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番外編:グラスのシューズ

ファイル 13-1.jpg Grass のドレスシューズ。1978年モデル。
 グラスっていうフレーズ、懐かしいですねぇ。
 知っている人は、知っている。

 その昔、学生時代にMen's BIGIやBatsu、Grass、など
 デザイナーズの「ショップ物」が流行っていたんですが、
 赤茶色が好きになったのは、その頃からだろうか。
ファイル 13-2.jpg
 昔のショップは、今と違って手抜きがない物作りを
 目指していた時期があると思う。
 70年代後半~80年代、販売数や価格に囚われない
 本当の価値を求めていたデザイナーの意気込みや、
 生き甲斐みたいなものを、作品に感じる時代だった
 気がする。
 このシューズも例外ではなく、デザインにしても妥協
 なく作品化され、最高級の素材に念入りな作り込みが
 うかがえる一品ではないかと思う。

 シューズの製法は、RW-8875で説明したグッドイヤー
 ウェルト製法。
 光沢がある赤茶色のアッパーに、ナチュラルミッド、
 ホワイトのウェルトが特徴。
 アウトソールは当時流行だったレンガ色のソールが
 付けられています。

コバがホワイトなので「目立つ」と思われがちですが、落ち着いた印象の靴です。
今は、現役を引退させており、たまに参加する会社のボーリング大会などにレーンシューズとして使用しています。

予備の購入は必要か

ファイル 12-1.jpg予備に購入したRW-8875 1998年モデル。

未使用の犬タグモデルは、最近めっきり数が減ってきたように思います。しかし、いい赤色してますよねぇ。

マニアはみんな予備を購入して、保管用としてどこかに秘密で取ってあるのかもしれませんねぇ。
そう言う私も、将来、履くため?に予備を購入。
※但し、私は収集マニアではありませんので・・・念のため。


う~ん、嫁に言えない「宝の持ち腐れ」は何個目か・・・。

いったい、いつ履くことになるのかを考えだすと、きりがないかも・・・。(T_T)/~~~



ファイル 12-2.jpgファイル 12-3.jpg

モカ、ベロとソングホールの関係

モカの仕様変更?があったのか。←私の勘違いか。
まだ、誰もはっきりと気づいて発言している人はないと思いますが、U字型のモカ部分が2000年頃以降で仕様変更されているようです。モデルにもよるのかも知れませんが、最近のRW-875やRW-8875をショップの店頭で見る限り、中央のモデルに近い形状をしています。
最近の傾向として、アメリカではインソール(中敷)を入れるのが普通になりつつもあるので、仕様変更はその影響なのかも知れません。前は無かったのに、インソール付きモデルがでています。
写真左の濃い色のモデルは2000年のRW-2880、中央は2003年のRW-875、右側が1996年のRW-8875ですが、明らかに中央のモカ部分のアッパー革の面積が小さくなり、代わりに高さが増したようです。当然、先端の容積が大きくなっていますし、私の場合、サイズ換算で考えて感覚的には約0.5サイズは変わったような印象です。レッドウイングの純正のインソール(厚中敷)を入れて、ほぼ同サイズに感じます。しかし内寸が長くなった訳ではなさそうなので、その辺は十分に注意が必要です。今後の調査課題かもです。ファイル 11-1.jpg ファイル 11-2.jpg

ファイル 11-3.jpgベロとソングホールの関係。←RW-2880だけ特別なの?
日本に入ってきているモデル右2種類と、左のアメリカ限定モデルで比較すると、ベロの切れ込みが穴2つ分違うのが見て取れます。
もともとくるぶしの近くまで、ベロの縫い付けが深くあると、履いたり脱いだりの作業が紐を十分に緩めないと、しにくい状況となりますが、RW-2880の場合だと、切れ込みが穴4つまであるので、作業がとても容易です。
US現地モデルで、どれだけの種類のモデルがこの仕様なのかわかりませんが、モデルによってベロの切れ込み位置の違うものがある事だけは事実です。

