される。抽選の応募は7月22日まで受け付けており、公式ウェブサイトにアクセスして事前登録と応募の手順に従ってエントリーできる。そして当選者のみが、この時計を170ドル(日本円で約2万7000円)で購入することができるのだ。

我々の考え
この新しいNASAモデルは楽しい。白を基調としたものが多く、ときにはマンネリ化することもあるが、新鮮なアプローチをとることで人気を集めている。実際、ほかのクールな選択肢としては、個人的には2022年の限定オレンジカラーモデルが一番よかったと思う。少なくとも今回のモデルは変化をもたらしている。

G-Shock NASA
この新作モデルの控えめなデザインを気に入る人もいれば、すぐに飽きる人もいるだろう。ブラックのG-SHOCKはほかにもたくさんあるので、それだけを求めているなら抽選に外れても気にすることはない。しかしもしあなたが宇宙や科学、数学が好きなら、170ドル(日本円で約2万7000円)の使い道としては悪くないため、応募してみる価値はある。さらに物理の試験が近いなら、この時計を使って覚えておくべきふたつの方程式をカンニングすることもできるかもしれない。

基本情報
ブランド: G-SHOCK
型番: GW6900NASA241

直径: 縦53.2mm×横50mm
厚さ:
ケース素材: 樹脂
文字盤: ブラック
インデックス: デジタル表示
夜光: ELパネル(エレクトロルミネッセンスパネル)
防水性能: 20気圧
ストラップ/ブレスレット: 樹脂ストラップ

G-Shock NASA
ムーブメント情報
キャリバー: クォーツ
機能: 時・分・秒表示、日付表示、ワールドタイム、100分の1秒クロノグラフ、アラーム、多機能マルチバンド6
パワーリザーブ: フル充電時からソーラー発電無しの状態での駆動時間
、機能使用の場合は約9カ月、パワーセービング状態の場合は約26カ月

価格 & 発売時期
価格: 170ドル(日本円で約2万7000円)
発売時期: G-SHOCK公式ウェブサイトにて7月22日まで抽選応募受付中
限定: あり、ただし生産総数は不明

世界の高級時計市場で次なるビッグネームを目指す。

2021年、スイスを拠点にした新たなブランドが、高度なコンプリケーションを専門とするメーカーとして誕生した。それと同時に、ブランド初のリリースとしては記憶にある限り最高クラスの価格帯にも達した。そのブランドこそヴァンガード(Vanguart)であり、時計はブラックホール トゥールビヨン、価格はプラチナまたはゴールドのケースで32万スイスフラン(日本円で約5400万円)である。もし私と同じように、この価格に思わず驚いて目を背けスルーしたなら、それは少しもったいなかったかもしれない。たとえ8桁の価格帯の時計を買う予定がなくても、これはチェックしておく価値がある時計だ。

ヴァンガードは、2017年に4人の創業者によってスタートした。スーパーコピー時計 Nランク代金引換つい最近、そのうちのふたりであるCEOのアクセル・ロイエンベルガー(Axel Leuenberger)氏と会長のメフメト・コルチュルク(Mehmet Korutürk)氏に話を聞く機会があり、ブランド誕生の背景や、自分が見逃していたことを知ることができた。

ロイエンベルガー氏はAPRP(オーデマ ピゲ・ルノー・エ・パピ)でジュリオ・パピ(Giulio Papi)氏のもとで経験を積み、技術開発を担当。一方のコルチュルク氏は金融畑出身で、以前はF1チームを所有するプライベート・エクイティ会社(未公開企業への投資を行う会社)に勤めていたという異色の経歴を持つ。さらに、クリエイティブディレクターのティエリー・フィッシャー(Thierry Fisher)氏と、APRPで15年、ジラール・ペルゴで6年のキャリアを持つCTOのジェレミー・フレルショー(Jeremy Frelechox)氏が創業メンバーに加わった。そんなヴァンガードも設立から8年が経ち、今では15名のチームに成長。組み立て、仕上げ、デザインを担うスタッフがそろい、本格的にブランドとしての基盤を築いている。

