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今週市場に出ている掘り出し物のヴィンテージウォッチコラムで紹介しよう。

パテック フィリップ 恐ろしく魅力的なエリプス、アール・デコ様式のロンジン、ブシュロンの懐中時計など!

今回の5本は客観的に見ても注目に値する。信じて欲しい。とくに注目すべきは、きわめてコンディションのいいフルセットのパテック フィリップ エリプス。そして道中ではブシュロン、ロンジン、さらにはオールドイングランドにも立ち寄る予定だ。

パテック フィリップスーパーコピー代引き優良サイトまずは結果から! 2週間前にフィーチャーしたフィリップスのオークション出品、モバード テンポグラフは好調で、予想上限を上回る17万7800香港ドル(日本円で約326万円)で落札された。eBayに出品されたユニバーサル・ジュネーブ スペースコンパックスは9505ドル(日本円で約140万円)で終了。同じくeBay上では、ギャレット マルチクロン 30M “クラムシェル”が2353.88ドル(日本円で約34万円)で売却された。さらに、ウブロ MDM スーパービー クロノグラフは完売と表示されており、希望価格は2900ドル(日本円で約42万円)であった。

パテック フィリップ エリプス Ref.3938/101 ブレスレット仕様(ボックス・保証書・付属品付き)、1980年代製
1980s Patek Philippe Ellipse Ref. 3938/101
 現在の、定番外かつラウンド以外の腕時計が人気を集めるトレンドのなかで、パテック フィリップのエリプスは世界屈指の名門ブランドが誇る最も象徴的なモデルのひとつであるにもかかわらずあまり語られることがない。これはその成功の証なのかもしれない。この“シェイプド”ウォッチブームには、予想外の1本、他人とかぶらず多くのコレクターがこれまで見たことのないような時計を求める楽しさがある。だがエリプスは1968年のデビュー以来、一貫して展開されており、実際かなりの数が存在する。ただしこうした個体は決して多くはない。

 一歩引いて考えてみると、エリプスとはどういう存在なのか。コレクタビリティのジョン・リアドン(John Reardon)氏はこのモデルを、“パテック フィリップの物語を世界に語るためのキャンバス”と表現している。この言葉がずっと心に残っている。エリプスの開発と発表が進められていた当時、時計業界は迫り来るクォーツ危機の気配を感じ取っていた。1960年代を通じて技術は進歩し、やがて商業化され、機械式時計はかつてない脅威にさらされるだろうというのは明らかだった。こうした状況のなかでパテックは意識的な決断を下す。これまで外部の専門家に依頼してきたスイス随一の職人たちを自社に招き入れるというものだ。その結果、世界最高水準のブレスレット、ダイヤル、ケースの製造技術が、ひとつの屋根の下に結集されることとなった。

1980s Patek Philippe Ellipse Ref. 3938/101
1980s Patek Philippe Ellipse Ref. 3938/101
1980s Patek Philippe Ellipse Ref. 3938/101
 エリプスは、こうして新たに手に入れた製造技術の結晶であり、その真価がもっとも体現されているのが、本作のようなしっかりとした構造でありながら繊細な印象を与える、金の織り込みブレスレットモデルである。ダイヤルには無垢のゴールドが使われ、そこに熱処理を施すことで完璧なブルーに仕上げられている。ケースの形状は、いわゆる古代ギリシャの数学者たちによって導かれ、万人にとって美しく感じられるとされる黄金比率から着想を得ている。そして当時の広告はこのエリプスを“時計ではないもの”として打ち出していた。“ただ時刻を知るだけの人々は、時計を選ぶだろう。パテック フィリップを選ぶことはない”と説明していたのだ。エリプスはかつても今も、まさしく芸術作品である。

 この個体は1980年代のもので、付属の保証書にも記載されているとおり、リファレンスは3839/101。/101という型番が示すとおり、ブレスレット一体型の仕様は当初からのオリジナルである。もともとの購入者はドイツで本作を手に入れており、現在はその家族からの出品となっている。オリジナルのボックスや保証書はもちろん、1991年にパテックに時計をメンテナンスで送った際のスイス航空郵便のスタンプが押された外箱まで、すべてが残されている(写真はないが、間違いなく存在する)。ソリッドゴールドのブレスレットにエリプスらしいデザインを求めるなら、これ以上のものはまず見つからないだろう。

 出品者は、ニューヨーク在住のファウンドウェルのアラン氏。価格は2万7995ドル(日本円で約400万円)で、このパテック フィリップ エリプスを販売している。詳細はこちらから。

ロンジン ステップド・ラグ付き 18Kイエローゴールド、1940年製
1940 Longines with Stepped Lugs in 18k Yellow Gold
 ヴィンテージのロンジン製クロノグラフは、これまでも、そして現在も、将来的にも間違いなく非常にコレクタブルで率直に言って価値が高い。一方で、同時代のロンジン製3針モデルに対するコレクターの関心は、やや浮き沈みがあるのも事実だ。2015年ごろのことだが、いつか手に入れたい時計をリストアップしたAppleのメモアプリをつくったことがある。そこにはロレックス GMTマスター 1675(ちなみに、今では“ペプシ”の魅力は薄れてしまった)、パテック Ref.96 カラトラバ、ポール・ニューマン デイトナ(これはさすがに野心的だったが)などが並んでいた。そしてお察しのとおり、1940年代のロンジン製3針モデルもそのなかに入っていた。具体的には、35mm径のトレタケ。スクリューバックの初期“防水”ケースで、たぶんセクターダイヤルのものを想定していた。言いたいのは、当時のコレクター界隈ではロンジンの3針モデルに熱狂的な注目が集まっていたということだ。ただ最近では、そこまでの盛り上がりは見られない。もちろん今でも執念深く探し続けている熱心な愛好家はいるはずだが、あの頃のような広がりのある熱狂ではない、というだけの話である。

 20世紀前半のアメリカ市場においては、ロレックス以上に人気を博していたブランド、それがロンジンである。腕時計というカテゴリが本格的に立ち上がった当時、ロンジンはクロノグラフからどこへでも着けていける3針モデルまで、フルラインアップを取り揃えていた。ヴィンテージ市場で見かける数からしても、当時の売れ行きは相当なものだったことがうかがえる。ただしこの年代のモデルなだけに、コンディションには注意が必要だ。とくにダイヤルの状態は慎重に見るべきポイントだ。幸いなことに、今回紹介するこの個体は驚くほど良好な保存状態を保っている。

1940 Longines with Stepped Lugs in 18k Yellow Gold
 このラグのデザインは、ロンジンではこれまで見たことがない。まさにヴィンテージ“カラトラバ”の秀逸な選択肢と言える1本だ。ケース径は当時としては標準的、あるいはやや大きめの32mm。アール・デコに着想を得たダブルステップのラグが装着時の存在感をいっそう引き立ててくれるだろう。レモンカラー調のダイヤルはケースとの相性も抜群で、誇らしげに配されたアプライドのアワーマーカーは、1940〜50年代にロンジンが多用したデザイン様式を踏襲している。スタート価格は3000ユーロ(日本円で約50万円)で、真剣に検討する価値がある。

 このロンジンは、6月9日(月)午前10時(米国東部時間)に開催されるフィナルテのFine Watchesセール ロット184に出品されている。予想落札価格は3000〜6000ユーロ(日本円で約50万~100万円)。詳細はこちらから。

ブシュロン オーバル型 懐中時計、1950年代製
1950s Boucheron Oval Pocket Watch
 そう、今回は懐中時計である。ただし、自分にとって特別な存在であるブランド、ブシュロンの時計だ。1970年以前に製造されたフランス製の時計には、なんとも言えない魅力がある。これまで幾度となく当時のカルティエ製時計の重要性について語ってきたが、やはりフランスの時計メーカーには手作業によるつくり込みの美しさと創意工夫に満ちた独自性がある。カルティエ、ブシュロン、ヴァン クリーフ&アーペル、そしてブレゲといった面々だ。なかでも、イーグルヘッド(イエローゴールド)やドッグヘッド(プラチナ)のホールマークを見つけると、つい目が覚めるような感覚になる。スイスとは一線を画しつつ、これらのフランス人デザイナーたちは、ケース形状やダイヤルのディテールにおいて常識にとらわれず、高品質なムーブメントだけは南東の隣国スイスから調達するというアプローチを取っていた。

 この時代のブシュロンには、非常に個性的でギルト調の濃いデザイン言語が存在していた。多くのダイヤルには署名すら入っていない。それもそのはず、当時のブシュロンは時計ブランドというよりジュエラーとしての性格が強かったからだ。リングやネックレスに大きくブランド名を刻むことがないように、時計に名前を載せる必要もない、という発想だったのだろう。そんな流れに逆らって、本作にはしっかりとしたサイズ感のブランドサインが施されており、ブシュロンがその名を印字し始めた時期として正しい書体が使われているのだ。もちろん、あの名匠デレク・プラット(Derek Pratt)がウルバン・ヤーゲンセン(Urban Jürgensen)のために手がけた、オーバル型懐中時計の廉価版とまでは言わないが、少なくとも形は同じだ。私はこれを懐中時計と呼んでいるが、オークションハウスは“ペンダント”として出品している。たしかに彼らの言い分も正しいかもしれないが、ポケットに忍ばせることも十分可能だ。サイズは横幅33mm、高さ48mm。

1950s Boucheron Oval Pocket Watch
 このブシュロンの懐中時計は、オーダップ&アソシエが主催するJewelry & Watches - Silverwareセールにて、ロット97として出品されている。開催は6月5日(火)午前7時30分(米国東部時間)。予想落札価格は2500〜3500ユーロ(日本円で約40万~57万円)となっている。詳細はこちらから。

ミネルバ 防水クロノグラフ “サーモン” ダイヤル仕様、1940年代製
 ミネルバは、ヴィンテージ市場においていまだ過小評価されているブランドのひとつである。モンブランが2004年にブランドを買収し、ミネルバ由来のヴィンテージムーブメントを用いた高価格帯の現行モデルを展開しているにもかかわらず、オリジナルのヴィンテージ品はいまだに、その内容からすると驚くほど安価で手に入るのが現状だ。ミネルバのクロノグラフは自社製ムーブメントを搭載し、当時としては最高水準のケースを採用していた優れた時計である。そして特筆すべきはダイヤルだ。とりわけ本作のように“サーモン”トーンを採用したモデルは、見た目にも非常に魅力的である。

1940s Minerva Waterproof Chronograph with 'Salmon' Dial
 eBayの出品者はムーブメントの写真を掲載していない(エステートセールで拾った品のようで、ケースの開け方を知らないのかもしれない)が、おそらく内部にはCal.13-20 CHが搭載されていると推測される。ちなみに現在、モンブランは公式サイトでモンブラン 1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフ レッドアロー リミテッドエディション 88を524万6450円(税込)で販売している。このモデルに搭載されているのはCal.MB M13.21で、まさに本作に搭載されているであろうヴィンテージムーブメントをベースにしている。今回eBayにて3500ドル(日本円で約50万円)で出品されている本機は、その背景を踏まえると非常にお買い得と言えるだろう。

 出品者はミシガン州ドール在住のeBayセラーで、即決価格は3500ドル(日本円で約50万円)。詳細はこちらから。

オールドイングランド エリザベス女王 マーキン・シリーズスタンプダイヤル仕様、1971年製
 オールドイングランドの時計については過去のBring A Loupeでその全貌を取り上げたので今回は繰り返さないが、それにしてもこの価格でこのおもしろさは見過ごせない。たしかにつくりはそれほどよくなく、基本的には1960年代スウィンギング・ロンドンのカルティエ ロンドンが持っていた遊び心を、ギフトショップ向けにアレンジしたような存在だ。だがハマるときは本当にハマる。ヴィンテージの切手(スタンプ)をそのままダイヤルに用いた時計なんて、正直これまで見たことがない。あなたはどうだろう?