エンジニアブーツ RW-2268

RW-2268 PT91モデル 1998年モデル
ファイル 10-1.jpgエンジニアブーツといえばレッドウィングが元祖といわれるほど有名。レッドウイングの中でも大変人気のあるモデル。
元々は、その名前の通りエンジニア(技術者)向けの安全靴として作られたもので、シューレースが無く、重い物が落ちたりした時でも足を保護するようにSteal toe Capと呼ばれる鉄製のカバーが入っている。だから大変に丈夫。 ファイル 10-2.jpg
バイカースにも人気があり、ハーレーなどの大型のアメリカンタイプのユーザーが履いているのをよく見ます。そんなエンジニアブーツの最大特徴ですが、馴染むまでの履き慣らしに「儀式」が必要です。これについては、出血覚悟の苦労話が後を絶ちません。
毎日少しずつ履いて、早くて1~2ヶ月、馴染むまで半年以上かかった事などは、よくある話です。
私も経験しましたが、履くときのくるぶし部分の狭さ、甲部分の圧迫、折れ曲がり部分の硬い皮による足表面のスレ、etc。忍耐と努力が必要です。
エンジニアブーツは脱ぎ履きが大変だといわれますが、これを改善するためなのか2006年秋にデザイン変更になりました。それまでは、とても履きにくかったので、かかと部分を踏み潰してしまうユーザーも多く、かかと部分のシワの有無が美品かどうかの判定の一つにもなっていました。
現行品はベルトの取り付け位置や諸々が変更になったのですが、デザインに関して言えばかっこ悪くなったとの意見も多い。同感。
革に関して言えば、古いモデルの方が、おおむね厚い革を使っているといえますが、ただ個体ごとの個性があるようです。また、現行モデルの方は、革は薄いんだけど個体でのばらつきが少ないと思います。個人的な意見ですが、技術も進歩している現在の新モデルの方が履き易いだろうし、全てに安心なので、初心者には向いていると思います。

よく、古いモデルが人気なのは革が厚いから「味?」が出やすいからだと言われますが、個体ごとのちがいにはよほど注意が必要。特にPT83で、表面の下のベースの革が茶色のものに人気がありますが、ただ、もう良品の玉数が少ない。また、PT91の後半には、青みを帯びた革の物もあります。
革の表面にはしぶ目の光沢があって、アッパーの革が固めであるなど、現行のモデルとは見た目での違いがあるので、PT83やPT91のビンテージ物で掘り出し物を探すといった風潮があるのも事実。美品な物はオークションでも高値で取引きされています。

タグに記載されている「ANSI PTXX」は、「ANSI(アメリカ規格協会)がXX年に定めた安全靴のスチールキャップの規格に検査が合格した。」という意味であって製造年の表記ではありません。
ANSIのあとにつづくPTは、ProtectiveToeの意味です。
PT83は1983年~1991年、PT91は1991年~1999年、PT99は1999年~2004年に製造されたものを表しています。また、2006年からはANSIの表記からASTM(American Society for Testing and Materials)の表記となり、現在売られている商品にはPTの表示はありません。しかし、規格そのものは同じ基準らしく仕様の変更はしていないらしい。
ファイル 10-3.jpg
            ペコスとの違いが確認できるソール。


(参考)
メーカー公式サイト:http://www.redwingshoe.co.jp/ 

ペコスブーツ RW-8155

RW-8155モデル
ファイル 9-1.jpgレッドウイングでブーツと言えば、ペコスやエンジニアが思い浮かびます。
一般的によく聞く話ですが、ウェスタンブーツはカウボーイのドレスシューズであり、装飾や使用される革の種類も豊富。
対して、ペコスブーツはウェスタンスタイルのワークブーツであって「シンプル=ほんとの作業靴」なんだそうです。ファイル 9-2.jpg
ペコス(Pecos)とは、アメリカのテキサス州にある町の名前で、「ロデオ発祥の地」としても有名で、牧場や農場の多い地域です。ペコスブーツは1953年に登場して以来、人気のあるモデル。
「PECOS」はレッドウイング社の登録商標。
トゥの部分は細身で、若干きつめな印象。サイズはセッターより0.5サイズ大き目を買うといいように思います。使用している革は、独自の自社タンナリー生産の厚手の牛革製でBlack CHROME(ブラック クローム)色。革が馴染んできてサイズが大きくなってしまったらインソールする手もありますが、経験上、あまり大きくならないので心配は不要。ソールは滑りにくく減りにくいと評判の、丈夫なコルクソール。ソールパターンは写真のようにエンジニアとはだいぶ違います。

ファイル 9-3.jpgヒールが約4cmありウェスタンブーツのような雰囲気。
エンジニアと違い足入れがよく、履いたり脱いだりの作業に苦労はしません。
私はブーツを履く時、足入れをし易くするために、コンビニの袋を使います。(*^^)v
他の人はどのようにして履くのかは知りませんが、たまたま学生時代に先輩がそうやって履いているのを見て教えてもらいました。
まだ、試していない人には、是非、お勧めの方法です。