ブラックホール トゥールビヨンは直径43mm、厚さ15mmと存在感のある時計だが、技術的な革新は内部ではなく、むしろ外観にある。このモデルはムーブメントとケースが一体化した設計になっており、フォルムはどこかUFOのような印象だ。特に目を引くのが、時・分・秒を表示する三重の同心円が立体的に配置されている点である。ダイヤルは中央に向かって傾斜し、その中心付近には1分間で1回転するフライングトゥールビヨンが浮かぶようにセットされている。このトゥールビヨンはダイヤルの中心から少しずれた位置にあり、まるで名前の由来であるブラックホールが重力で空間を歪ませているかのような視覚効果を生み出している。

ヴァンガードの第2作目となるオーブはデザインも価格もやや抑えめ…とはいえ、それもあくまでブラックホール トゥールビヨンと比べればの話だ。チタンケースで15万スイスフラン(日本円で約2500万円)、ローズゴールドで18万スイスフラン(日本円で約3000万円)と、依然としてかなりのハイエンドモデルであることに変わりはない。だが価格だけで判断するのはもったいない。この新モデルには、じっくりと味わうべき魅力が詰まっている。

我々がなぜ気に入ったのか
昨年あたりから新ブランド、ヴァンガードの投稿をちらほら見かけるようになったのだが、正直なところ、最初はちょっと疑いの目で見ていた。この価格帯となるとどうしても警戒心が働くものだ。実際、市場には他ブランドのデザインコードを借りたり、見た目の派手さだけで本質が伴わない時計を高額で売るブランドも少なくない。そうした時計を、価値を見極めるのが難しい人々に向けて売り込むケースもある。正直なところ、こうした時計の魅力を説明され続けることに、少し疲れてしまっていた。だからこそヴァンガードをほかのそういったブランドとひと括りにしてしまい、深く掘り下げなかったのは自分のミスだったと、今になって思う。

Watches & Wonders 2024での朝食の席で、元オーデマ ピゲのコンプリケーション部門責任者であるマイケル・フリードマン(Michael Friedman)氏が、ヴァンガードは本物だとベン(・クライマー)と私に言った。その後、小売店Material Goodのウォッチ部門責任者のヨニ・ベン・イェフダ(Yoni Ben-Yehuda)氏が、オーデマ ピゲ、リシャール・ミル、H.モーザー、ビバーと並べてヴァンガードの時計を取り扱い始めた。これをきっかけに“きちんと向き合うべき時計なのかもしれない”と思うようになった。実際にオーブを見てみて、予想以上に素晴らしかったというのが率直な感想だ。

ヴァンガード オーブは細部にこそ真価が宿る時計だ。パッと見た印象ではリシャール・ミルとロイヤル オーク コンセプトを融合させたようにも見えるが、それはそれで納得できる話だ。偉大な時計やブランドからインスピレーションを得ること自体、決して悪いことではない。実際、ロイヤル オーク コンセプトは個人的にもお気に入りの時計であり、手首のサイズ的に無理なくつけこなせる数少ないモデルのひとつだ。そしてこのふたつのモデルの存在を語る上で欠かせないのがAPRPだ。ロイエンベルガー氏やCTOのジェレミー・フレルショー氏が技術を磨いた場所でもあり、彼らのバックグラウンドを考えればヴァンガードのデザインにこれらの影響が見られるのも頷ける。ただヴァンガード オーブは、装着感と仕上げに特にこだわっているのが特徴だ。

オーブを手に取ってまず感じるのは、緩やかにカーブしたケースが手首に驚くほど自然にフィットすることだ。直径41mm、厚さ10.5mmとサイズのバランスも申し分なく、スタイリッシュで未来的なフォルムが快適なつけ心地を実現している。さらにじっくりと細部を見ていくほどに、細やかな工夫が随所に施されていることがわかる。