1971 Old England with Queen Elizabeth Machin Series Stamp Dial
 はっきり言っておこう。この時計のクオリティは高くない。eBayの出品ページなどでムーブメントの写真を見るかぎり、機械式ではあるもののそのつくりは笑ってしまうほど粗雑だ。ケースに至っては金メッキとさえ言えず、ゴールドトーンと表現しておくのが妥当だろう。それでも、数百ドルで手に入るリアルなヴィンテージウォッチとしてこのデザイン性は見逃せない。とくに気に入っているのは、エリザベス女王の1 ½ペンス切手(マーキン・シリーズ)がそのままダイヤル背景に使われている点だ。その上にOld England 1971の文字が、かつて郵便局で使い古された切手にスタンプを押したかのようなスタイルで重ねられている。この演出が実に楽しい。190ポンド(日本円で約4万円)未満で手に入る、遊び心満載の1本である...で、もうだいぶ前から出品されてるし、eBayで“ウォッチ中”なのが自分だけっぽい? まあ、それが何か?

オリス ヘルシュタインエディション2025が新登場。

オリスはブランドのバースデーを祝し、今年も年に一度の限定モデルであるヘルシュタインエディションの第6弾を発表した。これはコレクターたちの興味を引きつけ続けるために、毎年少しずつ趣向を変えて展開される限定ウォッチである。過去には個性的な文字盤カラーや、ブランドの1990年代に見られたフルスティール製トラベルタイムの意外な復刻、さらに昨年はオールブラック仕様のダイバーズ65が登場した。2025年版はそれらと比べて控えめな仕上がりとなったものの、思わず笑顔がこぼれるような遊び心が加えられている。

オリススーパーコピー代引き優良サイトひと目見て分かるのは、2025年モデルには白黒以外のカラー要素がまったくないということだ。ベースとなったのは、デイト表示を省いたプロパイロットの特別仕様。ケース径41mm、厚さ11.9mmのステンレススティール製ケースには、全面にブラックDLCコーティングが施されている。対照的に文字盤にはホワイトのスーパールミノバが使われ、マットブラックのアプライドインデックスとミニッツトラック、オリスのロゴなどが黒でプリントされ、ケースとのコントラストを際立たせている。

 マットブラック仕上げの時・分針が、このステルス感あふれる外観を完成させている。夜光ダイヤルはすでに珍しくない存在となっているが、オリスはそこにひと工夫を加えてきた。暗闇のなかで、3時と4時のあいだにオリスベアの顔のシルエットがふわりと浮かび上がるのだ。そのほかの文字盤部分は、スーパールミノバではおなじみのグリーンの輝きを放つ。

caseback of oris
 この時計の内部で鼓動を刻むのは、オリス自社製のCal.400である。パワーリザーブは120時間を誇り、裏側からサファイアクリスタルのシースルーバック越しにその姿を確認できる。今回、このクリスタルにはスーパールミノバのリングがプリントされており、コレクション名と製造年が暗闇で光って浮かび上がる。ねじ込み式の裏蓋外周リングには“001/250”のようにシリアルナンバーが刻印されている。以上が全個体に共通の仕様だ。ストラップはレザーライニングを施したテキスタイル製で、“LIFT”と刻まれたクラスプにもDLCコーティングが施されている。

 ヘルシュタインエディション2025はオリスの直営ブティック、公式オンラインショップ、ならびに一部正規販売店にて販売され、価格は72万6000円(税込)となっている。

我々の考え
私がこのヘルシュタインエディションシリーズを愛している理由は、何よりもその創造的なアプローチにある。毎年、特定のコレクションに縛られることなく、実験的なモデルをリリースできる仕組みが整っている点が魅力だ。これはあくまで個人的な推測だが、ブランドにとっての大きな利点は、市場の反応を試しつつ、新たなデザインや製造プロセスをテストできるという点にあるのではないだろうか。たとえば、今回のモデルに見られるオリスベアの影を用いた遊び心のある表現は、将来的な“夜光仕様”の文字盤展開を示唆しているのかもしれない。

lume dial example
 ここ数年のヘルシュタインエディションのなかで、もっとも日常使いしやすいモデルだと感じている。そして、暗闇のなかで現れるあの笑顔のクマをとても気に入っている。あれはオリスが得意とする、“ちょっとした遊び心”を象徴する存在だと思う。正直に言えば、このクマ抜きのバージョンがすでに通常コレクションに存在していても不思議ではない。オリスの“遊び心”を楽しみたいけれど、それを手首に堂々と載せるのには少し気が引ける。そんな人にとっては、非常に魅力的な一本になるのではないか。あくまで実用的な時計でありながら、ほんの少しのひねりが効いた、クリーンなデザインである。

基本情報
ブランド: オリス(Oris)
モデル名: ヘルシュタインエディション2025
型番: 400 7803 4781-Set

直径: 41mm
厚さ: 11.9mm
ケース素材: ステンレススティール(DLCコーティング)
文字盤色: ホワイトのスーパールミノバ
インデックス: アプライドおよびプリント
夜光: あり
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: テキスタイルストラップ(DLCコーティングのオリス製“LIFT”クラスプ付き)

ムーブメント情報
キャリバー: 400
機能: 時・分表示、センターセコンド
パワーリザーブ: 5日間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 21
クロノメーター認定: なし

価格 & 発売時期
価格: 72万6000円(税込)
発売時期: 発売中
限定: 250本

オメガ 熱烈なスピーディ愛好家を歓喜させる2本のモデルが新登場。

オメガ 熱烈なスピーディ愛好家を歓喜させる2本のモデルが新登場。

2016年のオークションシーズンでは、オメガスーパーコピー代引き優良サイト目を見張るような素晴らしい時計が数多く出品された。そのなかでも特に注目されたのは、フィリップスに出品されたステンレススティール(SS)製のパテック フィリップ Ref.1518だ。同オークションハウスはこれ以外にもティファニー・サイン入りのロレックス Ref.6263やカルティエ・サイン入りのパテック Ref.1463、その他のスティール製パテックや素晴らしいロレックスなど、超高級かつ華やかな時計を多数取り揃えていた。非常に見応えのあるカタログだ。しかしフィリップスのオークションリストを眺めたとき、個人的に最も印象に残ったのは、一般的にはすぐに注目されないかもしれない2本の時計だった。ただ信じて欲しい。これらは本当に素晴らしい時計であり、どちらもほぼ唯一無二といえる希少性を持ち、圧倒的な美的魅力を備えている。そして偶然にも、どちらもオメガなのだ。

オメガ スピードマスター プロフェッショナル アラスカプロジェクト プロトタイプ(NASAおよびオメガ・ミュージアムの旧所蔵品)
omega speedmaster alaska project nasa
これは、スピードマスター収集における“究極の1本”と言えるかもしれない。

以前にも話したが、私はスピードマスター プロフェッショナルを愛してやまない。そして素晴らしい点は、スピーディ(スピードマスターの愛称)が今でも約5000ドル(当時のレートで約57万5000円)で手に入るということだ。しかしもしスピーディに本気でのめり込みたいなら、さまざまなアプローチがある。実際、オリジナルのスピードマスターは5000ドルから15万ドル(当時のレートで約57万5000円〜172万5000円)という幅広い価格帯で入手可能だ(スピードマスターのバリエーションを完全網羅した歴史を知りたければ、こちらをクリック)。

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 6桁ドルの価格帯に達するようなモデルとは、当然ながら初代シリーズのRef.2915だ。なかでも、オリジナルの状態を維持したRef.2915-1(初期のシリーズのなかでも最初のモデル)を見つけるのはほぼ不可能に近い。しかし、まれにそのような奇跡が起こることもある。フィリップスが今回出品する時計は、ミントコンディションのRef.2915-1よりもはるかに希少であり、そのクールさは規格外といえる。

zinc dial omega alaska project speedmaster
このダイヤルには、ホワイトのマット仕上げで酸化亜鉛コーティングが施されている。

alaska project speedmaster caseback
この時計は、Ref.146.022-69 をベースにしている。

 この時計は、まさにプロトタイプなのだ。NASAはすでにスピードマスター プロフェッショナルを公式のスペースウォッチとして選定していたが(そして、それは見事なパフォーマンスを発揮した)、それでもオメガのエンジニアたちは、宇宙に特化した時計を開発することに執念を燃やしていた。フィリップスによればオメガは1969年の月面着陸成功以前から宇宙専用の時計の開発に着手し、驚異的なモデルを生み出していた。幸運なことに、私は2013年に“アラスカプロジェクト”の最初のモデルを目にする機会を得た。以下でその写真を見ることができる。この“アラスカプロジェクト”は、宇宙計画専用の特別な時計を開発するためのコードネームであり、実際には北米最北の州であるアラスカとは無関係だ。オメガが何を開発しているのかを極秘にするため、このような名称がつけられたに過ぎない。