犬マーク刻印入り RW-866 and RW-875

 RW-866(ペコスローパー)とRW-875(セッター)
ファイル 8-1.jpg  96年末〜97年にかけて1年間だけ国内正規品として売られた犬マーク刻印入りの、2モデル。
 このRW-866も、ひょんな事から未使用品を入手したまではいいが「宝の持ち腐れ」となっている。こんなこと嫁には口が裂けても言えませ~ん。(T_T)/~~~ファイル 8-2.jpg
日本でレッドウイングが流行していた1996年に使用する革が突然、薄茶色にモデルチェンジされました。当時、日本では「レッドウイングは赤茶色」というイメージが強かったのですが、世界的には色が少し赤すぎるとの意見が多かったらしく、それが変更された理由のようなのですが、ただ、日本国内では赤茶色がとても売れていたので、代理店が日本向け専用の製品を依頼したらしく、以後、メーカーとしては赤茶を「オロ・ラセット」、薄茶を「オロ・イジナル」と名付けて2種類の構成で販売されることになった。
当然ながら、その時は薄茶色のモデルは売れてなかったので、国内正規品が1年間だけとなった訳で。皮肉にもその翌年以降人気がでて、犬マーク刻印無しの並行輸入品が沢山売られたのをご記憶の方も多いと思います。
Roper Boots(ローパーブーツ)は、普通のペコスブーツが11インチ丈なのに対して、9インチ丈にしてソールを変更したもの。革も柔らかで扱い易く、履き易い。
Roperの意味ですが、牧場でロープを使って牛や馬を捕らえたりする作業をする人のことをRoper(ローパー)というらしい。

   人気のある刻印 ↓ で、オークションでも高値がつくモデル。
ファイル 8-3.jpg ファイル 8-4.jpg

ファイル 8-5.jpg     97年7月のモデルということがわかる。↑
            国内正規品のワイズはE。


  ←ペコスは、内側に犬タグが付いている。

ビームス別注品が販売された RW-8873

ファイル 7-1.jpg 2001年の春夏に発売された極東アジア専売モデル。
 セレクトショップのビームスで先行販売され、即完売となり
 また、2003年に再販されて話題になった。
 ←左の写真は、2001年の初期モデル。
 小鳥の心臓の持ち主(ただの小心者)の私は、キズが心配
 で履けない。
 う~ん。「宝の持ち腐れ」とは、この事か・・・。

ファイル 7-2.jpg

このモデルで使われた、真っ白な色のホワイト・フルグレインレザーとは、革表面を塗装するような方法で色付けがなされているそうです。革に色を付ける際、一般的な染色方法だと「素材に色素を染み込ませて色をつける」方法が用いられますが、それだと元色か、それより濃い色には染色が可能でも、明るい色や、真っ白な色にはとても染色ができないらしい。
このRW-8873は、他のラウンドトゥモデルと同様、アッパー部は美しい1枚の革で作られており、真っ白な色のフルグレインレザーにラウンドトゥという組合せは、他のモデルとはまるで違う印象の一足となっています。
実際、レッドウィングは、ナイキやコンバースなどに代表される皮製スニーカーとは、本来、趣味や嗜好が違うのですが、スニーカー愛好者にもこのRW-8873のファンが少なからずあるようです。
欠点は、一度でも履くと、キズが「黒いキズ」となって目立ちやすく、美しいのはわずかな期間だけという点でしょうか。仕方のない事ですが、絶対的な製造数量が少ないこともあり、未使用品にはいまだにプレミアが付くほどです。
RW-8873のラウンドトゥタイプの正規品は横幅の狭いDワイズ。幅が狭くなる分、Eワイズモデルよりもワンサイズ(0.5cm)大きめで履くのがいいとされています。
しかしながら、このRW-8873はDワイズ表記なのに、他のラウンドトゥDワイズよりも、さらに横幅が狭いつくりの物が多く、素直な足型の方でないと、馴染むまでには相当な苦労が必要です。
その上、ホワイトフルグレインレザーは他のレザーよりも少し硬めなので要注意です。
メーカーの説明にある、「若干馴染むまで時間がかかりますが、はじめはジャストサイズ~横幅がややキツメ、くらいで合わせていただくと、履きこんでいって革が馴染んできた際でも、ちょうどいいサイズになると思います。」は、ウソではありませんが、RW-8873にこの横幅ややキツメはおすすめできません。
ファイル 7-3.jpg
2001年春夏モデルには、RW-8873(ラウンドトゥ)以外、RW-8871(モカ)も発売されているのですが、なぜか人気はラウンドトゥにあるようです。
 