地板とブリッジにはグレード5チタンが採用され、サンドブラスト仕上げの表面には手作業によるサテン仕上げとハイポリッシュの面取りをあしらっている。このスケルトンムーブメントの仕上がりは見事で、時計内部を覗き込めるほどのオープンワークがありつつも、必要以上に見せすぎない絶妙なバランスが取られている(もし自分の青白い肌が映り込むのが苦手なら、その点も心配無用。まあ、それは自分だけの話かもしれないが)

ヴァンガードのロゴはブリッジにもしっかりと刻まれている。しかし、視線を少し引いてダイヤル全体を眺めると、見返しに浮かぶ2mmのブリリアントカットダイヤモンドが目に入る。このダイヤモンドは単なる装飾ではなく、ムーブメントを囲むペリフェラルローターのカウンターウェイトとして機能している。さらにもう1歩引いて観察すると、リューズにプッシャー機能が組み込まれていることにも気づく。

この仕組みにより、リューズを引くことなく時刻設定、ローターの作動(時計を動かすとダイヤモンドがダイヤル上を回転する)、ローターの固定という3つのポジションを切り替えられるようになっている。このデザインは一部のAP ロイヤル オーク コンセプトモデルに採用されているプッシャーとよく似た構造となっている。

最後に、装着感をさらに高めているのが、簡単に使えるクイックチェンジ式ストラップシステムだ。チタンモデルにはブラックストラップ、RGモデルにはホワイトストラップが付属し、簡単に交換できる仕様になっている。

次に来るもの
今年、ヴァンガードはスタッフを20名規模に拡大し、全チームをひとつの拠点に集約する計画を進めている。さらに自社の時計づくりに取り組むだけでなく、ルノー・エ・パピがかつてそうであったように、ほかのブランドの依頼にも応じ、技術提供を行っている。

15万スイスフラン(日本円で約2500万円)という価格帯には、多くの素晴らしい時計がひしめき合っているが、ヴァンガードのチームや米国の小売店Material Goodによれば、需要が高くて生産量が限られているため、最初の顧客を慎重に選んでいるという。オメガ コピーオーブの年間生産本数は最大40本程度に抑えられ、ヴァンガードはあくまでも着実な成長を目指している。

とはいえ、ヴァンガードにまったく話題性がないわけではない。Material Goodのヨニ・ベン・イェフダ氏はアスリートやセレブリティとのつながりに長けているため、近いうちにヴァンガードの時計が著名人の手首に登場することも十分に考えられる。もちろん、その一方で“普通の人々”(少なくとも15万スイスフランを自由に使える人々)のための本数も、しっかり確保されているはずだ。

コミュニティが提案するあらゆるデザインの挑戦に応じる。

彼らが成し遂げたことを考えると、ファーラン・マリがまだわずか4年の歴史しか持たないというのは信じがたい。

GPHGでの受賞、Only Watchのために製作した世界最もシンプルなパーペチュアルカレンダー、さらに3つの異なるコレクションと価格帯で展開される十数種類のクリエイティブなリリースなど...ブランドには称賛すべき点が多くある。

しかし彼ら自身も認めるように、ウブロ スーパーコピーコミュニティの存在なしにはここまで来ることはできなかった。だからこそチームはコミュニティ・デザイン・ラボ(Community Design Lab)を立ち上げ、2026年に発表する新作の方向性を決めるために、ファンの意見を取り入れることにしたのだ。

ファーラン・マリの共同創業者、アンドレア・ファーラン(Andrea Furlan)氏とハマド・アル・マリ(Hamad Al Marri)氏

アイデアはシンプルだ。誰でも専用のリンクからアクセスし、ケース形状やサイズ、素材、インデックス、カラー、コンプリケーションに至るまで、自分の好みのデザイン要素に投票できる。2025年中、ブランドは複数回の投票ラウンドを実施し、選択肢を絞り込んでいく。

各投票ラウンドの終了後、参加者のなかから5名が選ばれ、ファーラン・マリのギフトやアクセサリーが贈られる。また彼らの成長を支えてきたコミュニティへの感謝として、Kickstarter時代からブランドを支えてくれたファンへの特典として、投票に参加したすべての人に、2026年に製作される最終モデルの購入時に適用できるディスカウントが提供される。