original omega alaska project speedmaster
オリジナルのアラスカ プロジェクト プロトタイプはチタン製である。

 この時計は1969年に製造されたチタン製ウォッチである。そう、ホワイトダイヤルと視認性を高めるための特別なインダイヤル針を備えたチタンの塊だ。この時計は“アラスカプロジェクト I”と呼ばれるもので、間違いなく最も希少なスピードマスターである。しかしながら一般にはほとんど知られていないモデルだ。そもそものアラスカプロジェクトは2年間の研究の末、1971年に中止された。その後1972年に“アラスカプロジェクト II”が始動し、下の画像のようにより市販モデルのスピードマスターに近いデザインが採用された。

alaska project speedmaster omega
この時計は特別なマット仕上げのスティールケースを採用している。

alaska project speedmaster omega
ベゼルも通常より厚く設計されており、風防を保護する役割を果たしている。

 上記の時計は、2013年に見たアラスカプロジェクトのプロトタイプのなかでも特にお気に入りの1本だ。マット仕上げのスティールケースを採用し、風防を保護するための特別な隆起ベゼルが備えられている。

red aluminum case alaska project omega
鮮やかな赤いアルマイト加工のアルミニウム製ケースは、実は耐熱シールドである。

 アラスカプロジェクト II の時計は実際に1972年にNASAの試験に提供されており、今回フィリップスが出品する時計もそのひとつだ。この時計はごく一般的なスピードマスター Ref.145.022-69 にCal.861を搭載したモデルであり、チタンやマットスティールのケース、隆起ベゼルは採用されていない。しかしながらマット仕上げの酸化亜鉛コーティングが施されたホワイトダイヤル、特別仕様の針、そして宇宙での使用を想定して開発された赤いアルミニウム製の耐熱シールドを備えている。この時計は長らくNASAの所有物であったが、プロジェクトの終了後にオメガへ返還された。そして、このモデルこそが、のちにオメガが復刻版“アラスカプロジェクト”シリーズを製作する際のベースとなったのだ。

alaska project omega wristshot
アラスカプロジェクトのプロトタイプは、従来のモデルと同じ42mm径のケースを採用している。

 この特別な時計は現存する3本の“完全な”アラスカプロジェクト II のうちの1本であり、その来歴は疑う余地がない。オメガからNASAへ渡り、その後30年間オメガ・ミュージアムで保管されたのち、2007年のアンティコルム“オメガマニア”オークションに出品された。当時の落札価格は6万4000スイスフラン(当時のレートで約960万円)だった。

 フィリップスはこのオメガ アラスカプロジェクトのプロトタイプに10万~20万スイスフラン(当時のレートで約980万~1960万円)のエスティメートを設定している。この時計は圧倒的な存在感を放ち、ホワイトダイヤルが際立つ美しいデザインを備えている。最近ではRef.2915が6桁ドルの価格を超えるのが当たり前になっていることを考えれば、この時計も十分に注目に値する。またスピードマスター愛好家にとって特に興味深いのは、短期間しか生産されなかった“220”ベゼルを備えている点だ。

 このスピードマスター アラスカプロジェクト プロトタイプの詳細はこちらで確認できる。一般的なポール・ニューマン デイトナの価格で、真に特別な一本を手に入れることができるのだ。

ポーランドで発見された44mm径のセクターダイヤル Ref.CK2039
omega sector dial phillips 44mm
このセクターダイヤルのオメガは、44mmという圧倒的なサイズを誇る。

このオークションで出品されるもうひとつの素晴らしいオメガは、アラスカプロジェクトのスピーディとはまったく異なるタイプの時計だ。スピーディは20世紀後半の科学的革新と宇宙時代の楽観主義を象徴するモデルであり、実用性を重視し、努力を惜しまなかった“偉大なる世代”が築いた技術基盤と、その子どもたちが抱いた宇宙時代への野心が融合して生まれた時計である。一方このもうひとつの時計は、1939年というまったく異なる時代にヨーロッパで生まれた。それが、オメガ Ref.CK2039 だ。シンプルなカラトラバスタイルのスティールケースを備えたモデルだが、何よりも特筆すべきは44mmという圧倒的なサイズのオリジナルセクターダイヤルを搭載していることだ。

omega CK2039 movement
大型ムーブメントがケースいっぱいに収まっている様子も確認できる。

 さらにこの時計には、当時のオメガでは非常に珍しいギルト仕上げの初期キャリバーが搭載されている。そしてこの時計は1939年にポーランドへ納品され、長年にわたり鉱山技師の手首に収まっていた。その後時計職人へと譲られ、現在の出品者である孫の代まで受け継がれてきた。

omega sector dial phillips
セクターダイヤルにはいくつかの染みや汚れがあるが、それでも十分に魅力的だ。

gilt omega movement
このムーブメントのギルト仕上げは非常に珍しい。

 この時計の最大の魅力は、そのサイズと希少性にある。1930年代に44mm径の時計が製造されたこと自体が驚きだが、それ以上に引かれるのはオリジナリティと素晴らしいコンディションだ。ダイヤルは一切のリダンやクリーニングが施されておらず、ケースも手を加えられていないことが明らかである。そして75年の歴史のなかで3人のオーナーの手を渡り、そのうちのふたりが血縁者であり、すべてがポーランド国内で完結しているという背景も非常に興味深い。またこの時計が納品された1939年のポーランドと、アラスカ プロジェクトがNASAに届けられた1971年のアメリカ。このふたつの時代背景を比較してみると、まったく異なる世界が広がっていることに気づくだろう。

タグ・ホイヤー CBN201H.FC6553 “辰年” カレラ クロノグラフ イヤー オブ ザ ドラゴン 42mmが新登場。

タグ・ホイヤー CBN201H.FC6553 “辰年” カレラ クロノグラフ イヤー オブ ザ ドラゴン 42mmが新登場。

タグ・ホイヤースーパーコピー代引き 優良サイト今年もリリースされましたね、「イヤーオブ」シリーズ。

CBN201H.FC6553 は、2024年「辰年」をお祝いする300本限定のカレラ クロノグラフ42mmです。

文字盤中央に「龍」の文字が見えます(中語表記で日本の漢字ではないですね)。

ローズゴールドモデル CBN2048.FC8323は50本限定。

こちらは一昨年の寅年。

昨年の兎年。

そして、今年の新作「辰年」です。

背面の絵柄は格好良い。

ホイヤー02搭載の自動巻きクロノグラフ、国内定価は792,000円。

文字盤側はシルバーにレッドと「ドラゴン」感が無いのは、つまり・・・ターゲットが中華圏のお客様と言う事になります。


シグネチャー的タイムピース
サンレイ加工サテン仕上げのシルバーダイヤルの3時位置と9時位置には、レッドの “アズラージュ” 仕上げを施したサブダイヤルがコントラストを奏でます。カレラの象徴である逆 “パンダ” ダイヤルを大胆に再解釈したデザインです。

荘厳なドラゴン
100m防水を備えるサファイアケースバックには、中国の龍のプリントが施され、“One of 300”の刻印が添えられています。

素晴らしき精度
約80時間のパワーリザーブを誇る自社製ムーブメント、キャリバー・ホイヤー02を搭載した、高精度のハイエンドなタイムキーピングと最高レベルのパフォーマンスを併せ持つモデルです。

格調高いレッド
卓越したタグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ イヤー オブ ザ ドラゴンを収めるスペシャルボックスは、ウォッチと同じ深いレッドを基調とした、中国語で龍を表す文字がエレガントなベージュでデザインされています。

CBN201H.FC6553


タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ リミテッドエディション

自動巻クロノグラフ, 42 mm, スティール製
CBN201H.FC6553
¥ 792,000
華やかな辰年を祝う、クラシックなデザインを比類なきカリスマ性で再解釈したタグ・ホイヤー カレラの限定モデルが誕生しました。豊かな中国文化とタグ・ホイヤーのモーターレーシングにまつわるDNAをシームレスに融合したこのウォッチは、伝統と革新を体現し、恐れを知らないアイコン、龍の佇まいを捉えています。

レファレンスナンバー CBN201H.FC6553

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ムーブメント
キャリバー ホイヤー02自動巻ムーブメント
ムーブメント 自動巻クロノグラフ
自社製ムーブメント はい
パワーリザーブ(時間) 80
振動数 28800 (4Hz)
機能 時, 分, 秒, クロノグラフ:1/4秒計、30分計、12時間計, 日付
ケース
サイズ 42 mm
防水性 100 m
素材 スティール製 サテン/ポリッシュ仕上げ
リューズ スティール製
ケースバック サファイア – スティール製
ストラップ/ブレスレット
カラー レッド
バックル フォールディングバックル プッシュボタン – スティール製
ダイヤル
仕上げ サンレイ加工のサテン仕上げ
カラー グレー
インデックス アプライド

CBN2048.FC8323


タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ

自動巻クロノグラフ, 42 mm, ゴールド 5N
CBN2048.FC8323
¥ 2,827,000
辰年を祝う、大胆でエレガントなトリビュート。18K 5N ローズゴールド製タグ・ホイヤー カレラは、豊かな中国文化と、中国の龍が体現する成功をひとつにしたモデルです。それは、間違いなくタグ・ホイヤー カレラのサクセスストーリーにつながります。

ラグジュアリーなディテール
美しいレッドの “アズラージュ” 加工のカウンターを配した、18K 5N ローズゴールドプレートのサンレイ加工サテン仕上げダイヤル。レッドラッカーを施した中央の針と、6時位置の、中国語の「龍」を表す文字が特徴です。

数量限定エディション
サファイアケースバックには荘厳な中国の龍が描かれ、ウォッチの希少性を表す “One of 50” の刻印が施されています。コレクターにとって夢のタイムピースです。

力強い龍
自社製キャリバー ホイヤー02 ムーブメントを搭載し、100m防水を備えたこのモデルは、性能と大胆な革新を融合しています。どんな挑戦にも最適なウォッチです。

鮮やかなレッドに包まれて
卓越したタグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ イヤー オブ ザ ドラゴンを収めるスペシャルボックスは、ウォッチと同じ深いレッドを基調とした、中国語で龍を表す文字がエレガントなベージュでデザインされています。

まとめ


いかがでしょうか?

「【2023年新作】タグ・ホイヤー CBN201H.FC6553 “辰年” カレラ クロノグラフ イヤー オブ ザ ドラゴン 42mm」でした。

500本に増やした兎年モデルが完売しなかったのか新作辰年は300本に戻りましたね・・・

流石に毎年購入する方は少ないと思いますが、お子さんが生まれた記念などに選択する方はいらっしゃるのでしょう。

こちらのモデルは既に販売開始されていますので、気になった方はブティックで試着してみてください。

それではまた!