サイドゴアブーツ RW-2143

レッドウイングのローカットブーツと言えば、普通、トゥーがモカのタイプで、セッタースタイルで丈が低いだけのRW-8104あたりを想像される方が多いかもしれません。
しかし、今回紹介するのはサイドゴアブーツのRW-2143です。1980年代中期頃の製品。 

ファイル 6-1.jpg多分、正規品としては国内に入っていない品番だと思います。並行輸入か、個人で旅行に行った時に現地で購入して持ってきた物が、あるくらいではないでしょうか。私の場合は後者で、ロンドンのデパートでセールの時に買いました。
確かUS60ドルくらいだったと思います。
変な話ですが、つい最近、奇跡のデッドとかで、\24,000.-でこれの売物を、ネット上で見つけました。←(@_@;)

訂正:レッドウイング公式サイトで、1995年に国内で正式販売
    した実績があることがわかりました。

ファイル 6-2.jpg品物としての感触や品質ですが、セッターと違い、大変軽くできており、スニーカーのような感覚です。
また、ソールはオイルレジストのビブラム(Vibram)ソールが接着されており、基本的にソール交換はできない仕様です。
表面のアッパー革については、通常厚の表革が使用されており、オイルメンテで光沢のある表面になるのは、セッターと同じです。
ただ、貧乏性の私に言わせるなら、軽い=チープにつながる感覚が少しあるので、仕方がありませんがセッターより格下です。
ただ、かかとの内側がその他のモデル同様、裏革でできているので、長期間使用しても磨耗に強く、表革によくあるような、革のスレを気にしなくていい安心感は、合格点がでる部分です。

かかと内側のスレは、仕事などで履く革靴でよく見かけますが、かかとの内側がスレてくると、靴そのものが「へたった感」が出て嫌なものですが、私のレッドウイングが好きな点は、こんなチョットしたところでもあります。←コダワリ部分が、ちょと細かすぎるぞっと。(^_^;)

学生時代、サイドゴアのブーツはサイドのゴム部分がすぐビロビロに伸びるんじゃないかと思い、はっきり言って嫌いでした。
しかし、案外、丈夫な作りとなっていて、何年も履けば別ですが、普通の履き方では心配しなくていいレベルなのは、実際に購入してから判った事です。

サイドゴアブーツの場合、最近の現行モデルでは、CHELSEA RANCHER(RW-8896~8898)シリーズがあります。これらのシリーズは、丈が6インチでセッター同様の高さがあります。
サイドゴアブーツそのものは乗馬用のブーツがルーツなのですが、ロンドンのチェルシーで流行った為に、「チェルシー」の名前がついたと言われています。
サイドゴアブーツは、きっと他社メーカーの製品でも、そのスタイルに見覚えのある方も多いでしょうが、高級品のダンヒルやフローシャム、チャーチなどの高級品でもよく見かけるようなポピュラーなブーツスタイルです。
レッドウイングの公式サイトの解説によると、もともと、牧畜業者(ランチャー)がこのブーツを好んで使ったらしいのですが、中でも牧羊業者が羊の毛を刈る時に靴の中に毛が入らないので重宝していたようです。ただ、全米で最も羊の多いテキサス州でも牧羊業が廃れてしまい、1940年当時の1/10になってしまっているそうです。しかし、まだ欧州やオーストラリアでは牧羊が盛んでもあり、この手のブーツが広く利用されているとの事でした。

(参考)メーカー公式サイト:http://www.redwingshoe.co.jp/ 

赤茶色のセッター RW-8875

ファイル 5-1.jpgお気に入りのセッター RW-8875
オーセンティックブラウンと呼ばれる薄茶色の革を、赤系色の強いオロ・ラセット革にかえて作成した、日本向け専用の別注モデル。
アイリッシュセッターといえば、この赤茶色のモカセッターがすごく流行ったので、思い浮かぶ人が多いと思います。
写真のセッターは1996年の犬タグRW-8875。
モカ、Mocトゥ、Uチップ等と呼ばれる、つま先がボックスの形状になったU字型のステッチが特徴のモデル。