同様のアイデアを採用し、実際に製品化までこぎつけたブランドはいくつかあるが、その多くは完成してから初めて知ることがほとんどだった。しかしファーラン・マリの大ファンである自分にとって、今回のプロジェクトは見逃せなかった。ただ単に自分の好みに投票して、選択肢を自分に有利に操作するだけでなく、この機会をみんなにも共有したいと思ったのだ。もし35mmのタンタル製トノーケースにブレゲ数字をあしらったドレスウォッチが欲しいなら、今すぐ投票できる。ゴールドケースのディスコ・ヴォランテが欲しいならそれも選択肢にある。数十ものカテゴリーとオプションが用意されているこのプロジェクトが、最終的にどんなデザインにたどり着くのか本当に楽しみだ。

ジュネーブに行くたびにアンドレア・ファーラン氏と会う機会を作ろうとするのだが、彼はいつも寛大にブランド進行中のプロジェクトを見せてくれる。そのアイデアはどれもエキサイティングで創造性にあふれており、正直なところチームだけで進めたほうがグループプロジェクトよりも優れたものが生まれるのではないかと疑ってしまうほどだ。よく言われるように、“ラクダとは、委員会がデザインした馬である(多くの人が関わると元々のアイデアが複雑化してしまう)”、もしくは、それはポンティアック・アズテック(Pontiac Aztec、史上最もダサい車種のひとつとして有名になったクルマ)のことかもしれない。しかし、それは少し不公平かもしれない。というのもファーラン・マリの急成長を支えたのは、まさに初期のコミュニティのサポートだったのだから。ブランドのローンチからわずか6カ月でGPHGを受賞するという快挙は、その支えがあったからこそ実現したのだ。

Furlan Marri Chronograph
ファーラン・マリ最初の機械式クロノグラフは、ある意味で今回のプロジェクトのようなものだ。本作においては、アウロ・モンタナーリ(Auro Montanari)氏やRevolutionの意見を取り入れてつくられた。

「私たちはKickstarterからスタートし、今ここまで来られたのはコミュニティのおかげです」とアンドレア・ファーラン氏は語る。「私たちのコアな顧客層を代表する、多くの人々の意見を反映させたいと考えています。そのため、フィードバックを通じて顧客(そして市場)が求めるものを形にし、将来のプロジェクトを構築していきたいのです。アメリカ人、中東の人々、ヨーロッパの人々、その他の地域の人々がそれぞれ何を求めているのかを知るのはきわめて興味深いことであり、今後のブランドの方向性を決める上でも役立つでしょう。現在のところ投票者の大半はアメリカ人ですが、それによってアメリカ市場について多くの知見を得ることができました」

「将来的には3Dプリンターでケースを作成したり、ダイヤルやインデックスのデザインを実際の形として見せることで、人々がリアルなデザインを確認できるようにし、フィードバックを得たいと考えています。過去には採用したいと思ったカラーがあったものの、コミュニティの意見は異なっていたこともありました。すでにケースの形状などについては、予想外の結果が出てきています」

Furlan Marri Community Project
チームによると、初期の投票結果を見る限りコミュニティは38mmから39mmのクラシックなスタイルを好む傾向にあるようだ(実は自分もそのサイズに投票した)。カテゴリーによっては、いくつかの選択肢を選ぶことも可能で、今年を通じてコミュニティがどの方向に向かうのかを見守ることになる。そして最終結果が出たら、間違いなく最初に報じるひとりになるつもりだ。

コミュニティ・デザイン・ラボで投票したい場合は、ファーラン・マリの投票ページを訪れて欲しい。さらに彼らの製品について詳しく知りたい場合は公式サイトをチェック。

www.jpan007.com業界のプロが手放せない、思い入れのある腕時計

当たり前だが僕たち編集部だけで作り上げているものではない。時計業界に精通したジャーナリストやフォトグラファー、スタイリストとさまざまな人々の力を借りてひとつの記事に仕上げている。業界で何年もかけて培われてきた彼らの深い知見、技術に支えられ、僕たちは腕時計にまつわる深淵なストーリーを美しい写真とともにみなさんの元へ届けることができるのだ。