セイコー プロスペックス SBEN005 / SBEN007 マリンマスター 1965 メカニカルダイバーズ キャリバー6L37が新登場。

セイコー プロスペックス SBEN005 / SBEN007 マリンマスター 1965 メカニカルダイバーズ キャリバー6L37が新登場。

セイコー プロスペックスから2025年の新作情報です。

来年の「セイコーブランド誕生100周年」を祝ってプロスペックス マリンマスターに新型が登場、年末に一足早く先行販売が行われます。

フランクミュラースーパーコピー代引き 優良サイトレギュラーモデルの SBEN007 ブルーと、記念の限定モデル SBEN005 ホワイトです。


<セイコー プロスペックス>より、セイコーダイバーズウオッチの最高峰「MARINEMASTER(マリンマスター)」のSEIKOブランド100周年を記念した限定モデルとレギュラーモデルを各1種、12月8日(金)より発売いたします。希望小売価格は、いずれも429,000円(税込)で、限定モデルは世界限定1000本です。

MARINEMASTER「マリンマスター」はダイバーズウオッチとしての性能にとどまらず、外装の造形や細部の仕上げなどにセイコーの技術の粋を注ぎ込んだ、「見るたびの高揚」や「所有することの喜び」を提供するダイバーズウオッチです。
また、ダイバーズウオッチ専用に設計された堅牢で安定した精度のムーブメントを搭載しています。

レギュラーモデルと限定モデルのスペックは同じで、今年リリースのファーストダイバー復刻モデルSBEN003にも搭載された新生ムーブメント キャリバー6L37をセット、パワーリザーブは45時間なのでそこそこですが、ダイバーズウオッチ用に新開発したムーブメントで衝撃に強いそうです。

スティールの39.5mmケース、厚さは12.3mm、200mの空気潜水用防水。

いや~しかし、本格派ダイバーズウォッチのマリンマスターにもファーストダイバーデザインが採用されるとは・・・

ちょっと驚きですよね。

セイコーのサブマリーナーとも言えますので、チューダーのブラックベイの良いライバルになるかも知れません。

皆さんこのデザイン好きでしょ?

セイコーは1965年に国産初のダイバーズウオッチとして誕生以来、深海で安全に使えることを目指し、進化を続けることで、独自のテクノロジーを有する多彩な商品群を世に送り出してきました。

その高い堅牢性から深海での使用にとどまらず、北極、南極、エベレストなど地球上のあらゆる過酷な環境下で使用され、世界中のプロフェッショナルダイバーや多くの冒険家のパートナーとして、高い評価と信頼を獲得してきました。


「マリンマスター」は、ダイバーズウオッチ専用に設計された安定した精度を誇る高性能ムーブメントを搭載し、外装の造形や部品の細部に至るまでセイコーが培ってきた技術の粋が注ぎ込まれた、
セイコーダイバーズのフラッグシップシリーズです。

機能性と外観美の両立「面取りの効果」
本作は、ダイバーズウオッチに求められる他の装備品への引っ掛かりや、傷つけなどを考慮し、ケースとベゼルに広くとった「面取り」加工は、機能面の向上だけではなく、輝きという新たな価値を創出しています。また、「1965 オリジナルモデル」の意匠である、時・分・秒針の形状と特徴的な角型インデックスを継承しながらも、高輝度ルミブライトを塗布し、暗い場所でも高い視認性を確保します。

ダイヤルパターンには、太い直線と細い直線を組み合わせ、繰り返し打ち寄せる波のリズムを幾何学的模様で表現しました。レギュラーモデルは、軽やかなライトブルーのダイヤルとブルーのベゼルを組み合わせています。

SEIKO Diver’s 初のシースルーバック「背面まで美しく」
セイコーのダイバーズウオッチ史上、初めてシースルーバック仕様を搭載。裏ぶたを高い防水性や耐衝撃性を伴ってシースルーバック仕様にすることは困難であり、ケースの厚みも増す要因になります。本作では、ケース構造や各部単位での基準寸法を極限まで見直したことに加え、ダイバーズウオッチ用に開発した薄型で耐衝撃性の高い「キャリバー6L37」を搭載することで、セイコーの現行メカニカルダイバーズウオッチとして最薄の12.3mmを実現。厳格なセイコーダイバーズの規格を満たしながらも、精巧に仕上げられた機械式ムーブメントの力強い動きを眺め、楽しむことができます。

しなやかな曲面形状ブレスレット「快適な腕馴染み」
新たに開発したショートピッチのブレスレットは、こまの一つひとつを両甲丸の曲面にすることで、肌あたりが良く、しなやかで心地よい装着感を実現しています。

セイコーは、1881年に服部時計店として創業して以来、「常に時代の一歩先を行く」という創業者の服部金太郎の信条を貫き、革新を続けてきました。その歩みの中で、1924年に初めて「SEIKO」の名を冠した腕時計を発売し、2024年に「SEIKO」ブランド誕生100周年を迎えます。

セイコープロスペックスから、SEIKOの名を初めて冠したモデルが誕生して100周年を記念した、限定モデルが登場します。

本作には、光沢のあるシルバーホワイトダイヤルとシルバーベゼルを組み合わせ、特徴的なダイヤルの模様をより一層引き立てています。

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SBEN007


SBEN007
プロスペックス
Marinemaster
429,000 円(税込)
2023年12月 発売予定
マリンマスター 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン
セイコーウオッチサロン専用モデル

<セイコー プロスペックス>マリンマスター 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン

品番SBEN007
希望小売価格(税込)429,000円
ケース・ブレスレットステンレススチール(ダイヤシールド(※1))
ガラスボックス型サファイアガラス
(内面無反射コーティング)
防水性能200m空気潜水用防水
ケースサイズ[外径]39.5mm(りゅうず含まず)
[厚さ]12.3mm
発売予定日2023年12月8日(金)(セイコーフラッグシップサロン、セイコードリームスクエア、セイコーオンラインストアおよびセイコーブティック先行発売)
2024年1月12日(金)(セイコーウオッチサロンにて発売)


【ムーブメント仕様】
メカニカルムーブメント キャリバー6L37
巻上方式    :自動巻(手巻つき)
時間精度    :日差+15秒~−10秒(気温5℃~35℃において腕に着けた場合)
パワーリザーブ :約45時間
石数      :26石
振動数     :28,800振動/時(8振動/秒)

SBEN005


SBEN005
プロスペックス
Marinemaster
429,000 円(税込)
2023年12月 発売予定
SEIKOブランド100周年記念 マリンマスター 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン 限定モデル
世界限定:1,000本(うち国内:200本)
セイコーウオッチサロン専用モデル

SEIKOブランド100周年記念
<セイコー プロスペックス>マリンマスター 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン 限定モデル

品番SBEN005
希望小売価格(税込)429,000円
ケース・ブレスレットステンレススチール(ダイヤシールド)
ガラスボックス型サファイアガラス
(内面無反射コーティング)
防水性能200m空気潜水用防水
ケースサイズ[外径]39.5mm(りゅうず含まず)
[厚さ]12.3mm
限定数量世界限定:1000本(うち国内:200本)
発売予定日2023年12月8日(金)(セイコーフラッグシップサロン、セイコードリームスクエア、セイコーオンラインストアおよびセイコーブティック先行発売)
2024年1月12日(金)(セイコーウオッチサロンにて発売)


限定数の刻印あり。

まとめ


いかがでしょうか?

「【2025年新作】セイコー プロスペックス SBEN005 / SBEN007 マリンマスター 1965 メカニカルダイバーズ キャリバー6L37 ¥429,000-」でした。

うん、これは売れそうです。

最初に出してきた色味が良いですね。

ブラックとネイビーだったら話題にならなかったかも知れません。

復刻版の方が好まれるでしょうから。

来年2024年1月12日(金)セイコーウオッチサロンにて発売予定ですが、2023年12月8日(金)~2024年1月11日(木)セイコーフラッグシップサロン、セイコードリームスクエアおよびセイコーブティック で先行発売も予定されています。

気になった方は是非。

海外ではなぜかブラック文字盤もラインナップ(1番サブマリーナーっぽい)。

そのうちグリーンも出そうだな。

ブラック SJE101、ブルー SJE099、シルバー ホワイト SJE097 が海外の型番です。

それではまた!

グランドセイコー SBGE297 “雪白” スプリングドライブGMT タイGS9クラブ 65本限定が新登場。

グランドセイコー SBGE297 “雪白” スプリングドライブGMT タイGS9クラブ 65本限定が新登場。

グランドセイコーから2025年新作、タイ限定モデルの情報です。

ブレゲスーパーコピー代引き 優良サイト“雪白” SBGE297はタイのオーナーズクラブ・GS9クラブ会員限定モデルで、わずか65本のみ。

ベースモデルには、セラミックス製のベゼルを搭載した新時代のスプリングドライブGMTが採用されました。

40.5mmのスティールケースに、自動巻スプリングドライブ GMT キャリバー9R66 を搭載、パワーリザーブは約72時間(約3日間)です。

因みにベースモデルは792,000円。


穂高の山々に囲まれて生まれた時計

日本の長野県にある信州 時の匠工房でつくられたSBGE297。工房は、毎年数ヶ月にわたって雪に覆われる穂高連峰に囲まれています。ひんやりと乾いた空気の中で、風に吹かれた雪面は、繊細な風紋をつくりあげます。このモデルは、「雪白パターン」と呼ばれる、その雪面を表現したダイヤルパターンを使用し、その上ブルースチールの秒針が、スプリングドライブ独自のスイープ運針によって流れ、連続する自然な時の流れを美しくあらわします。

GS9クラブ タイランド限定モデル
2023-2024のファイナルエディション

SBGE297 | 信州の雪白パターン。 第1世代のテクスチャから成功を続けるGS9 Club Thailand Limited Edition 第2弾。 この家にクリエイティブに使われているダイヤルは、2005年にグランドセイコーで初めて有名になった雪白パターンが、雪面に当たる朝陽の美しさを反射し、キラキラ輝く輝きを演出しています。 雪白パターンの顔は、9つ以上の精密な製造工程を施した銀の金属でできています。 美しい雪の風紋を形成するためのステップです。 集める価値があります。