もともとはハンティングブーツから派生したもので、足の指部分にゆとりがあり、履き心地がとてもいい。RW-8875のアッパー革はRW-875などのものと違い柔らかく、足に馴染む時間がほとんどかからず、最初から非常に快適な履きこごちです。
また「レッドウィングのソールはもともとハンティング用のソールで、ぬかるみなどでも高いグリップ力があります。」とメーカーや販売店で紹介されていますが、雪の上や氷の上、濡れた駅の大理石のような所は、はっきり言って滑ります。
私はそもそもウンチクに弱いので、意味も無くこの「ハンティング用」というフレーズに妙に引かれた覚えがあります。厚みがあるので、ついつい裏面の凹凸がなくなっている事に気づかないで履いていると、突然滑ります。要注意。
それでもこのセッターのいいところは、ソールが軽量な上にクッション性があり、一度でも履いてしまうとスニーカーとは異なるフィット感があり、その履き心地でファンになることは、マチガイありません。
インソール(中敷)ですが、私の場合はインソール(中敷)を入れています。インソールをするかしないかの論議もありますが、私はソール内側の感触がソフトなのが好き(硬いのは疲れるから嫌い)なので、フエルト状のソール(約4ミリ厚)を入れています。
ちなみにダイソーで購入したものが、今までで値段も感触も一番良いです。(当然\100.-)

靴底(アウトソール)はクレープソールもしくは通称ホワイトソールと呼ばれる白い色のソールです。減りも多少速いように思いますが、それでも厚みがあるので、相当の期間持ちます。
このブーツの製造方法は、グッドイヤー・ウェルト製法で作られています。
グッドイヤー・ウェルト製法とは、1870年代にチャールズ・グッドイヤーが考案したもので、上の革(アッパー)と、中底(ミッドソール)を合わせて、ウェルト(靴の周囲に付ける細い革)と呼ばれる革と、一緒に縫い合わせるのが特徴です。そして、この中底に靴底(アウトソール)が付けられます。
この製法でできた靴は大変頑丈なのですが、手間がかかるためコストがかかり、いままでは高級な紳士靴に属する物だけが採用する方法だった。
コバと呼ばれる靴の周囲の出っ張りの部分に、縫い目が見えるのが外観上の特徴。
安い靴はここがニセモノの、見かけだけのコバになっていますので、一目瞭然です。
私のいつも仕事で履く革靴なんかは、ケチって\10,000.-も出さないので、ここがニセモノ仕様です。(ーー;) 

番外編:ジョージ・コックスといえばクリーパーじゃないの?

ファイル 4-1.jpgGOLOSH BROGUES ウイングチップ
イギリスのシューブランド「ジョージ・コックス」の靴といえば、ロック通だと、普通は厚い靴底のクリーパーを思いだします。多くのミュージシャンが愛用している事でも有名。
クリーパーと呼ばれる靴は、ラバソーとも呼ばれる4~5cmもあるような厚いゴム底(ラバーソール)が特徴。クリーパーは、1949年にジョージ・ハミルトン・コックスが作ったのですが、メーカー諸説によると、当初「この靴は、物好きしか履かない。」と言われていたデザインだったそうです。

ただ、私が思うには、パンク系?のハンド関係の方々(言い方が古る~ッ。)が使用している印象が強い。正直、それが正しいかは、わかりませんが・・・。

今回紹介する靴はクリーパーでは無く、レッドウイングのセッターと同じ6インチ丈のオーソドックスな編上げのブーツです。つま先はウイングチップとなっており、特に着る洋服を選びません。

このブーツを買うことになった原因は、ロンドンに行った時、知合いのイギリス人大学教授がヘリンボーンのジャケットスーツにこの靴を履いていたのを見て、どこで買ったのかを聞いたら、わさわざお店まで連れて行ってくれたので購入しました。
ロンドン郊外に住む彼の話では、一歩外に出ると道が悪く、泥や砂が入るのでブーツが重宝すると言っていました。
事実、市内でも主要道路以外、道の悪いところが多く、助かった記憶があります。
ただ、お店に行ってから350ドルもする価格を見て、懐の寂しかった私は、一瞬失神しそうになりました。また、その時ほどクレジットカードをありがたく思った事はありませんでした。

余談ですが、同じような靴をノーザンプトンにあるTRICKER'S(トリッカーズ)というメーカーが出しています。そこはたしかチャールズ皇太子御用達ブランド?だったと思いますが・・・う~ん、不明。
しかし、まあイギリスではこの手のデザインの、ブーツ需要があるということは確かなようです。


ファイル 4-4.jpg ファイル 4-3.jpg

ファイル 4-2.jpg
使用されている皮は、非常に柔らかく上質、
かつシッカリしており、靴底もコマンドソール仕様と
なっており、見た目とは違いハードに使用しても
大丈夫な造りの靴となっています。

今は、ジーンズにジャケットの時や、コーデュロイの
パンツを着る際に、重宝しています。