そして彼らもまた、それぞれの視点や価値観で編纂した独自の時計コレクションを所有している。時計業界と密接に関わる彼らだけにそのコレクションも移り変わっていくが、そんななかにも、時計そのものの価値を超えて手放せない、お気に入りの1本というものが存在する。今回はHODINKEEでも活躍している5人のプロに、特に思い入れのある時計について聞いた。

ダービー&シャルデンブラン インデックスモビーレ/スーパーコピー時計 Nランク代金引換高木教雄さん(ジャーナリスト)

「そもそも前提として時計を手放したことは一度もありません」と語るのは、1992年からフリーランスで活躍されているジャーナリストの高木教雄さんだ。時計のみならず建築からライフスタイルプロダクトまで幅広い分野に深い造詣を持ち、毎年スイスで開催される発表会や工房取材にも積極的に参加する彼への業界の信頼は厚い。

 そんな高木さんが“手放せない時計”というテーマで選んだのは、あまり知られてこそいないがツウ好みのダービー&シャルデンブラン インデックスモビーレだ。「手に入れるきっかけとなったのは、10年以上前に浅岡肇さんから送られてきたメール。『高木さん、これ好きそう』と添付されていたヴィンテージ時計のECサイトJoseph Watches.comのリンクに飛んだ先で、機構とデザインにひと目惚れし、ニュー・オールド・ストック(新古品)であったことにも魅かれて即決しました。2023年にミラノで行われたオーデマ ピゲの新作発表会につけていったところ、ジュリオ・パピさんから『ちょっと見せて』といわれ、『機構もラグのデザインも、面白いね』と褒めていただいた。日本の天才時計師に勧められ、スイスの天才時計師に褒められたのだから、手放すわけにはいきません」


アップで見ると、3時、9時位置の一段くぼんだ積算計や、丁寧な造形の曲げ針に気が付く。


 写真を見ると、ダイヤルの中央にコイルスプリングが設置されているのがわかると思う。これはブランドの創業者であるジョージ・ダービーが考案した簡易スプリットセコンド機構である“モノラトラパンテ”を動作させるためのパーツで、リューズの先端にあるプッシャーを押すことでクロノグラフ針と重なったスプリット針が停止し、中間タイムが計測できるようになっている。撮影のために年末年始にかけてお借りしていたので、僕もこの機構を試してみた。3時位置のプッシャーを押しているあいだスプリット針が停止し、中央のコイルが緩んでいく。計測終了後にプッシャーから指を離すと、コイルが元に戻る力でスプリット針がクロノグラフ針に追いつく仕組みだ。その独創的なルックスと、複雑機構のひとつに数えられるスプリットセコンドを簡易的に実現した技術面において、一部の愛好家から高い評価を受けている。2025年の明けに時計をお返ししたとき、高木さんは時計を裏返してムーブメントを見せてくれた。「ムーブメントはランデロン製です。華美な装飾はありませんが、そこがいいんです」

ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.116509 メテオライト/前田 晃さん(フォトグラファー)

 撮影のために訪れた事務所で前田 晃さんが取り出したのは、かなり年季が入って見えるロレックスのデイトナ 、そのなかでも特に希少なメテオライトダイヤルのものだった。デイトナからは2021年にもパンダダイヤルのメテオライトモデルがリリースされているが、前田さん所有のこちらはサブダイヤルにまで贅沢にメテオライトを使用した廃盤品となる。ホワイトのダイヤルに対し、4本の赤い針がいいアクセントとなっている。「当時からデイトナは男子にとって憧れのアイテムでした。デイトナはこれまでに何本か手に入れましたが、これはかれこれ18年くらい持っていますね。ちなみに、ホワイトゴールドに引かれて購入した時計がたまたまメテオライトだった、という感じです」と語る前田さんがフォトグラファーとして独立したのが今から27年前のこと。そのキャリアの大半を、この時計はともに過ごしてきたことになる。共に過ごして来た時間を示すように、表面には細かな傷が数多く見られる。「モノは使ってこそ。傷はまったく気にしていませんね」