グランドセイコー SBGE297 250,000バーツ(約1,066,800円)で販売中。

グランドセイコーのスプリングドライブとクォーツ時計発祥の地 長野県にある信州時計工房の職人たちによるスプリングドライブ スポーツGMTです。このスプリングドライブ・スポーツGMTは、日本の長野県にある信州時計工房の職人たちによって作られています。

冬の穂高連峰の風景からインスパイアされました。
この雪には特別な光と繊細さがあり、それを文字盤の微妙な質感に表現しています。
穂高の山々からインスパイア、その影で作られました。
この雪は特別な光と繊細な質感を持ち、文字盤の微妙なテクスチャーの表面で表現されています。

雪は軽くて硬い結晶となり、太陽に照らされて輝き、冷たい風に煽られて繊細な模様を作り出します。文字盤は、雪の繊細な質感を表現するために特殊な銀メッキ加工が施されています。

GMT針は信州の冬景色
信州の朝陽の美しさをGMT針が捉えます。スプリングドライブ独自のグライドモーションが秒針を滑らかに静かに文字盤上を動かす様子は、まさに時間そのものを表現しています。

針とマーカーにルミブライトを採用した初のスノーフレーク
インデックスと針に施されたルミブライトコーティングは、時計の視認性を高め、すべての要素の光と影のコントラストを際立たせます。グランドセイコーらしいデザインの基本を踏襲しながら、上質な輝きをさらに豊かにしています。視認性と耐久性を備えた完璧なワールドスポーツウォッチです。

ケースバックには、限定モデルであることを示す「1 of 65」の文字。
幅広いアクティビティに対応するタイムピース。ベゼルはセラミック製で傷がつきにくい。リューズは4時位置にあり、手首の動きを妨げません。20気圧防水で、リューズと裏蓋はねじ込み式です。

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Sport Collection – Limited Edition of 65
Spring Drive GMT SBGE297
250,000 baht

Exterior
外装: ステンレススチール ベゼル:セラミックス
裏ぶた仕様: スクリューバック
ガラス材質: デュアルカーブサファイア
コーティング: 内面無反射コーティング
ルミブライト: あり(針・インデックス)
ケースサイズ: 横 40.5mm 縦 48.7mm 厚さ 14.7mm
バンド幅: 20mm
中留: ワンプッシュ三つ折れ方式
腕周り長さ(最長): 195mm
Movement
ムーブメント: 9R66 Instructions
駆動方式: スプリングドライブ 自動巻(手巻つき)
駆動期間: 最大巻上時約72時間(約3日間)持続
精度: 平均月差±15秒(日差±1秒相当)
Functions
防水: 日常生活用強化防水(20気圧)
耐磁: あり
重量: 172 g
その他:
ねじロック式りゅうず
石数 30石
24時針(デュアルタイム表示機能)
パワーリザーブ表示機能
カレンダー連動時差修正機能

まとめ


いかがでしょうか?

「【タイ限定】グランドセイコー SBGE297 “雪白” スプリングドライブGMT タイGS9クラブ 65本限定」でした。

タイ限定のグランドセイコーも第2弾となりました。

着実に人気が出ている証拠でしょう。

タイと言えばプロスペックスの限定モデルが多いイメージですが、グランドセイコーが支持されるほど富裕層にも認知されてきているのかも知れませんね。

まだ65本と数は多くありませんが、逆にタイで希少性は高まるでしょう。

それではまた!

セイコー メカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージに60周年記念限定モデル SBDC213 が登場。

1965年に誕生したセイコーダイバーから今年で60周年。

限定6,000本(うち国内2,000本) だそうです。

そこそこ多いですね。

セイコー ダイバーズウオッチ 60周年記念モデル登場
セイコーのダイバーズウオッチは、今年で誕生60周年を迎えます。

1965年、国産初のダイバーズウオッチとして誕生して以来、独自のテクノロジーを搭載した革新的なモデルを次々と世に送り出してきました。
オーデマピゲスーパーコピー時計 Nランク代金引換専門店初代モデルは、信頼性と安全性を追求し、セイコーダイバーズの歴史を切り開きました。
1968年には、当時世界最高水準の10振動ハイビート300m空気潜水モデルを発表。
さらに、1975年にはチタンケースを採用した世界初の600m飽和潜水用防水モデルを発売し、
プロフェッショナルダイバーから絶大な信頼を得ました。

その後も、セイコーは独自の技術とノウハウを結集し、数々の革新的なダイバーズウオッチを生み出し、
多くの冒険家や探検家に愛用され、地球上の過酷な環境下でその信頼性を証明しつづけています。

本作は、セイコーの歴史的マイルストーンを反映したヒストリカルモデルを基に、
機能とデザインの両面で進化を遂げた60周年記念限定モデルが登場します。

「ウェーブマーク」を纏う、力強く美しいダイヤルデザイン
セイコーダイバーズウオッチの象徴である「ウェーブマーク」は、高い信頼性と卓越した技術力の証。その刻印はすべてのダイバーズウオッチの裏蓋に刻まれています。
本作では、この「ウェーブマーク」をインスピレーション源に、荒々しい海の情景を彷彿とさせるダイナミックな型押しパターンをダイヤルに施しました。白波が力強く押し寄せる瞬間を切り取ったかのような迫力あるデザインが楽しめます。

1965年のヘリテージデザインを基としたデザイン
1965年に発表されたセイコー初のダイバーズウオッチを基にアップデートしたデザイン。ベゼルの表示板には洗練されたグレーを採用し、ケースとの調和がとれた一体感のあるデザインが高級感を引き立てています。

機能性、使い心地、外観の質感が向上した新開発の中留
新たに開発した中留は、最大約15mmの調整幅があり、約2.5mmずつ、6段階で調整を行うことができます。
これにより、潜水時の気圧の変化や、日常生活における腕周りの変化などにも対応ができ、常に快適な着用感を保ちます。

良いですね~。

昨年リニューアルされたSBDCシリーズの最新作に限定モデルとして登場したSBDC213。

ウェーブダイヤルが素敵です。

40mmのスティールケースにキャリバー6R55搭載しており、300m防水、72時間のロングパワーリザーブ、耐磁性も備えております。

価格は192,500円、世界限定6,000本(うち国内2,000本)、裏ぶたシリアルナンバー入りで、2025年5月10日発売予定です。

私は安かったSBDC101も好きでしたが、最新作のスペックは言うことなし。

ケースの仕上げや日差の大きさは価格相応ですけど、見た目が格好良いし20万円で買えるし、若い方にもおじさんにもオススメできます。

SBDC213
プロスペックス
Diver Scuba
192,500 円(税込)
2025年5月 発売予定
セイコーダイバーズウオッチ 60周年記念 限定モデル
世界限定:6,000本(うち国内:2,000本)
セイコーグローバルブランドコアショップ専用モデル

Specifications
ムーブメント
キャリバーNo 6R55
駆動方式 メカニカル 自動巻(手巻つき)
精度 日差+25秒~-15秒
駆動期間 最大巻上時約72時間持続
石数 24石
機能 秒針停止機能
ケース・バンド
ケース材質 ステンレス
ケースコーティング ダイヤシールド
ケースサイズ 厚さ:13.0mm 横:40.0mm 縦:46.4mm
ガラス材質 カーブサファイア
ガラスコーティング 内面無反射コーティング
ルミブライト あり(針・インデックス・ベゼル)
中留 ワンプッシュダイバーアジャスター方式
時計仕様
防水 300m空気潜水用防水
耐磁 あり
その他特徴
裏ぶた「LIMITED EDITION」表記
裏ぶたシリアルナンバー入り
逆回転防止ベゼル
ねじロック式りゅうず
ダブルロック中留
スクリューバック

まとめ

いかがでしょうか。

「【2025年新作】セイコープロスペックス SBDC213 メカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージ」でした。

この辺のエントリーモデルのプロスペックスも、そのうち20万円以上になっていくので、気になったモデルは早めに買っておいた方が良いですよ。

キングセイコーから2025年の新作情報です。キングセイコー 新生「VANAC」だそうです。

1972年に発売された、当時のVANAC

1972年、風格あるデザインを特徴としていたキングセイコーから、鮮やかなカラーリングや斬新な多面形のケースデザインが異彩を放つ「VANAC」が発売されました。
そして2025年、50年の時を経て、キングセイコーの新たな可能性を切り開こうとする当時の「VANAC」に込められた意志を継承する新生「VANAC」が登場します。

スーパーコピー時計 Nランク代金引換専門店なるほど、なるほど。

なんとなくクレドールのロコモティブがヒットして、セイコーももう少し買いやすいラグジュアリースポーツモデル的な何かを出したかった、そんな感じが伝わってきます。

ケース径41mmに対して厚みが14.3mmもありますので、シュッとしていないのが残念ですが、新しいムーブメント キャリバー8L45は72時間ロングパワーリザーブ、いつも通り10気圧防水ですし耐磁性もありますので使い勝手は良さそう。

着けた感じがすごい気になりますね!