ベゼルやブレスには細かな傷が見られる。18年という時間の長さを思わせる。


この日、前田さんに見せていただいたのはこのデイトナを含めて3本。いずれもコレクションのなかでも比較的長く所有しているモデルだという。バケットダイヤインデックスのパネライ(世界限定90本)など、希少な個体が並ぶ。

 前田さんには普段からよく撮影をお願いしており、打ち合わせの際にはどちらかというとパテック フィリップのゴールデンエリプスなどもっと小振りなドレスウォッチをつけている印象が強かった。そのためこのデイトナが出てきたときには少し意外に感じたが、「基本は売っては買っての繰り返しです。でも、これだけは飽きがこなくて唯一売らずに今でもよくつけています」と前田さんは話してくれた。「購入時、親に見せたらこれは手放さないほうがいいと言われことを覚えています。加えて、なんというか相性がいいんですよね。一生ものって感じです」

ウブロ ビック・バン オールブラック/石川英治さん(スタイリスト)
 この企画についての相談をメールで送った夜、HODINKEE Japanの5周年イベントで顔を合わせた石川英治さんは早速「これですよ」と僕に時計を見せてくれた。石川さんは雑誌から広告、芸能まで幅広い分野で活躍する、各種メディアから引く手数多の人気スタイリスト。HODINKEEでも時計のスタイリングを中心に、多くのクリエイティブをてがけてもらっている。そんな石川さんがその日身につけていたのが、ウブロ ビッグ・バンのオールブラックモデルだ。このモデルの発売は2006年。ビッグ・バンの登場が2005年であったことを考えると、比較的初期のものとなる。「当時、このようなコンセプトの塊のような時計をほかで目にすることはありませんでした。ラグジュアリーでありながら時計としての機能は本格的。一方でデイト表示すらブラックアウトしたアクセサリーのような見た目が、オールブラックに美学を持っていた自分のファッションともマッチしていると思ったんです」。オールブラックモデルのリリースを見た石川さんは、すぐさま日本の担当者に連絡。熱い思いをメールで伝え、購入に至ったという。「購入は2007年の10月24日でしたね」と、購入日まで明確に覚えているほど、その思いは強かったのだろう。


イベント会場にて撮影。この日もブラックを基調としたスタイリッシュなパーティスタイルのなか、ビッグ・バンは静かな存在感を放っていた。

「この時計は38mm径ですが、同じタイミングで44mm径も発売されていました。そちらは世界250本限定で、38mmは160本だったかな。38mmモデルの日本への入荷は4〜5本程度だったと当時聞きました。激戦を勝ち抜いて無事手にしたビッグ・バン オールブラック。もう購入から18年が経つ現在でも、石川さんといえばこの時計を思い出すほどよく身につけている印象だ。ちなみに、こんな話も挙がってきた。「2010年のFIFAワールドカップ南アフリカ大会ではウブロがオフィシャルタイムキーパーを務めていて、とても感激した記憶があります。選手交代時やロスタイム、その瞬間に表示された“HUBLOT”のロゴは、今でも目に焼き付いています」。時計を所有することで、そのブランドに紐づいたカルチャーや出来事をより強く意識する。これはそんな楽しい副次効果を示す一例かもしれない。

カルティエ タンク バスキュラント 90年代/仲唐英俊さん(スタイリスト)