レギュラーモデルは、時間の移ろいによって変化する、現代の東京の景色をダイヤルで表現しました。
それぞれ「夕暮れ時」「真夜中」「日の出」を表現した、パープル、ネイビー、シルバーの3色のダイヤルをそろえています。

スタート時のラインナップは3種類。

2025年7月11日発売予定で396,000円。

そして・・・

限定モデルと販路限定モデルが1本ずつラインナップしております。

値段・スペックは同じ。

個人的にはレギュラーのネイビーか、限定のブラウンが好き。

ボックス型サファイアガラスを採用、オリジナルモデルに多い多面カットのカッドガラススタイルは引き継がなかったんですね。

最近プレザージュでは見た気がしましたけど。

それでは見ていきましょう。

SDKV001 夕暮れ時


SDKV001
キングセイコー
VANAC
396,000 円(税込)
2025年7月 発売予定
セイコーウオッチサロン専用モデル

デザインコンセプトは、キングセイコーの誕生の地である東京に広がる壮大な地平線 “Tokyo Horizon”。

こちらは夕暮れ時パープル。

Case
金属の塊から削り出されたかのような力強くダイナミックな形状を持ちながら、ベゼルのないデザインを採用することで、エレガントで薄い外観を生み出しました。また、高度な研磨仕上げにより磨きこまれた歪みのない鏡面がダイナミックな陰影を生み出し存在感を放ちます。

Dial
ダイヤルには、デザインコンセプトである“Tokyo Horizon”をイメージした水平方向に広がるストライプの型打パターンを採用し、1970年代の「VANAC」の存在感のあるベゼルに着想を得た「インデックスリング」(インデックスの役割を果たすリング状の別体パーツ)を採用しました。縁がきらりと輝くインデックスリングには、立体的な分目盛をレイアウトし、時目盛にはルミブライトを施しています。そして、12時のインデックスと秒針のカウンターウェイトには、「VANAC」の頭文字の「V」のシルエットを象りました。

Bracelet
ケースと滑らかにつながる新開発のブレスレットは、鏡面仕上げとヘアライン仕上げのこまを短いピッチで組み合わせ、水平のラインが際立つデザインにしました。
細部までこだわって設計された横に長く緩やかに弧を描く駒により、快適な着け心地とデザイン性を実現しています。

Case Back
キングセイコー復活後、初めてシースルーバックデザインを採用し、ガラス部分にはキングセイコーの「盾」をモチーフにしたブランドマークが記されています。
本モデルは、セイコーの現行メカニカルムーブメントとして最も安定した精度(日差+10秒~-5秒)を実現した「キャリバー8L45」を搭載しています。

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Caliber 8L45

「キャリバー8L45」は、動力ぜんまいをスペックアップすることで約72時間のパワーリザーブを達成し、長い持続時間と安定した精度を両立しました。
また、ダイバーズウオッチにも搭載することが可能な堅牢性も備えています。回転錘や受には高級感のある美しい波目模様を施しました。

Specifications
ムーブメント
キャリバーNo 8L45
駆動方式 メカニカル 自動巻(手巻つき)
精度 日差+10秒~-5秒
駆動期間 最大巻上時約72時間持続
石数 35石
機能
振動数:28,800振動/時(8振動/秒)
秒針停止機能
カレンダー(日付)機能つき
ケース・バンド
ケース材質 ステンレス
ケースサイズ 厚さ:14.3mm 横:41.0mm 縦:45.1mm
ガラス材質 ボックス型サファイア
ガラスコーティング 内面無反射コーティング
ルミブライト あり(針・インデックス)
中留 ワンプッシュ両開き方式
時計仕様
防水 日常生活用強化防水(10気圧)
耐磁 あり
その他特徴
ねじロック式りゅうず
スクリューバック

SDKV003 真夜中


SDKV003
キングセイコー
VANAC
396,000 円(税込)
2025年7月 発売予定
セイコーウオッチサロン専用モデル

真夜中ネイビー。

SDKV005 日の出


SDKV005
キングセイコー
VANAC
396,000 円(税込)
2025年7月 発売予定
セイコーウオッチサロン専用モデル

日の出シルバー。

SDKV007

SDKV007
キングセイコー
VANAC
396,000 円(税込)
2025年7月 発売予定
VANAC 限定モデル
世界限定:700本(うち国内:300本)
セイコーウオッチサロン専用モデル

〈 キングセイコー 〉VANAC 限定モデル

東京の広大な地平線から昇る荘厳な朝日をモチーフにした限定モデルです。
ダイヤルのセイコーロゴと裏ぶたのキングセイコーロゴもゴールドに揃えています。

裏ぶた「LIMITED EDITION」表記
裏ぶたシリアルナンバー入り

SDKV009

SDKV009
キングセイコー
VANAC
396,000 円(税込)
2025年7月 発売予定
セイコーブティック専用モデル

〈 キングセイコー 〉VANAC セイコーブティック専用モデル

燦燦と光が降り注ぐ東京の景色からインスピレーションを得たアイスブルーのダイヤルカラーを採用した
セイコーブティック専用モデルです。

まとめ

いかがでしょうか。

「【2025年新作】キングセイコー 新生「VANAC」SDKV001 / SDKV003 / SDKV005 / SDKV007 / SDKV009」でした。

かなり最初からドーンとバリエーションを用意しましたね。

気合を感じます。

ただ、このデザインが受け入れられるかはまだわかりません。

今後も文字盤は「東京の景色」からインスピレーションを得たものを採用し続けるのかしら?

雨天も曇天も雨上がりの虹なんかも可能性ありそう。

あとはブライトチタンとか、サイズ違いとかですかね?

ヒットしたら良いですけど、個人的にはあまり刺さらない新作でした。

ジョージ・スマイリーがつける時計は何かを予想する

ジェームズ・ボンドの映画に夢中になったのは自然なことだったと思う(高校2年生の悲惨な年に文学的なジェームズ・ボンドが存在することに気づき、学校の隣の図書館でボロボロのペーパーバック版を読んで乗り切った。学校は学びの場というより刑務所のような灰色の建物だったが、それはまた別の話)。ボンドが気晴らしを提供してくれた一方で、もうひとりの架空のスーパースパイ(と呼んでいいのかどうかわからないが)であるジョージ・スマイリーが、早熟で皮肉屋になった青年にとっては倫理的な不確実性と道徳的腐敗の影の領域で、欠点を持つヒーローたちが無意味に争っているような、みすぼらしい世界だということを確認するようなものだった。もちろんジョージ・スマイリーのことを指している。彼はOBE(大英帝国勲章)受賞者であり、誠実な警官が“ファニーズ”と呼ぶスパイのひうとりである。かつて非公式にMI6、正式には秘密情報局と呼ばれる組織の長を務め、スマイリーの生みの親であるジョン・ル・カレ(John Le Carré)によって皮肉を込めて“ザ・サーカス”と名付けられた。この名称は本部がケンブリッジ・サーカスにあることに由来するが、口コミ第1位のオーデマピゲスーパーコピー代引き専門店『寒い国から帰ってきたスパイ』を書いたル・カレの作品には二重の意味が込められていることが多い。

ジョージ・スマイリーがどんな腕時計をつけていたかを考えるようになったのは、時計コミュニティにいるジェイソン・ヒートン(Jason Heaton)とのメールやり取りがきっかけだった。ジェイソンは時計業界で最もボンドに近い存在だが、両者とも冒険を好む旅慣れた紳士であるという意味においてのみで、アルコール依存症やタバコ中毒、人命の価値や人間本来の尊厳を蔑ろにするようなことはしない。またジェイソンはスパイではない…少なくとも我々が知る限りでは)。ジェームズ・ボンドデーを記念したお気に入りのQ課のガジェットウォッチを紹介したことがきっかけで、スマイリーがどんな時計をつけていたかを考えるようになった。ボンドの時計は冷酷で無慈悲な実直な性格を投影しているが『007/カジノ・ロワイヤル(原題:Casino Royale)』でエヴァ・グリーン(Eva Green)氏演じるヴェスパー・リンドがMI6のエージェントについて、“元SAS隊員で、笑顔が素敵で高価な時計をつけている人たち”と描写している)、スマイリーにとってそのようなものは逆に忌避すべき対象だったと考えるのが妥当だと思う。

BBCシリーズ『スマイリーと仲間たち(原題:Smiley's People)』でジョージ・スマイリーを演じるアレック・ギネス(Alec Guinness)。

ジョージ・スマイリーは実際、物語のなかで注目を集めるような行動を非常に嫌う人物として描かれているが、これはスパイ活動に従事する者として自然なことである。スマイリーが“ボンドはある目的を果たしているが、あの派手な時計や高価なクルマ、機会があればすぐに暴力に訴えるようなやり方は作戦上安全とは言えない”と呟く様子が容易に想像できる。

スマイリーがどんな時計を所有していたかを考えるには、彼の架空の経歴を簡単に振り返ってみたい。スマイリーは1915年頃に生まれ、目立たない存在であったことを美徳とし、職業とした。オックスフォード大学で現代言語を学び、バロック時代のドイツ文学を専門としていた彼は、学問の世界での将来に希望が持てなかったため、家庭教師のジェベディーに勧誘されてサーカスに入ることになった。

スマイリーはその後、長期にわたる冷酷なキャリアを築く。彼はいくつかの初期のル・カレ小説に登場するが、特に『寒い国から帰ってきたスパイ』では小さな役割ながらも重要な存在である。この作品で、諜報員のひとりであるリーマスがガールフレンドに自分の正体をバラしたことを知り、リーマスが言うところの“汚くてろくでもない作戦”に彼女を組み込んだ。まあネタバレは避けるが、もしまだ読んでいないなら(ぜひ読むべきだ)、1960年代の東ベルリンでの汚くてろくでもない諜報活動がどう終わるかはおそらく想像がつくだろう。スマイリーは冷戦時代のヨーロッパを放浪し、『重力の虹』のゾーンにおけるタイロン・スロートロップのように現れては消える。しかし彼の原型はスマイリー三部作で最も明確に固まり、特に1974年の小説『裏切りのサーカス』ではサーカスに潜む“二重スパイ”を暴くことでその姿が描かれた。スマイリーは虚栄心、貪欲、不安定など人間の醜い特性を持つ人々に囲まれており、愛国心は彼らの動機のなかで最も低い位置にあるが、スマイリー自身は深く愛国的を持っており、少なくとも民主主義の理想に深くコミットしている。

スマイリーをひと言で言えば、秘密主義と思慮深さが個人的な好みであると同時に職業的な義務でもある人物だ。物理的なものに対してはあまり興味がなく、技術的なことにも特別な関心を示さない。彼はスパイ技術に付随する技術的な問題に精通している。例えばスマイリー三部作の最終作では、盗まれたネガから自分でプリントを作成する手間を惜しまず、また『裏切りのサーカス』クライマックスでは銃器の扱いにも堪能であることが描かれている。しかし、一般的に彼は肉体的に不器用とまではいかなくとも技術的な事柄やメカニズムに対する真の魅力を感じさせない、ある種抽象的な印象を与える(自動車にはほとんど興味がなく、『スマイリーと仲間たち』では、非常に危険な救出作戦の最中同僚のポルシェに乗り込む際、“なんてひどい小さなクルマだ”と本当に軽蔑した様子で叫ぶシーンがある)。また彼が個人のスタイルを示すために、時計を所有することも考えにくい。ボンドが少し粗野な魅力ときわめて男性的な魅力で注目される一方、スマイリーはその点で著しく魅力に欠けているようだ(彼の美しい妻は何度も彼に不貞を働いている)。彼は些細なことにうぬぼれが強く、帽子をかぶると滑稽に見えるため(少なくとも小説では)かぶるのを拒む。彼の服は非常に高価だが、サイズが合っておらず、そのことに気づいていないようだ(小説によると、これは仕立て屋が追加の生地代を高く請求して彼から奪おうとしたためである)。要するに、スマイリーはペン、カメラ、時計などの品質にはこだわるが、それを評価する際に自己疑念に悩まされるため、信頼できる保守的な時計に多額の金を費やすきらいがある。その時計が何年にもわたって正確な時間を提供し、問題を起こさないことを期待してしているのだろう。

ここでル・カレが描くスマイリーの姿を簡潔に紹介する。『裏切りのサーカス』の冒頭で、スマイリーは大雨が降る深夜のロンドンにて、“小柄でふっくらとしており、せいぜい中年に見える彼は、ロンドンの地味な人々のひとりに見えた。足は短く、歩き方はぎこちなく、服装は高価だが似合っておらず、ひどく濡れていた”と描写される。

では、スマイリーはどんな時計を使うのだろうか? ひとつの可能性として、学生時代には懐中時計を愛用していたことが考えられる。1930年代のオックスフォードでバロック・ドイツ文学を学ぶ学者にとっては十分にあり得ることだ。ハンドメイドの英国製懐中時計であれば高価だったが、彼の運動嫌いと控えめで規則的な生活を考えると、スティールケースのオメガのような時計が非常に適していただろう。ただスカウトされたあとは、懐中時計よりも少し扱いやすいものを求めるようになったかもしれない。スマイリーの特徴である誤った忠誠心から、できる限り長く懐中時計にこだわった可能性もあるが、1935年にドイツで始めた本格的かつ独立した現地での活動は、より使いやすい時計を必要としただろう。戦争が始まる直前、彼がチューリッヒを訪れ(彼は昔からスパイのメッカであるスイスを頻繁に訪れていた)、バーンホフ通りのベイヤー・クロノメトリーに立ち寄る姿が容易に想像できる。スマイリーはその歴史と堅実さのオーラに安心感を覚えたに違いない。

こちらのパテック カラトラバ Ref.96は、2017年にフィリップスで販売された個体。このモデルの生産は1932年に開始され、これはスマイリーがSISに採用された年にあたる。

おそらく彼には少し余裕があった。扶養する家族もおらず(彼は戦後まで結婚せず、子どももいなかった)、質素な生活習慣を持っていたため、給与は貯まる一方だっただろう。腕時計という問題を1度で解決しようと考えていた彼なら、パテック フィリップを選んだ可能性は高いと思う。もしかしたらパテック フィリップの存在を知っていたかもしれず、その非常に高い品質の評判に引かれたかもしれない。私の推測では、スマイリーはイエローゴールドのRef.96 カラトラバを購入し、それを腕につけて店を出たのだろう。この時計は、その控えめさ、慎重さ、必要なときに現れ、不要なときに消える能力を備えており、完璧なスパイにとって理想的な時計であった。

そしてスマイリーは毎朝無意識にリューズを巻き上げながら、何十年にもわたってその時計にほとんど考えを巡らせなかっただろう。ただ時折、価格で騙されたのではないかと疑うことがあったかもしれないけれど。

オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル ホワイト

時計収集にはこんな格言がある。“スピードマスターの所有は通過儀礼である”。私はそれを念頭に早い段階で時計の世界に飛び込んだ。スピードマスターを所有することが “時計マニア”であるための必須条件であるならば、ヴィンテージスピードマスターの全リファレンスをひと目で見分けられるようになるべきだと思い込んだものだ。ラグの形状、“ドット・オーバー90”のタキメータースケール、フォント、エングレービング、表記、ダイヤルなど、あらゆることを学習したが、1週間後にはまたすぐに忘れてしまった。スピードマスターを購入する前に、私は燃え尽きてしまっていたが、私は気を取り直して前に進んだ。以来、私はスピードマスターの購入を真剣に考えたことはなかったが、最近になってふたつのオプションが私の心に刺さり始めた。

口コミ第1位のオメガスーパーコピー代引き専門店最初の候補は新作“エド・ホワイト”であった。これはヴィンテージのRef.105.003にインスパイアされたストレートラグを持つモデルで、Cal.321を搭載した初代スピードマスターの復刻版である。私はヴィンテージウォッチが大好きだが、取り扱いに気を使わず身につけるのは難しい。この新作には、そもそも私がヴィンテージスピードマスターに引かれた伝統をほうふつとさせる上、経年劣化の心配も少ない。

Ed White speedmaster
2020年、編集部は“A Week On The Wrist”でその“エド・ホワイト”復刻版のスピードマスターを取り上げた。

ダニエル・クレイグ、当時未発売だったホワイトダイヤルのスピードマスターを着用

2023年秋、ダニエル・クレイグがオメガのイベントのレッドカーペットを歩いたとき、彼のラウンドタイプのアイウェアに目を奪われなかったなら、彼の手首で輝くホワイトのスピーディに気づいたことだろう。

そして今年初め、オメガはおそらくここ数年で最も期待されたスピードマスター(あるいは、あらゆる“何とか”マスター)を発表した。2023年秋にニューヨークで開催されたイベントで、ダニエル・クレイグが当時まだ知られていなかったホワイトダイヤルのスピードマスターを着用しているところを目撃されたことも、この熱狂の炎に油を注いだ。この目撃情報は多くの憶測を呼んだ。スピーディファンにとって苦悩の数カ月後、2015年の45周年記念モデル“シルバー スヌーピー”以来となる、(ほぼ)完全なホワイトダイヤル仕様の新作スピードマスターが登場した。しかも限定モデルではないという。それこそが、オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル Ref.310.30.42.50.04.001である。長らく待ち侘びた甲斐があったというものだ。

Week on the Wrist
米国版のIntroducing記事には175以上のコメントが寄せられ、閲覧数は数十万ビューに達した。ほとんどの販売店ではすでに1年以上、もしかしたらもっと長いウェイティングリストになっているそうで、正規販売店の関係者ふたりが少なくともあと数カ月はこの記事を書かないでくれと冗談めかして懇願してきた。「もうこれ以上、この件で電話をかけてくる人は勘弁してほしいのです」

 実物を見かけたのは1度だけだった。私はこの新しい時計に興奮し、最初のスピードマスターとしてこの時計を手に入れたとしても、間違った決断だと後悔しないと思っていた。しかし、その後考え直した。結局のところ、スピーディがアイコンである理由のひとつは、ブラックダイヤルの美しさゆえなのだろうか? もしあなたがその結論に迷っていて、ホワイトラッカーダイヤルについてもっと知りたいと思うか、あるいはホワイトダイヤルのスピードマスターの歴史について知りたいなら、私たちに任せてほしい。

オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル Ref.310.30.42.50.04.001とは何か?
 最近の“A Week On The Wrist”のなかで、ベンはロレックス デイトナ ル・マンが発表されたとき、自分がどこにいたかを覚えていると語っていた。私もホワイトダイヤルのスピードマスターで同じ経験をした。というのも、私は普段、メーカーが新しいダイヤルカラーを発表するからといって関心を持つことはないからだ。だが、ジョン・メイヤーが自身が関わった新しいロイヤル オークをプレス向けにプレビューした直後、私はホテルで取材をまとめようとしていた。するとスピードマスターが発表され、私の朝の予定はすべて吹っ飛んだ。

 ホテルのロビーで割高なクラブサンドイッチを食べながら、オメガのプレスリリースや画像など、取材に必要な情報にアクセスできないことに気づいた。ダニエル・クレイグのチラ見せをじっくり見たわけでもなかったが、ここ数年で最も期待の寄せられたスピードマスターであることはすぐにわかった。この時計が私の胸をときめかせたのは、それらの問題を整理し、記事を書き始めてからだった。ホワイトかつスポーティで目を引くこの時計は、久しぶりに私の目を奪ったスピードマスターだったのだ。

White Speedmaster
 ここがおそらく最も非難を浴びるところだろうが、私がスピードマスター、少なくとも一般的なブラックダイヤルの“ムーンウォッチ”を買おうと思わなかった理由のひとつは、どれも似たように見えるからだ。月面着陸まで(そしてそれ以前まで)遡ることができるモデルの素晴らしい点、つまり非常に緩やかで思慮深い進化は、諸刃の剣でもあるのだ。

 数週間前、私は別々の日にスピーディプロを着用している人を見かけた。遠目には見分けがつかなかった。つまり、彼らがなぜスピーディーをつけているのか、その理由もよく分からなかった。私は誰かを見て、4桁、5桁、6桁リファレンスのロレックスを見て、彼らが時計コレクターなのか、一般的な消費者なのか、父親から引き継いだ4桁のロレックスを持つ20代の若者なのか、それともそれではないほかの何なのかを推測するのが好きだ。また、スピーディに関してめったにすることのない会話への扉を開くこともある。

White Speedmaster
 ホワイトダイヤルを採用したスピードマスターはこれまでにもいくつか存在した。そのうちのいくつかは追って紹介するとして、ステンレススティール製のホワイトダイヤルとしては初の通常生産(限定版ではない)の主力モデル(スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル)である。それ自体が信じられないだろう。オメガの正規販売店に立ち寄れば、“ホワイト・サイド・オブ・ザ・ムーン”から数種類の“スピードマスター レーシング”やその他の2カウンタークロノグラフまで、ホワイトダイヤルのスピードマスターを目にすることができる。しかしムーンウォッチは別格だ...アイコンであり、失敗が許されないモデルなのだ。2024年3月5日を、オメガがホワイトダイヤルでムーンウォッチを台無しにした残念な日とみなす人もいるだろう。しかしオメガがホワイトダイヤルを採用し、これほどまでに個性的な腕時計を生み出したという事実は、このラインナップに大きな新風を吹き込んだと言える。

Week on the wrist
Omega 3861
オメガ マスター クロノメーター認定コーアクシャルムーブメント、Cal.3861。

 2021年、オメガはSS製スピードマスター プロフェッショナルの最新世代を発表した。SS製にはふたつのオプションが存在し、ひとつは宇宙ミッションで使用されたスピードマスターと同じヘサライト(プラスチック)風防を備えたモデル、もうひとつは表(風防)と裏(ケースバック)にサファイアクリスタルを備えたサファイア“サンドイッチ”モデルで、内部の新型(現行世代)Cal.3861 コーアクシャルマスター クロノメーター手巻きムーブメントを眺めることができる。見栄えのいいムーブメントで、動作を眺めているだけで楽しくなり、量産品にしてはよく仕上がっている。Cal.3861の有名なコーアクシャル脱進機に加え、テンプはフリースプラング方式で、Si14シリコン製ヒゲゼンマイを採用し、1万5000ガウスまでの耐磁性も実現している。また、このムーブメントは50時間のパワーリザーブを備えている。手巻きのクロノグラフムーブメントは、少なくともデイト表示やカレンダーを気にする必要がなく、しばらく着用せずに置いておける場合には、常に私の最初の選択肢となり得る存在だ。そして、これほどアイコニックな系譜を持つものは少ない。