 仲唐英俊さんは前述の石川英治さんに師事したのち、2019年に独立。現在ではスタイリストとして、雑誌からブランドのカタログ、広告まで幅広く活躍している。彼の仕事を載せたInstagramからもわかるようにその軸はメンズファッションにあるが、時計のスタイリングに多く携わってきた師匠の元で学んできたこともあり、仲唐さんは現在HODINKEE Japanをはじめとするいくつかの媒体で腕時計の撮影もディレクションしている。「独立後、自分も時計のスタイリングにもこだわっていきたいと思ったんです」と語る仲唐さんの手首には、いくつかのシルバージュエリーに溶け込むように小振りなタンク バスキュラントがはめられていた。

 約5年間のアシスタント時代にはほぼ毎日高級時計に触れる生活をしていたという仲唐さん。そのなかで、彼好みの古着のスタイリングにもクラシックなスーツスタイルにもマッチするカルティエに強い憧れを持っていたのだという。タンク バスキュラントを選んだのは、2018年ごろに六本木で開催されていたカルティエのイベントで目にしたことがきっかけだった。「カルティエにもこんなユニークな時計があるんだ、珍しいな、と思っていた矢先に、リース先の時計店でバスキュラントを見つけたんです。これは運命だと思いながらまだまだ当時はお金がなかったので……、3回ほど見に行き、師匠から誕生日プレゼントとしてもらったお金を頭金に48回払いで購入しました」


 昔からひと味違うアイテムを好む傾向にあったため、あまり人と被ることがないというのもタンク バスキュラント購入の決め手となった。独立後、時計の撮影では基本的にこのモデルを身につけているという。「お仕事をご一緒するブランドさんへの配慮から、時計の現場では時計をしない人もいますね。しかし僕はあくまで、時計はブレスレットやリングなどアクセサリーの一部として身につけていてテンションが上がるものだと考えています」。そのため現場にはつけて行くものの、カルティエ以外の撮影では文字盤を回転させてブランドロゴを隠す。「これが僕なりの配慮です」と、仲唐さんは実際に文字盤を反転して見せてくれた。

 なおこの時計は、独立にあたっての所信表明を込めたものでもあるという。このバスキュラント以降、レディスや小振りなヴィンテージカルティエをいくつか手に入れてきたという仲唐さんだが、「今後もこの1本だけは手放すことはないでしょうね」と語ってくれた。

ジャガー・ルクルト アトモス・トランスパラント/篠田哲生さん(時計ジャーナリスト)

Photo by Shinoda Tetsuo

 篠田さんから届いたアトモス・トランスパラントの写真を見て、思わず息を呑んだ。長野にあるという、篠田さんのアトリエ。その窓辺に置かれたアトモスは遠く夕焼けの山岳を透過し、澄んだ空気を背景に静かに時を刻んでいる。ジャン=レオン・ルターによって産み落とされた1928年以来、アトモスはアール・デコ様式のエレガントな置き時計として多くの時計人に愛されてきた。過去には日本の伝統工芸をその表面に施したものやゴールドプレートで全体を覆った豪奢なものもあったようだが、2019年のSIHHでより現代的な邸宅にも似合う全面サファイアクリスタルのアトモス・トランスパラントが登場。篠田さんは会場でこの置き時計が飾られているさまを見て、いつか買おうと心に決めていたという。


バーインデックスのデザインも、外装に合わせたモダンなものとなっている。なお、分針を指で時計回りに回転することで時刻調整を行う。Photo by Shinoda Tetsuo


文字盤の裏にあるカプセルが外気によって収縮することで動作する、ロレックス スーパーコピー100年近く変わらない仕組み。わずか1度の温度変化で約2日間の動力が確保できるという。アトモスが半永久機関と呼ばれる所以だ。Photo by Shinoda Tetsuo

それから2年が経った2021年、コロナ禍が訪れて自宅にこもる時間が増えてきたことで、購入意欲に火がついた。ゆっくりと振り子が動き、駆動する様子を隅々まで見られるのはトランスパラントならではの恩恵だ。「眺めていて飽きることはありませんね」と篠田さんは語る。「ご存じだと思いますが、アトモスは温度変化によるガスの収縮を利用してゼンマイを巻き上げる時計です。しかし温度変化にやや弱く、アトリエの環境ではなかなか精度が安定しないのが玉に瑕ではあります。ですが、正確な時間を知るために選んだものではないので問題ありません」。そもそも現代においては置き時計を買うということ自体が少し特別であり、しかもそれが100年近い歴史を持つ傑作・アトモスであるなら、経験そのものが稀有で貴重なものとなる。ちなみに購入当時、篠田さんはその経験を独り占めするのはもったいないと、いくつかの時計専門誌にてその顛末を記事にしている。

購入からしばらくは東京にある自室に鎮座していたが、現在では新しく構えた長野のアトリエに移動されている。「友人や知人が訪問した際にはアトモスが話題のきっかけとなり、最高のコミュニケーションツールとして機能してくれます。この時計にはアトリエのシンボルとして、これからの時間を刻んでいって欲しいですね」

イエマから新作「ネイビーグラフマリーンナショナルGMT」先行販売開始~

フランス腕時計ブランドイエマから新作ネイビーグラフマリーンナショナルGMT先行販売開始

新しく発売するネイビーグラフ・マリーンナショナル GMTはフランス海軍との共同開発により誕生した軍用のツールウオッチです。

ネイビーグラフマリーンナショナルGMT
フランス海軍の軍人にとって時間という概念は、重大な意味を持っています。特に異なるタイムゾーンをまたいで任務を遂行する際にはその重要性は想像の域を遥かに超えるものです。明確な目的のためにデザインされた新しいネイビーグラフ・マリーンナショナル GMTはフランス海軍との共同開発により誕生した軍用のツールウオッチです。


ダイアル
ダイアルは1970年代のネイビーグラフIIにインスパイアされてデザインされました。針とマッチしたポリッシュスティールで縁取られ盛り上がったインデックスがダイアルにさらに奥行きを与えています。ネイビーブルーダイアルにホワイトのインデックスと針のコントラストが映えて如何なる視界状況下においても高い視認性を発揮します。

スイープ運針とGMT針、ボッテガヴェネタスーパーコピー 代引きネイビーグラフのロゴは黄色でハイライトされています。6時位置にはフランス海軍オフィシャルウォッチである証にマリーンナショナルの文字が印字されています。


新しいケースサイズ
この新しい38.5mmのケースは、縦方向のブラッシングと斜めに面取られたラグに異なる仕上げが施されています。厚さが12mmに抑えられているため、この新しいネイビーグラフはネオビンテージの時計愛好家にとって理想的なサイズです。

風防
ネイビーグラフ・マリーンナショナルGMTは厚さ2.50mmのダブルドーム型サファイアクリスタルを搭載していて、風格あるヴィンテージルックを演出しつつ高い視認性とより強固な堅牢性を実現します。


【概要】
ネイビーグラフマリーンナショナルGMT
型番 : YNAV23MN-AMS
ケース径 : 39mm
ベルト: ステンレススティールブレスレット、NATOベルト


またはラバーベルト

風防 : サファイアドームクリスタル
防水: 100m
定価 : ¥194,700(税込)
ムーブメント : YEMA3000 自動巻ムーブメント
初期300本のみシリアルナンバー付き
購入後2年保証
※予約商品のため2023年6月末から7月初旬にかけて発送予定

購入店舗:「チャップマンウォッチストア」by Yema Japan
https://chapman.jp


日本正規販売店
下記イエマジャパン公式サイトSHOPページからご確認、お問い合わせください。
https://yema.co.jp


【お問い合わせ】
イエマジャパン株式会社
TEL : 03-5875-8810
E-MAIL : info@yema.co.jp
https://yema.co.jp


[YEMA(イエマ)]
YEMA(イエマ)はスイス国境に近いフランスのジュラ地方で1948年に創設された時計ブランドです。60年代に当時としては驚異的なスペックである300m防水のダイバーズウオッチ“スーパーマン”、レガッタタイムを搭載した200m防水のクロノグラフ“ヨッティングラフ”など、ブランドアイコンとなるモデルを次々とリリースし、スポーツウオッチの分野でフランスを代表するブランドとなりました。

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