Omega 3861
Cal.3861をサファイアケースバック越しに眺める。

 このモデルはサファイア“サンドイッチ”のホワイトダイヤルバージョンで、直径42mm×厚み13.18mm、ラグからラグまでの長さは47.5mm、ラグはツイストされた形状を持つ。これは基本的にバズ・オルドリンが月面で着用した初代ムーンウォッチ(Ref.105.012)と同じ外寸で、50mの防水性を備えている。ダイヤルを拡大するヘサライトの歴史を感じさせる意匠はない。またケースバックの “ヒッポカムポス(海馬)”ロゴも、最新世代のために施された新しいエングレービングもない。その代わり、風防とケースバックには耐傷性の高いサファイアが採用されている。ケースバックの縁には、“CO-AXIAL MASTER CHRONOMETER”、“THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON(月面で着用された最初の時計)”と記されたエングレービングが施され、ダイヤルにはプリントではなくアプライドされた“オメガ”のロゴマークを配置。ベゼルはSS製、インサートはアルミニウム製で、タキメータースケールにはオリジナルモデルと同様に“ドット・オーバー90(D.O.N.)”の意匠が刻まれている。このD.O.N.ベゼルのようなディテールひとつ取っても、1本の時計がほかの時計とどこが違うのか、その些細な差異の研究に多くの時間を費やすスピードマスター愛好家にとって、天と地ほどの違いがあると言っても過言ではない。

Bracelet
新世代のスピードマスターには、より洗練されたブレスレットが採用されている。

 この世代におけるその他の改良点は、大規模なものからわずかなものまで多岐にわたる。日常の使用において最も大きな改良点は、20mmから15mmにテーパーがかかったブレスレットで、3分の1から3分の2のリンクが延長可能だ。以前のブレスレットに比べ、繊細さや脆弱性が軽減され、つけ心地もはるかによくなった。最初の数回は腕の毛が引っ張られることもあったが、やがてそれもなくなった。さらに微妙な変化として、1974年頃までスピードマスターのブラックニス仕上げのダイヤルにあった“ステップ(段差)”が復活したことだ。そう、その段差は新しいホワイトダイヤルにも残っていて、見た目はいいのだが、それが最初に目につくことはない。

Omega Speedmaster
 ダイヤルというひとつのデザインの要所を変更するというこの決断は、オメガがスピードマスターを歴史的にどのように発展させてきたかをよく表している。セラミック製ベゼルや新しいケースデザインのような大々的な変革は避け、この新作では1点のみしっかりと変更を加えている。ダイヤルには、“スピードマスター”表記とクロノグラフ針の先端にレッドが彩られている。これは購入者のあいだで少し賛否が分かれているが、私はこのアクセントが好きだ。また、ブラックPVDで覆われたブラックの表記、ダイヤモンドミラーポリッシュ仕上げのアプライドインデックスや針も際立っている。針とインデックスのスーパールミノバはホワイトで、グリーンに発光する。この1週間、私は時計をじっくりと眺め、手首から外し、各パーツを研究するのに多くの時間を費やした。しかし完成されたパッケージとしても、ぱっと見ただけで、ホワイトダイヤルの機能性は驚異的に素晴らしい。悪目立ちする要素はひとつもない。月並みな表現だが、この新しいダイヤルを眺めるたびに私から笑顔が溢れた。

White Speedmaster
Omega White Speedmaster
 プレスリリースによると、アポロ宇宙飛行士の白いNASAスーツと、1970年のアポロ13号以来、司令官の階級を強調するスーツの赤いラインからインスピレーションを得たということだ。どのプレスリリースも時計も、ストーリーテリングのために多少の辻褄合わせが行われるが、私は外観そのものもいいと感じている。オメガはほかの情報源にて、すべてのディテール(インダイヤルのサーキュラーグレイン仕上げなど)をはっきり見せながら、ホワイトラッカーダイヤルを製造するのは非常に複雑であり、それが当ブランドの生産を遅らせる元凶だと明かしているそうだ。それでもホワイトダイヤルの価格は従来のサファイア“サンドイッチ”よりも2万2000円高いだけの125万4000円(税込)だ。

Speedmaster
 スピードマスターがご無沙汰だった私のような者にとっては、少し高く感じるかもしれない。初期のスピードマスター、たとえばRef.145.022のような初期のスピードマスターなら、まずまずのコンディションの個体が半額程度で手に入るからだ。しかし、これはまったくの別物である。本作はオメガが現在取り組んでいるすべてを盛り込んだ最高級品なのだ。またスペック上では少し大きかったり厚かったりするように見えるかもしれないが、1週間以上着用している間、1度もそう感じたことはなかった。オメガが60年以上も前に、最初からほぼ完璧なものを完成させていたことを思うと信じられない思いだ。完全なパッケージとして、この時計は私の次の時計の新たな候補となった。もし手に入れることができれば、の話だが。

そのほかホワイトダイヤルを持つスピードマスターの数々
 ホワイトダイヤルのスピードマスターはムーンウォッチの通常のラインナップとしては目新しいかもしれないが、オメガにとっては決して新しいものではない。オメガ スピードマスターの歴史と宇宙開発との結びつきは、おそらく誰もが知るところだろう。NASAのジェミニ4号ミッションの一環として、アメリカ初の宇宙遊泳の際に着用されたこともある。その後、1969年7月20日のアポロ11号ミッションで、月面を歩いた宇宙飛行士が初めて着用した時計としても有名だ。

 これらの偉業に携わった時計は、現在のスピードマスターとほぼ同じ外観、特にブラックダイヤルであったが、月面着陸と同じ年に遡るホワイトダイヤルのスピードマスターの長い歴史もある。競合モデルとの比較に移る前に、ムーンウォッチのラインナップからほかのホワイトダイヤルモデルを見てみよう。歴史がお好きな方はシートベルトを締めて。現行品がお好みな読者は、読み飛ばしていただいて結構だ。私は恨んだりはしない。

アラスカ・プロジェクト
 1960年代後半、NASAのエンジニアであったジェームズ(ジム)・H・ラガン氏は、以前アポロ計画で時計やカメラのテスト手順に携わっており、将来の有人宇宙飛行で宇宙飛行士が使用する機器の仕様を開発していた。オメガは、コードネーム “アラスカ・プロジェクト”と名付けられた彼らの提案に取り組み始めた。プロジェクト名の “アラスカ”は、名前以外にアラスカ州とはほとんど関係がない。オメガは産業スパイによる被害を減らすため、多くのプロジェクトにコードネームを使用しており、このコードネームは1970年代まで使用された。その結果、最初のホワイトダイヤルのスピードマスターが誕生したのである。

Alaska Project Mark I
2017年の記事に登場した、極めて変則的な形状のチタンケースを備えたアラスカ・プロジェクトの初代プロトタイプ。

 耐衝撃性と高い耐温度性というふたつの目標をクリアするために、オメガがこれらの要求仕様に沿って完成させた最初のスピードマスターのプロトタイプが、1969年のチタン製アラスカ・プロジェクトである。オメガのCal.861をベースにしたムーブメントには、高温に耐えるために異なる素材とオイルが使用され、チタンケースは陽極酸化アルミニウム製の赤いアウターケースで保護されていた。さらに重要なのは、太陽光と熱を反射しやすくするためにシルバー/ホワイトのダイヤルを採用し、視認性を高めるためにスペースカプセル型のインダイヤル針を備えていたことである。

Alaska Project II
2016年のフィリップスにて、15万6250スイスフラン(当時の相場で約1724万円)で落札されたアラスカ・プロジェクトII。

Soyuz
Photo: courtesy Moon Watch Universe

 より伝統的なケースとマットな亜鉛メッキのホワイトダイヤルを備えたこの時計のセカンドバージョン“アラスカ・プロジェクトII”は、NASAのテスト用に製作されたが、NASAからは高価すぎるとして却下された。オメガがスピードマスターの改良を試みたのは、(依頼されずとも)これが最後ではなかった。しかし、この時計は最終的に1977年から1981年までソ連の宇宙飛行士の手首に装着され、宇宙へと旅立った。

“イタリアン・アルビノ”Ref. 3593.20.00
Speedmaster 3593.20.00
Photo: courtesy Roy and Sacha Davidoff

オメガ時計コピー 代金引換優良サイトがホワイトダイヤルのムーンウォッチを再び発表するのは、1997年、スピードマスター誕生40周年記念モデルとして、イタリア国内でのみ販売され、1年間に500本のみ生産された限定モデルが登場してからである。このモデル、Ref.3593.20.00は、“イタリアン・アルビノ”または“ビアンコ・イタリアーノ”として知られるようになった。

この時計のダイヤルは、純白ではなくクリーム色だ。メインインデックスはホワイトで、ブラックの囲みとブラックの文字、そして針はブラックにホワイトの夜光塗料を塗布している。この黒い囲みはダイヤルから浮き上がって見えるが、新型スピードマスターとはまた違った趣だ。このモデルは、サファイアケースバック越しに眺められることを念頭においたCal.1863を搭載した最初のスピードマスター ムーンウォッチのひとつである。つまり、これはRef.3573.50以前の初のサファイア“サンドイッチ”ムーンウォッチ(サファイア風防とケースバックを備えたモデル)ということになる。また、1997年に夜光塗料としてトリチウムが廃止されたあとは、ダイヤルマーカーと針にルミノバが採用されている。

日本限定の三越スピードマスターとアポロ11号35周年記念スピードマスター
2003年、オメガは日本最古の百貨店である三越とコラボレーションを行った。300本限定のこの“パンダ”スタイルのスピードマスター(Ref.3570.31)は、一種のカルト的人気を誇っている。実際、私がその昔、最も注目していたスピードマスターのひとつだった。三越限定モデルの相場が高騰してしまったため、アフターマーケットで似たようなダイヤルを自作する人さえ存在する。そのため、正しい個体を見つけるのはかなり困難となっている。

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